35.どうやら街に入るにもお金がいるらしい…
〜くーすけside〜
ボク達は森の中から出て、前にあの迷子の子を送った道に出た。流石に行くのが2回目となるとちょっとは覚えてるもんだね〜?
前に来た時は子供を届けた直後に沢山の人間に追いかけ回されて散々な目に会ったけど、今回は人間のいう“モンスター”の姿じゃないから多分大丈夫だよね…?
「あっ、門が見えてきたよ〜!」
『(あんまり人前であたし達と話さない方が良いわよ?多重人格設定は最終手段の誤魔化しですし、大抵人間も普通は多重人格であることを隠したがるそうよ)』
「えぇ〜…じゃあどうやって2匹と話したら良いの〜?」
『(視界が共有されてるから瞬きとかで合図すれば良いんじゃねぇか?右目を3秒以上閉じたら俺様と交代、左目ならチョコと交代、両目なら貴様と交代でどうだ?)』
『(それで何か知識方面を伝える際は表に出てる方は顔に出さないようにすればまぁいけるわね)』
そうして話を歩きながら纏めて門の側までつくと、門番の人間に呼び止められた。
「そこの人、旅人か?街に入るなら何か身分証になるものを出してもらおう」
「みぶんしょう…?」
『(人間がどこの誰かを証明するための物よ。どこの誰か分からない怪しい人に高価な物を売ったり、関係者以外の人は立ち入り禁止の場所に入れれないから、そういう場所で使うわね)』
『(あぁ〜そういえば財布の中に色んなカード入れてるな俺様の家の大人共は…?)』
チョコちゃんが説明してくれたけど、ボク達その身分証ってやつ持ってないよね?
「身分証持ってない時はどうすれば良いの〜?」
「何も無いのか?だったら20ゴルド払って通行証を発行しないといけないが、見たところ荷物が何も無いが…?」
『(そうだわお金が全く無いじゃない…少なくとも日本だとお金の単位は円よねぇ?20ゴルドってどれぐらいかしら?)』
『(金の価値が分からねぇから持ってる木の実売っても足りるか分からねぇぞ?)』
「……えっと、この木の実を売ったらいくらになるの〜?」
ボクは内ポケットの中から、森の中でよく見つけて食べていた謎の青い木の実を20個程取り出して門番に見せた。ちなみに見た目の色的には外側が青色で中身が緑色というめちゃくちゃ美味しくなさそうな色だけど、食べたらほのかに甘くて美味しいんだよね〜。
「フロードラの実か?状態も良いしこの量ならギリギリ20ゴルド分にはなる。通行証を発行してくるから少し待て」
「やった〜!」
『(あの木の実が売れる木の実で良かったな。少なくともあの木の実が1粒1ゴルドぐらいの価値なのは分かったぜ)』
『(あんな木の実元の世界じゃ見たことが無かったけど、フロードラって名前だったのね?)』
『(あの見た目だと食欲が失せそうな色合いの森の中じゃあちこちに生えてる実が売れるぐらいだし、そんなに高い実じゃねぇだろ多分)』
『(そもそもあたし達のお金の価値観なんて人間の見よう見まねだから、元の世界と同じ果物があっても価値の計算出来ないわよ?)』
『(そんなものその場その場で学べば良いだろ)』
「(わぁ〜2匹がいっぱい喋ってるけど全然分からない…)」
そうして待ってる間に頭の中でこたろう君とチョコちゃんが色々話し合ってたけど、ボクはあんまり分からなかったからそのまま流してたよ〜。だって、全部聞いてると頭キーンッてなる時あるからね〜?




