わたしの短編集
『小説』ってなんだろう?
『恋愛小説』ってなんだろう?
平凡な日常の中で、そんな思いが膨らんでいく。
素敵な恋愛なんてお伽話の世界の話。
本当の恋愛に夢や希望なんてあるのかしら。
そんな身も蓋もない思いが心に引っかかる。
「小説を書いてみようかなぁ。」
小説なんて、ほとんど読んだ事がない。
字を読むのが苦手だ。
文章を読むと集中力が途切れてすぐ疲れてしまう。
そんなわたしが小説を書きたくなるなんて
どういう風の吹き回しだろう。
――― 迷うなら書いてみればいいじゃん。―――
――― 迷うなら一歩踏み出さないと後悔しちゃうよ。―――
わたしの中の誰かが背中を押してくる。
「短い文章ならわたしにも書けるかな。」
わたしはパソコンの前に座ってみた。
検索して大手小説投稿サイトのウェブページを開く。
なんとなく使い方はわかった。
「ん?・・・あれ? 何も思いつかないよぉ。
有名作家さんの真似から始めたらいいの? 」
でも、小説を読むなんて辛いよ。
適当に書いてみてから課題を考えればいいか。
空っぽのわたしに物語なんて書けるのだろうか。
初っ端から、タイトルが全然、思いつかない。
「タイトルは、わたしの短編集ってことでいいかな。」
そんな適当なタイトルで小説を書き始める事にした。
・・・本文が・・・何もイメージ湧いてこない。
PC画面の前で頭を抱えて考えていると
どんどん苦しくなってくる。
テレビから流れる音が気になりだして
つい、テレビ番組に目が行ってしまう。
「ああ! もう! 明日から頑張ろう! 」
そう言ってパソコンを閉じた。
「明日は、なにか書けたらいいなぁ。
明日できることはあしたがんばる! 」
そうして、一行も物語を書けずに
わたしの小説の創作活動が始まった。