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第一話 ここは何処だ?

「ここは何処だ?」

 

 目を開けると知らない景色である。そりゃもちろん転生後自分が知ってところに転生する確率なんてほとんどないわけだから見慣れない景色なのはいつもの転生と言った感じなのだが。問題なのはここが屋外であるということである。しかも緑が生い茂る森林の中。それにこんな所は魔族領には無いはずだ。見たことない植物、見たことない虫がいる。魔族領の全ての土地の詳細を記憶している俺にとってこの場所はどうにもおかしい。つまりここは…嫌な予感がする。この世界で俺が詳しく知らない場所があるとするのならばそこは人間領である。


「待て待て、つまり俺は人間に転生してしまったのか?」


おかしい。転生前の記憶を探るが、どう考えても転生魔法の魔法陣は完璧に描けていたはずた。使用後、意識が溶けていく感覚があってその時に、、、、、


「あっ」


そういえば意識が溶けるときに大きな声が聞こえたような。というかあれは声じゃなくて音か。確かあの音は魔力が大量に使用され、突然止んだ時に一時的に周辺の魔力の流れが狂って魔法の制御が乱れるとかいうやつだよな。でもそんなのの被害に遭うのは魔法初心者のやつで俺レベルの魔術師になるとちょっとぐらいの乱れでは魔法を崩さないはず。そう考えている最中に俺は答えに辿り着いていた。20年間ほとんど途切れることなく大魔法を行使し続けていたために、乱れが俺の想像を上回る量になったということか。つまり、そえれが原因で転生の対象を組み込んである場所が乱れて人間になってしまったということか。まず第一の疑問は解決した。次に第二の疑問だ。


「なぜ俺は森に捨てられている?」


いや実際に捨てられているかどうかは知らないがどう考えても赤子がこんな所にいるなんておかしい。捨てられたのだろう。ということで俺は俺が転生する前にこの赤子に起ったことを思い出してみる。同じ体だから覚えていて当然だろう。

 思い出した状況をまとめるこうなる。


『この子は忌み子だ。即刻処分しなさい』


神父のような服装のおじさんがこう言った後、


『やめてください!! この子は私たちの念願の子供なんですよ。どうか命だけは』


状況的に母親だろう。髪の長い女性が泣きながら叫んでいた。隣では父親らしき男が膝をついて泣いているのもわかる。


『それはならん!これは厄災だ。こらっお前達早くしろ!』


その後はあまり状況が掴めない奥から出てきた集団が俺を箱にいれて運ばれてここに置いていかれたというわけだ。それにしても人間の赤子に向かってこれは厄災だとはなんと不躾な輩だろうか。父親も母親も悲しんでいるだろうに。というか普通の赤子なら死んでいたぞ。俺が来たからよかったものを。というか殺すのが目的か。


 ということで現状を把握したため行動をしようと思う。まずは前回の転生通り成長魔法を使う、、というタイミングで俺はあることに気づいた。そのことが杞憂であるようにと願いながら、一つ一つ確認していく。まずは俺の魂だ。魔族はその魂から『魔力』という力を出すことができこれが魔法を使う上でのエネルギーとなる。俺の魂は転生前となんら変わりはなかった。魔族の中でもずば抜けて高い魔力量と魔力の質である。よかった。しかし問題はその魔力を放出するための体である。魔族の体には魔力器官と呼ばれるものがあり、大抵の魔法はその魔力器官を通じて魔力を制御し放出する。一応一部の魔法などはそんなもの使わずとも魂のみで行使が可能だ。ところで今俺は人間の体なわけだが、人間には魔力というものが存在しない。では何があるのか。それは『聖力』と呼ばれる力である。魔力似たようなものだが違うものである。人間の魂から出されるのは聖力であり、当然魔力器官ではなく聖力器官である。何が言いたいかというと俺は魔力を生み出しているが、行使できるのは聖力と言うものであるということだ。ちなみに聖力を使って行使するものを術式と言ったりする。ただこれは魔法との差別化のために使われるものであって、確か人間領でも普通に魔法というのだったと思う。


 そんなことを考えていると声が聞こえてきた。


「ふう、今日もいっぱい仕事したなぁ。帰って、飯食って寝るか」


背中にはいっぱいに薪を背負っている。きこりだろうか?とりあえず子に状況をどうにかしたいので呼んでみることにした。


「あうー、あーー」


と言っても成長できていないからしゃべれないけどな!!


「うわっなんだ?」


男がこちらへ駆け寄ってくる。


「なんでこんな所に赤ちゃんが…捨て子か?かわいそうに。とりあえず保護しなきゃな。」


いやいやそんなに無警戒なことあるか?もっと怪しむだろ普通。しかし何はともあれ俺はこの優しそうなきこりに保護してもらえるらしい。これは普通に嬉しい展開だぞ。



さてさて魔帝にこの後どのようなことが待ち受けているのでしょうか?

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