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桜の恋 櫻の愛  作者: mimuka
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6

そのことがありがたい。


「ふう…」


2年の校舎に入ると、ようやく気が抜ける。


「あっ、生徒会長、おはよう」


「会長、おはようさん」


「はい、おはよう」


3年がいる所ではネコを被っているが、流石に同学年だと緊張しなくて済む。


同級生達も兄がいないと気軽に声をかけてくれるから、良いのよね。


…あの人、何気に礼儀にうるさいから。


教室に入り、窓際の一番後ろの席に座る。


「おはようさん、魅桜」


「おはよう、らん


黒髪のショートカットヘア、そして長身の欄は一番の親友だ。


宝塚の男役が似合いそうな彼女だが、意外に家庭的。


時々手作りのお菓子をくれたりする。


「今朝も兄上と麗華さんとの登校か。気が休まらなかっただろう?」


「ええ、おかげさまで。笑顔が張り付く」


自分の顔を両手で揉みながら、眉を潜める。


「別に兄のことも麗華さんのことも嫌いじゃないんだけどさぁ。苦手なんだよね」


「それ、麗華さんはともかく、兄上は悲しむぞ~」


前の席に座る蘭は、とても楽しそうに言う。


「悲しんだって一瞬よ。放課後、出掛ける予定あるし」


「相変わらず妹愛が強い兄上だな。麗華さんが嫉妬するぞ?」


「あ~…。あるかも」


麗華さんは1年の時、この学校のミスコンで優勝した人だ。


それなりにプライドも高いだろう。


わたしの前では笑顔を絶やしたことはないが、それも裏ではどうだか…。


「まっ、お前に何かしようものなら、兄上に嫌われるだろうからな。何もしてこないだろうが、それはそれで恐ろしいものだ」


「蘭…アンタ、おもしろがっているでしょう?」


「バレたか」


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