犬会話
ある散歩での一コマ・・・
最近、散歩で会うことが多くなったこむぎとそら
「最近、よく会うわね」
こむぎが呟く。
「そ、そうだね」
頭突きを食らったそらは、こむぎに対してやや及び腰になっている。
そんなそらを見て、こむぎは溜め息を吐く。
「ありゃ悪かったよ。勢いあまって頭突きしてしまった。こっちもとばっちりだったわ。ホントは噛みつくつもりだったんけど」
(そっちの方がヤじゃん)
そらはそっと後退りした。
一貴に対して色目を使った(?)というそらへの疑惑も晴れ(?)、それなりに仲間として会話している。
「そ、そっちの兄ちゃんは犬に優しいね」
そらは葉梳姫と同じ感じがする一貴を気に入っている。
「そりぁあ、あたしの兄にだし」
こむぎが偉そうに胸を張った。
「ま、そっちの姉ちゃんはあたしがお気に入りみたいだけど・・・」
こむぎは含みを持たすような言い方をする。葉梳姫が自分に対し好意を見せていることに気づいてはいるのだ。
「そっちの兄ちゃんは姉ちゃんに近づき過ぎ」」
そらは愚痴をこぼす。自分は葉梳姫の傍にいたいのに、一貴がそのポジションを奪っていることの不満。最も、そらは一貴に好意を寄せられていることにも気づいている。
「最近は兄にがあんたの姉ちゃんのことばかり、話してきて辟易してる」
一貴が葉梳姫とそらばかり構っていることが気に入らない。かと言って、噛みつく(こむぎデフォ)のも躊躇われる。
こむぎは葉梳姫には距離を置いていた。