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第十一話「Boot Camp」③

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第十一話「Boot Camp」③

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 そんな感じで、雛乃と美奈ちゃん相手の初心者脱却ブートキャンプ開始!

 ちなみに、場所は射爆場の一角の森林地帯と草原エリアの境目あたり。

 射爆場には他にも5組ほどチームがいる程度で、イベントなんかもやってる様子はなく、空いている方だった。


 射爆場については、別に事前の利用申請とかも要らないし、お互い邪魔にならないようにすると言う暗黙の了解で、うまくやってる感じ。


 なんか、遠くの方では対戦車戦闘の練習でもやってるのか、二台の戦車が走り回って、撃ち合いをやってる。

 見た感じヘッツァーとAMX-10RC。

 

 前者は二次大戦中のドイツの突撃砲…角ばった綺麗なシルエットで割りと有名。

 ちょっと前に戦車に女子高生が乗って戦うアニメが大ヒットし、それに登場してたので一気に有名になった。

 

 後者はフランス軍の装輪装甲車、ただし105mm砲を搭載してるので、火力だけは戦車並み。

 古の戦術シュミレーションゲームに登場していたので、そのスマートな外観も相まって日本では割と有名。

 世界的に流行しつつある装輪装甲戦闘車両の走りとなった車両なので、軍事オタクの間でも良く知られている。


 射爆場なら、壊れる心配も弾薬消費も無いので、思い切り暴れさせる事が出来るって事で、割りとよく見かける光景だった。

 

 こないだのらんぼるぎーにのカウンタック号のように対PK用のカウンター戦力として、装甲車なんかもやっぱり必要かなとか思ってみる。


 ミウラさんの話だと、随分前に引退した大規模PKギルドのギルドマスターを努めていたSランク有力プレイヤーが本日復帰するとかで、PK勢はお帰りなさい祭りを開催するとかで、無闇に盛り上がっているらしい。


 そのせいなのか、ここ数日PK勢の活動がいつになく活発化、当然ながらカウンター戦力のPKKサイドも負けてたまるかとばかりにヒートアップ。

 

 あちこちでPKとPKKの争いが勃発しているらしかった。

 

 必然的に巻き込まれる羽目になっている一般プレイヤー達からも「お前ら、どっかよそでやれ!」とのブーイングの嵐で、組織的な運営通報とかやってるらしいけど。

 

 仕様的に元々このゲームって対人戦がメインだから、PKも要はプレイスタイルの違いと言うのが、向こう側の言い分。

 運営もプレイスタイルには口出ししない方針らしく黙認と言う状況が続いていた。

 

 と言うか、匿名機能だの連中のプレイスタイルに合わせたような機能が実装されてるあたり、むしろ運営側は彼らのようなプレイスタイルを支持しているのではと言う噂もある程だった…。

 

 実際問題、乱入お断り設定機能が先週のアップデート以降に正常に機能しなくなっているらしく、そのあまりのタイミングの良さに、PK勢優遇疑惑なんてのも囁かれていた。

 

 さて、雛乃たち…。

 最初は基本の拳銃で…銃の構え方から練習。

 

 雛乃には、カナちゃんが付いて、コンバットパイソンを撃たせてる。

 さすがに、初っ端マグナム撃たせるとか無茶はしてない様子。

 

 最初は反動でひっくり返ったりしてたみたいだけど、割とそつなく当て始めてる。

 …パイソンって命中精度悪いんだけど…教え方が上手いのか?

 

 美奈ちゃんには、ミウラ先生が付いて、デザートイーグルなんて持たせようとしたので、慌ててグロック17を貸した。


 Five-seveNでも良かったんだけど、性能はともかくこの拳銃、結構癖があるので、初心者向けじゃない。

 

 けど意外とセンスも良いようで、こちらも割と堂に入った射撃姿勢でバンバン的に当ててる。

 グロック17って、装弾数くらいしか取り柄ないけど…。

 軽くて扱い易くて、弾丸も9パラだから、弾道特性も素直だから使いやすいんだよね。


 なんか調子に乗ったらしく、デザートイーグルを撃って案の定って感じで吹っ飛んでる。

 .50AE弾なんて、アホみたいな弾使う拳銃だから、グロック感覚で撃つと…まぁ、そうなる。

 

 ちなみに、50口径は女性や小柄な射手には撃てないと言う話は実はデマ。


 射撃姿勢をちゃんと取ってれば、銃自体の重量や大きさが十分あるので、思ったよりは問題にならない。

 吹っ飛ばされるとすれば、無謀な片手撃ちをしようとしたとか、射撃姿勢が悪い…この一言に尽きる。

 まぁ…ハンドキャノンなんて、別名があるくらいだから反動は物凄いんだけど…。

 ミウラ先生…良く平然と扱えるよね…。

 

 ちなみに、僕は…教えたがりが二人もいるので観戦モード。

 と言うか、戦闘は苦手な僕が教えられるのは、隠蔽とか回避とかそっち方面。

 索敵関係は…自前スキルだから、教えられるたぐいじゃない…。


 …と、そんな事をやってると、柿崎くんがやってきた。

 しかも、女の子連れ! ええっ! どういうこと?

 

 なんか知らないけど、ピンクと赤の迷彩ナース服みたいなのを着た…ド派手な金髪ポニーテールで糸目のメガネっ娘なんてのを連れてる。

 

「中室くんならぬモンドくん、こっちじゃおひさ! ブートキャンプはかどってるかい?

 お、雛乃ちゃん! コッチでもやっぱりちっこくて可愛いね!」


 相変わらず、テンプレな米軍ACU迷彩の上下にM4カービンとか鉄板装備。

 柿崎くんは、どうもテンプレ至上主義から離れられないらしい。

 

 名前だって、少しは工夫すればいいのにリアル名字まんま「カキザキ」だし…。

 

「リアルでほぼ毎日会ってるのに、久しぶりとかシュールだねぇ…。

 ところで…カキザキくん、となりの可愛い子は何者なんだい?

 彼女連れでガンフロとか聞いてないよ?」

 

 僕がそう問い返すと、柿崎くんの彼女 (?)が血相を変える。

 

「ええっ! ぜんっぜん、違いますよー? バカ兄貴から聞いてません?

 私、妹の柿崎凛子かきざきりんこっていいます。

 こっちじゃリンゴちゃん! 中室先輩のことは知ってますよ。

 兄貴の友達って以前に…あの篠崎さんの彼氏って事で…。

 うちのクラス…一年B組じゃちょっと有名だったりするんですよ?」

 

 ああ、そういや…たまに、うちの教室に来てたなぁ…柿崎くんの妹…たしか、一コ下の一年生。

 って、篠崎のクラスメイトなのかよっ!

 

 なんとなく気配を感じて思わず、加奈子さんをちら見すると…。

 しっかり、聞こえてたようで、なんか険しい顔でこっちに来る。

 

「や、やぁ…カナちゃん、どうしたのかなぁ?」


「なんか、聞き捨てならない話が聞こえたような…モンドくん、フリーとか言ってたのは嘘だったんだね?」


「いえ…実際、フリーですよ? リアルじゃ、誰も付き合ってなんかいないですヨ?」


「まったまたぁ…お兄はカナさんも含めると五人の女の子に囲まれたハーレム主人公って感じなんですよ!

 モッテモテの素敵お兄! 雛乃も将来、お兄のお嫁さんになるのだ!」

 

 空気を読まない雛乃爆弾炸裂。


「モンドくん、怒らないからちょっちツラ貸して…ね?」


 笑顔なんだけど、めっちゃ怒ってる風な加奈子さん…。

 親指でちょっと離れた木陰を指定。

 

 リンゴちゃんがヤバって顔をして、そそくさと柿崎くんの背後に隠れる。

 空気読めない柿崎くんは、雛乃がフリーになったのを見てすかさず雛乃の元へ…君は幸せでいいなっ!

 

「とりあえず、加奈子さんにちゃんと説明して欲しいな? ん?」


 でっかい木の裏に連れ込まれて、そんなセリフと共に逆壁ドンとか誰得なシチェーションになる僕。

 ちなみに加奈子さんと僕で身長差が20cm程あるのだけど、こっちも空気を読んで足を曲げて縮こまってる感じ…その上でこの逆壁ドンは成立していた。

 

 まぁ…とりあえず、事実を洗いざらい白状すると、加奈子さんなんか上機嫌。

 怒りの壁ドンモードは解除され、お互い隣に座り込んで、いつもの感じになる。

 

「うんうん、解った解った! まず幼馴染さんは、幼馴染止まりだから脱落。

 雛乃ちゃんは一緒にお風呂だの添い寝だの、何ともうらやまけしからん感じだけど…どこまで行っても妹ちゃんは妹ちゃん。

 美奈ちゃんは見た目アレだけど、リアル小学生…どうあがいても可愛いお友達止まり!

 篠崎さんとやらは…肉食系ヤンデレって感じで、空也くん的にアウト…って訳ね。

 ふっふーん! なんか加奈子ちゃん、ひとり勝ちって感じっ!」


 そう言って、一人キラっなブイサインとポーズを決める加奈子さん。


「リンゴちゃんだっけ? あの娘が篠崎さんの彼氏とか言うから…。

 てっきり、空也くんと篠崎さんって、リアルで…そのラブラブなのかとか思っちゃったよ。

 聞いた限りだと、喪女なヤンデレが色々こじらせちゃったって感じだねぇ…ありがち。

 でも、いつまでもそう言うのと惰性で付き合ってると、こじれる一方なんじゃないのかな。

 そのうち背中から刺されるんじゃね? それはさすがに嫌かも…。」

 

 ひとまず、誤解は解けたみたい。

 まぁ、その辺少し前に話してたからね。

 

 最後の方はむしろ心配そうな感じ。

 ううっ…確かにそんな死に方は嫌すぎる…けど、ヤンデレ最終ステージってそうなるパターンも珍しくない訳で…。

 

 けど…ちょっと話しただけで、僕の状況を理解して、解ってくれる辺り…。

 加奈子さんって、優しいよなぁ…やっぱり、いい子だ。

 

「加奈子さん…ご理解早くてありがとう…。

 けどまぁ…篠崎対策って割とどうにもならないんだよね…。

 アイツ迂闊に邪険にするとバーサークしちゃうし、リアル武闘派だから、力では敵わない…。

 情けない話ながら、武闘派の幼馴染がいて、かろうじてパワーバランスが取れてる感じ…。」

 

「…めんどくさい事になってるんだねぇ…。

 そだっ! いっそ、その娘…ガンフロに呼び出しとかどうよ?

 VRデートしようとかモンドくんが誘えばホイホイ来るんじゃね?

 ガンフロでなら、リアルで少しくらい武術齧ってようが、わたしの敵じゃないよ。

 ちょっととっちめて、O・HA・NA・SHIしちゃえば、きっと大人しくなるよ。

 ぶっちゃけ、本職…自衛隊や米軍海兵隊の猛者連中にだって、わたし勝ってるからね! ヤンデレ女子高生なんかに負ける気はしないよ?」


「ほ、本職の人達って…あの人達、半端じゃないんだけど…。」


 ちなみに本職の人達は勝率8〜9割、Aランクが普通とかそんな感じ。

 Sランクにも何人かそれっぽい人たちが名を連ねてる…。

 

 本職同士のバトルは傍目には何やってるか解らない程度には、壮絶だったりする。


「もち、そんな楽勝じゃなかったけどね…Sランク上位クラスの人達よりは楽だったね。

 やり合ったのはいいけど、そのあとめっちゃ勧誘されちゃったよっ! 当然お断りだったけど…。

 わたしはリアルで戦争なんてしたくないし、人殺しなんて絶対嫌だもん…。」

 

 けど…篠崎をガンフロに誘って、加奈子さんにシメてもらう…。

 

 杜若を見てる感じだと、武闘派には武闘派なりの掟みたいなのがあるみたいだから、案外有効かもしれないな。

 …リアルでド付き合いに比べたら、なんぼか平和的。

 

「それ案外…いいアイデアかもしれない。

 ちょっと考えてみるよ…その時は…加奈子さん、篠崎のやつをシメてやってくれ!」

 

「まぁかせて! 愛の争奪戦とか、めっちゃ燃えるし!」


 楽しそうな加奈子さん。

 頼もしいなぁ…。

アップ作業で見直してみると、大した内容のないシーンであっさり10000テキスト超え。

自重しろ…自分。


そして、サラッと登場新キャラ、リンゴちゃん。

特徴がないのが特徴とか、設定資料に書いてたキャラなんですけどね。


何故か、先の方で自己主張を始めたりと…意外なダークホースの一面も?

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