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第十話「Combat Proof!」③

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第十話「Combat Proof!」③

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 この廃墟ステージ…古代遺跡みたいなとこを舞台にしていて、ほとんどの建物が屋根すら無い。

 B4エリアに屋根が残ってる廃墟があるので、敵が戻る前に移動。


 屋根までの高さは3mほどだったけど、カナちゃんには僕を踏み台にしてもらって、軽くジャンプで着地。

 こっちはそこまで身軽じゃないので、フリークライミングの要領で、壁の穴や窓のあとを足場によじ登る。


 最後に、加奈子さんの手を貸してもらう…膝立ちになった彼女のスカートからチラッと黒いのが覗く。

 思わずドキッとしたけど見ないふり…ホント、黒好きなんですねっ!


「あ…その感じだと見られた? んっと…わたし、リアルでも黒下着愛好家なの…えへへっ!

 あ、制服写真…なんならチラリもありかも? こんなポーズどう? なんてねっ!」


 なんて言いながら、スカートの片方をつまんで持ち上げるもんだから、当然のように白い太ももと黒いレース付きのがチラリ。

 止めてください! リアル直結で色々想像しちゃいますからっ!


「えっと…加奈子さん、戦闘中ですからネ?

 僕…鼻血出して、出血ダメージ落ちとか嫌すぎますからね!」


「…い、今のは見せるつもりとか無くてさ…ちょ、ちょっと勢い付けすぎちゃったっ!

 わ、わたし…露出狂とかそんなんじゃないからねっ!」


 そう言って、加奈子さんが顔を赤くしてスカートを押さえてしゃがみ込む。

 どうやら、本人的にも今のはやらかしだったらしい…ま、まぁ…役得とでも思っとこう。

 

「…なんか、ごめん。」


「もうっ! モンドくんが悪いのっ! 変なメール送ってくるからさっ!

 と、とりあえず、ここならE3の2階建てから狙撃ポジ取られたり、手榴弾でも投げ込まれない限り問題なし。

 …モンドくん、周辺警戒っ! 今、視線感じた! 早速、来てるよっ! 風、どう?」


 言われて、周囲を見ると北側からアサガンが遮蔽物に潜り込むところだった。

 ガンブレは光学迷彩使ってるようだけど…いるのはバレバレ。

 砂粒が当たる度に、輪郭がぼんやり見えてるのにまだ気付いてないっぽい。


「えっと、南風力5mってとこ…けど、この感じだともうすぐ変わると思う。

 30秒後、強めの西風になるかな…。

 敵諸元は…北、200…アサガンは隠れてるけど、隣にガンブレもいる。

 …遮蔽物から身体半分出てるから、足でも狙っちまえ! あとは解るね?」


 ちなみに、風読みも僕の持つプレイヤースキルのひとつ。

 雲の動きや風の感じから、風向きや風速の変化を凡そながら、予測できる。

 リアルじゃあんまり役に立たないけど、スポッターとしては、かなりの強みじゃある。

 

 ちなみに、さっきの長距離ばら撒きもちゃんと追い風になるってのを計算して撃った。


「あのモヤってるとこかっ! 足狙いって事は、ついでに武器飛ばして、あとは強制お昼寝タイム?」


「そーゆーこと! E3の方は僕が牽制しとくから、そっち任せた!」


「あいさーっ!」


 E3の2階建てでは、スナイパー二人がこそこそと建物に入ろうとしているところだった。

 距離は600mってとこか…スキルもなしじゃ当たらないな。

 ここはもう一つのを使ってみるか。

 

「ファイアバースト」

 銃身が赤く染まり、その特殊能力が発揮できる状態となる。


 P90でフルオート掃射っ! 一人は建物の中に逃げ切ったけど、一人が避けきれず足に当たり、倒れ込むっ!

 

 ついでに、流れ弾が当たった建物も炎上し始める。

 

 銃を取り落として、火達磨になった足を叩きながら、地面をゴロゴロ転がる。

 …こっちを指差してなんか言ってるようだけど、知らん…そこで、そのまま松明みたいに燃え尽きろっ!


 それにしても、ファイアバースト…。

 結構な確率で発動する上に、一発でも当たって発動したら、もう最後って感じだなぁ…。


 おまけに、炎上効果…あの建物…もう使い物にならないんじゃないかな?

 

 バンッとモシン・ナガンの銃声!


 見ると、ガンブレが光学迷彩解除されて、足を折って前のめりにぶっ倒れるところだった。

 

 慌てたようにアサガンが撃ち返してくる。

 けど、この建物は縁の高さが50cmほどあって、いい感じの遮蔽物になってる。

 頭を引っ込めれば、高さ的にもワンサイドゲーム。

 

「ゴメン…向こうのスナ…取り逃がして、建物に入られた!」


「おっけ! じゃあ、向こうのアサガン任せるから、わたしはモグラ叩き! 顔出したとこをぶち抜いてやるっ! と言うか、なんであの建物燃えてんの?」


「P90のおまけスキル! ファイアバースト効果らしい…。」


「ばら撒き系で、そのスキル美味しすぎるよ? そんなのお蔵いりにしてたとか…モンドくん、イミフ。

 けど、あの分だと敵のスナは蒸し焼きになるだろうから、かなり焦ってるだろな…。」


 カートリッジ交換しつつ、カナちゃんとポジションを入れ替えて、こちらは銃だけ出して、アサガンへ牽制射っ!

 向こうの銃撃が止む。


 すかさず、縁に足をかけて、反撃開始っ!


 チリッとした感覚…狙われてる! けど、ここは加奈子さんを信じる!


 弾幕が集中! アサガンの肩にヒット! 向こうはM4カービンを取り落とす。

 よしっ! 仕留めたっ!

 

 続いて、モシンナガンの発砲音!


「んにゃろー! やらせるわけ無いじゃん! モンドくん、あっちのスナイパーの眉間ぶち抜いてやったよ!

 今、狙われてたよッ! ちょっと今日のモンドくん、勇猛果敢って感じでかっこいいけど…。

 今のはちょっと不用意すぎっ!」


「カナちゃんが仕留めてくれるって、信じてたからね! ビューティフォー!」


 僕がそういうと、カナちゃんちょっと照れ笑い。


「うにゃあん…信じてるとか、その甘々な声で言われちゃうと、照れちゃうぅ。」


 なんか、両手でほっぺたを押さえて、クニャクニャと…なに? この可愛い生き物。


「こっちも制圧済み…どっちも生きてるけど…そろそろ恒例のアレかな?」


「まぁ…向こう、メディックいないからね…事実上のリタイア状態だから、やる事はひとつ。

 せっかくだから、声掛けくらいしてやろうっかなっ!」


 カナちゃんが隣に並んで、縁に足をかけながら、腰に手を当ててふんぞり返る。


「そこのお前らあっ! お仲間さんは全滅したよっ!

 そこで寝てても暇っしょ! そろそろ、恒例のアレ逝ってみよっか! サン、ハイッ!」


 大声を上げて、満面の笑顔を浮かべるとパンっと手を打ち鳴らす。


 それに応えるように、ガンブレが手榴弾を掲げて、ドッカンと自爆。

 まだ肩を負傷しただけのアサガンも当然巻き添え。


「「爆発オチなんて、サイテーッ!」」


 二人ハモって、ハイタッチ!


 ガンフロ恒例の爆発オチで、PKチーム全滅二周目。


 返り討ちで、めでたし、めでたし…と思ったんだけど。

 


『Caution! Enemy reinforcements detected. Vigilance around and get ready!』


 アラート音と共に、敵増援来襲のシステムコール。


 …まだ来るっぽい。


 やってやられて、やり返されて…かくして戦火は拡大していく。

 リアルと一緒だねぇ…としみじみ思う。

さて、モンドくん活躍中!

結構、こう見えてモンドくんってば使える子です。


体を張って、フラグ立てまくり!

モンドくんってそんな感じ。


さて、PKチームは良いようにヤラれて、リア充余裕勝ちって感じですが…。

 

爆発オチはノルマとばかりに、ボスキャラ登場です!

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