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第十話「Combat Proof!」②

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第十話「Combat Proof!」②

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 転送先の市街戦フィールドF。

 

 と言っても、このマップの場合、大半が崩れた廃墟…砂漠の中の放棄された街って設定。

 一面、黄土色の世界…砂混じりの乾いた風が吹きすさむ荒れ果てた世界。

 

 遮蔽物だけは豊富。広さは6X6で一マス200m。

 こちらはエリアC5、カナちゃんはA6…自陣の隅っこの建物に立て籠もって籠城戦ってとこか。

 

 とりあえず、棒立ちしてても良い的なので、手近な遮蔽物…建物の残がいの陰に逃げ込む。

 まずは状況把握が先決。

 

「モンドくん! いらっしゃーい!

 いやぁ…ソロで遊んでたら、PKに狩られそうになってたとこ!

 モシン・ナガンの練習中だったから、弾そんなに残ってなかったんだよね。

 …おかげでそろそろ怪しくなってた感じ。

 ソロだと落とされたら、最後…デスペナオンラインだからね…さすがに慎重にやってたとこ!」

 

 チュイーンと至近弾の後にターンと銃声。

 着弾後に銃声…となると500m以上。


 E3エリア、2階建ての家の残骸の上に、キラッと光り…スナイパー…距離は800ってとこか。


 けど、これは迂闊に動けないな…。

 P90の有効射程外だけど、弾は届くはずだから牽制射でも撃って、逃げとくか。


「ごめん…今、撃たれてる! 牽制放ったら、そっちと合流する!」


「おっけ! 愛しのダーリン様っ! やっぱ、一人でPK5人も相手すんのはキツイ…助かったよ。」


 なんか愛しのダーリン様とか言われてるしっ! なんとも照れくさい。

 と言うか、1人相手に5人がかりなのか! なぶり殺しにする気満々じゃないか…許せん!

 

 …双眼鏡で敵、狙撃ポイントを偵察。

 いた…屋根のてっぺんから、頭だけ出してH&K G28 DMRなんてもんを構えてる。

 …ドイツ製の狙撃銃…良いの使ってやがるなぁ…。

 

 けど狙撃後、動かないとか…完全にこっち舐めてるな。


 と言うか、800mで初撃外すとかスナイパーとしては平凡なんじゃないかな?

 着弾点も…近いと言っても、1m以上外してたし…このマップ割りと風が荒ぶるから、読み違えたな?

 加奈子さん相手だったら、この距離だろうが一撃でヘッドショット食らって終わってる。


 P90のダットサイト越しに特定した狙撃ポイントを見る。

 距離800だとさすがにノーマルじゃ点…4Xマグニファイア…望遠オプションを装着。

 ダットサイト越しに一応射手を捉えることは出来た。

 ついでに、三回だけ使える「ロングショット」のスキルを発動!

 P90が一瞬、ポウっと発光! 

 そのままフルオートで斉射ッ!


 シュタタタタタッと控えめな発砲音…。 

 反動も少ないから、ブレない…結構いいな! P90っ!

 

 分間900発の連射速度は凄まじく、5秒もしないうちに弾切れ。


 向こうもこちらの武器を見て、射程外とタカを括っていたらしく避ける素振りも見せなかった。


 けど、それが命取り! 弾幕は射手の周囲に次々着弾!

 

 そして、スナイパーのヘルメットに被弾エフェクト!

 

 当たった?!

 …それもメットを抜いてのヘッドショットが決まった!


 敵のスナイパーがぐったりと動かなくなり、その姿が徐々に薄れていく…。


「おおっ! モンドくん! グッキルっ! あいつ、邪魔だったから助かりっ!

 もしかして、新装備? ステアーTMPじゃまぐれだって、当たらない距離っしょ!」

 

「うん、P90持ってきた! スキル「ロングショット」なんてのが付いてたから、お試しで使ったら、当たっちゃった!」


「おおっ! FN P90! あれってカタログ値以上に射程長い上にロングショットスキルが標準装備!

 とにかく、当てやすいから、かなり強いんだけど…。

 レアリティ詐欺だからねぇ…そんなの持ってたんだ! 

 あ、そこにいて…アイツに牽制されてて、こっちは身動き取れなかったんだ! そっち行くねっ!」


 カナちゃんのマーカーが動き出した。

 弾倉を交換しつつ周辺を警戒…弾倉交換は噂には聞いてたけど、慣れないとちょっと手間。


 ついでに言うと、足元に薬莢の山…気をつけないと、踏んですっ転ぶとかマヌケな事になりかねない。

 

 その点、ステアーTMPはマガジン交換が速攻出来るから、一斉射で即交換って感じで、使い勝手は良かった。

 

 一応、P90の予備弾倉は10カートリッジ…500発ほど持ってきたから、今みたいなフルバーストを連発しない限り大丈夫だろう。

 

 マガジンを交換していると、風向きが変わる。

 あ、なんか居るな…今、風に乗ってオゾン臭がした。


 光学迷彩…となるとスカウトかブレイド系…風向きからして、3時方向…距離は100m以内。

 

「どーこだ?」


 目を凝らして、遮蔽物から片目だけ覗かせて、3時方向を凝視する。

 

 いたっ! 一瞬、火花が飛んで薄ぼんやりと人影が見えた!

 けど、隠れる素振りもない…まだ見つかってないと思い込んでるな…。

 

 タタタッ!

 影の見えた所めがけて、P90でのバーストショット。

 

 一瞬向こうが早く反応したようだけど、右手にヒット!

 その手に持ってたMP5も取り落とし、光学迷彩が解除される!

 

 向こうと目が合う…素顔晒してPKとかやらかす気は無いみたいで、バラクラバ帽をかぶってる。

 …けど、その目はなんでバレたの? みたいな感じで呆然としてる。


 兵種は…軽装甲服とローラーブレード装備だから、ブレイドの二次…ガンブレイドってとこか。

 ブレブレとの違いはサブマシンガン系を使えることと装甲が薄いこと。

 攻防のバランスが良いので意外と良く見かけるし、光学迷彩と機動力を駆使して、接近した上での不意打ち弾幕射撃は結構厄介。


 けど…光学迷彩なんて、僕には通用しない。

 僕の警戒網を掻い潜れる篠崎がおかしいんだっての。

 

 続いて、トドメの第二射…と思ってたら、背後から銃声!

 

 ガンブレの頭部に被弾エフェクト!

 

「カナちゃん、ナイスショット!」


 振り向かずに背後にサムズアップ。


「あはっ! 頂いちゃいました! 横取り失礼!」


 シュタッと軽やかなスキップで、僕の隣に来るとチョコンと座るカナちゃん。

 今日は、僕と同じ海上迷彩の上に砂色のポンチョを着込んでいるようだった。

 髪型もいつものハーフアップではなくターバンみたいに布切れを巻いてる。

 座り込むと、もう辺りの風景と完全に同化する。

 

 うーん、何とも実戦的と言うか…用意の良い娘だった。

 僕も被視認性とか、少しは考えたほうが良いかもしれないな。

 

 そして、その手には、モシン・ナガンM/28が握られていた。

 結構、大きな銃なのでカナちゃんの背丈と同じくらいある…。


 と言うか、そんなん使って、走りながらのショットでよく当てるよなぁ…。

 こないだも、すっとびながらのガンアクションやってたけど、動きながらの射撃って普通当たらないよ?


「いやいや、いいタイミングだったよ!」


「お待たせ! 相変わらず、モンドくんにかかれば、光学迷彩も形無しだね!

 今のやつ、弾避けるくらいの手練だったのに、やるじゃん。」

 

「こんな砂漠系のステージで光学迷彩なんか使ったら、風が吹くたびに火花飛んでバレバレだっての。

 とりあえず、援軍間に合ったかな? と言うか、他の皆には援軍要請してないの?」


 僕がそう言うと、カナちゃんはニコッと笑うと、ピトッと寄り添う。


「こじろうとキサラギがいたんだけど、ちょっと前にご飯落ちしちゃって…。

 それに、この程度なら一人でも十分かなって思ってたんだけどねぇ…。

 弾もヤバくなったし、光学迷彩くんはいるしで、結構面倒くさい相手でさ!

 ちょうどいいとこにモンドくん来たから、呼んじゃえって! いきなり、ごめんね!

 あ、弾薬プリーズ! 今のでモシン・ナガン撃ち尽くした! 残弾ゼロ!」

 

「ドラグノフって言ってたから、7.62x54mmR弾持ってきたけど、合ってる?」


「合ってる! 合ってる! モシン・ナガンって古い銃なんだけど…。

 弾薬はドラグノフと互換性あるから、運用上の問題なし!

 4000Jのハイパワー…反動キッツいけど、やっぱこれ位火力あると頼もしいわ!

 けどまあ、さすがにPK乱入は想定してなかったんだよね…このマップ補給コンテナなし設定だし…。」


 7.62x54mmR弾…100年以上前に開発された銃弾だけど、そのパワーは西側の高威力弾として有名な.30-06スプリングフィールド弾すらも凌駕する破壊力抜群の小銃弾。

 

 古いんだけど、最強クラスのボディーアーマーを抜くほどの火力がある。

 ガンフロだと…ブレブレの機動装甲服でも抜かれる時は抜かれる…その程度には強い。

 

「状況把握。僕の嫁にPK仕掛けるとか舐めた真似した奴は、僕が返り討ちにしてやる。」


 僕がそう応えると、カナちゃん真っ赤になって、デレッデレな顔をする。

 

「いやあん、モンドくんに嫁宣言されちった! なんか照れちゃうなぁっ!」


 言いながら、急にキリッとした顔になると、モシン・ナガンで一発。

 双眼鏡で、さっきの2階建ての建物を見ると、眉間に被弾エフェクトを付けた敵が屋根から転げ落ちるところだった。

 

「ヒット…ヘッドショット。

 えー? アイアンサイトで、この距離当てちゃうの? しかもヘッドショット?

 さっき、マグニファイア無しで見たけど、点だったよ?」

 

 スカウトなんて、命中補正なんかほとんど付かないはずだから、銃の命中補正とプレイヤースキル頼みのはずなんだけど…。

 相変わらず…狙撃スキルとんでもないね…この娘。


「いあいあ…さすがにこの距離が限界…1000m超えになると、スコープが無いと無理ですわ。

 けど…ほんと、しつこいなぁ…あそこに二人もスナイパー置いて、撃ってくるんだよね…。

 こっちの動きを止めたとこで、アサルトガンナーと光学迷彩ガンブレが連携して仕留めに来る感じ。

 モンドくん来る前に、スポッターとスナ一人…それとアサガン落としたんだけど。

 ガンブレともう一人のスナがBランのそこそこ手練でさ…参ってた!

 ちなみに今、落としたのは死に戻りのスポッター…。

 狙撃アシストのスポッターがいきなり落とされてちゃ世話ないね。」


 …思った以上にえげつない相手だった。

 ソロ相手に5人がかり…仕留めたら、デスペナオンライン化させて、ゲラゲラ笑ってるようなそんな連中。

 

 もっとも、相手が悪かった…加奈子さん相手にあっさり三人も落とされて、僕の乱入で残り二人も撃破。

 すでに一回全滅…こうなるとフォーメーションも連携もガッタガタ。

 

 となると、皆を呼ぶまでもないな…。

 アサルトメディックとスカウトなんて、格下相手にボッコボコにされて心折ってもらおう…。

 普通は無理な戦力差だけど、僕がアシストすれば、加奈子さんはその能力をフルに発揮できる!


「正直、ちょっとムカついてきた…。

 どうだろう…ここは二人だけで、ベッキベキに心折ってやるってのどう?」

 

「モンドくん、悪い顔してるっす! イエッサー、徹底的にやっちゃおうっ!

 ソロ狙いのPKとか、舐めた真似しやがって…誰に喧嘩売ったか思い知ってもらおう!!

 モンドくんがいれば、100人力! 愛の力で粉砕さっ!」


 加奈子さんがそう言って、手を上げたのでハイタッチして、がっちり手を組んだ。

さて、新武器引っさげて、モンドくん出撃です。

PKスタイルの冷酷な敵にどこまで戦えるのやら。


尚、P90はカッコイイのと主人公武器って事で強化されてます。

こんなトコまでガンゲイルと被ってます。


私はパクリや被り気にしない派なんで、気にしません。

主人公のメイン武器に相応しい位にカッコイイ銃!

それがP90!! 絵になると思うのよね。

と言うか…このへん書いてからガンゲイル読んだ…なので偶然だったりしまっ!


それと、今回からサラッと特殊スキルなんて要素が入ってます。

レアリティ高い武器なら少し位非常識な威力あってもよくね? 派手に参りましょ!

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