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第七話「学校に行こうっ!」④

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第七話「学校に行こうっ!」④

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「みなさーん、席についてくださーい! 出席を取りまーす!

 って、わぁっ! 中室くん! やっと来てくれたぁっ!」

 

 ドタドタとこっちへ向かって、突撃してくる三浦先生。

 ふわふわしたウェーブの入った茶色い髪とメガネ、タヌキ顔でタレ目が特徴。

 そして、大きなおっぱいを揺らしながら、駆け寄って来て、そのままの勢いで思い切り抱きしめられる。


「ああ、もう…家庭訪問かご両親呼び出すしか無いとか思ってたんだけど…。

 ちゃんと来てくれて、先生嬉しいっ! ふふーん、とりあえず、中室くんは出席っと。」

 

 僕を抱きしめながら、出席簿に嬉しそうに丸を付ける先生。

 この先生、何か知らないけど、スキンシップの激しさでちょっと有名。

 

 通称「おっぱいハグ」…胸の谷間にこんな感じで人の頭をモギュッと挟む。

 ちなみに男女問わずだし、別に意識してやってる訳でも無いらしい…いわば天然。

 

 ある意味、逆セクハラなんだけど、生徒は皆大らかなので、苦情が来たりする訳でもなく放置されてる。

 美人で気さくな上に生徒思い、授業も解りやすいと生徒の間でも人気者なので、いわば人徳というもの。

 

 一部の彼氏持ちの女の子が自分の彼氏が食らってだらしない顔をしてるのを見て、ムキーッとなってたりもするけど、その辺は当人たちの問題なので、まぁ、穏便に。

 

 この先生については、僕自身別に嫌いじゃないし、担任と言う事もあって、割りとお気に入りの生徒になってるらしく、何かと世話を焼いてくれる…年上好みの僕としては悪くない気分。


 上機嫌な三浦先生のHRが始まり、それが終わると退屈な授業が始まる。

 三浦先生は、サボった分の補習についての話があるとのことで、放課後呼び出しを言い渡された。

 まぁ、愛情こもったおっぱいハグと言うご褒美を前払いで頂いたので、バックレはしないつもり。


 授業自体は、一週間程度空けても全く問題ない。

 基本的に教科書の内容を追ってれば大体付いて行けるし、本来教師の役目なんて、教科書の内容を解りやすく説明する係ってところなのだ。

 

 それを教師によっては、わざわざ難解にしたり、変なオリジナリティを出そうとするもんだから、色々変なことになって、着いて行けない奴が出て来る。

 この辺、英語担当の三浦先生は結構頑張ってる方で、生徒達の評判も悪くない。


 ちなみに今の授業…歴史の教師の高井戸は典型的な難解化のパターン。

 簡単な事を冗長に説明して、自己満足して終わる…教師歴40年近いもうすぐ定年のお爺ちゃん先生だ。


 その授業内容は、黒板ぎっしりに難解な説明文を書き連ね、所々に説明を交えながら、生徒にその書き写しを強要する…。

 その難解な説明文はどうでもいいことばかりに凝っていて、はっきり言って、教科書なりWikipediaでも読んだ方がよほど解りやすい。


 書き写さないと覚えないとの持論の持ち主なのだけど、僕は歴史の授業中半分寝てる。

 時々、黒板チェックして、いっぱいになる度にスマホカメラでカシャッ。


 当然、最初の頃はケチを付けられたが、ノート提出の際のチェックの為と言ったら、認められた。

 まぁ、写真で保存さえ出来てしまえばこっちのものなんだけどね。

 あとはOCRでテキスト化して、誤認識とかしてる箇所を修正の上でプリントアウトで終了。

 

 このご時世にパソコンもタブレットも使わない四半世紀前の遺物みたいな先生。

 技術の進歩でノート代わりにタブレット持ち込みが主流になってる昨今、プリントアウト提出なんてのは割りと普通なんで、手書きに拘るとか言う高井戸の時代遅れの主張は認めらなかった。

 

 皆、大体そんな調子なので歴史の時間はもはやサボりタイムと化してる。

 高井戸も黒板いっぱいに板書しては消すと言う、賽の河原で石を積み上げては崩すような作業を繰り返す事で、いたって満足してるようなので、お互い問題無しだった。


 ちなみに、隣の席は何かとご縁がある杜若…コイツはヤンキー連中と仲良かったり、一見不真面目そうな印象なのだが、案外授業態度は真面目でノートもアナログ派。

 

 今もカリカリと熱心に板書を書き写してる。

 でも、頭の出来は残念なので、いつも赤点と補習の常連さんだ。

 テスト前になると、勉強教えろと泣きついてくるので、僕の家で勉強会ってのももはや恒例。


 そもそもこの学校だって、相当無理してかろうじて入れたような有様で、そこまでしてどうして? って聞いたのだけど、理由は教えてくれなかった。

 

 富士林って、別に空手部強い訳でもないし…よくわからん。

 そう言えば、休んだ分の板書データを誰かにもらわないと…後ろの柿崎くんでいいか。


「柿崎くん、今日までの歴史の板書データってもらえる?」


「いいよ! …あとでメールで送るってことでいい?

 先週は、また効率良くサボりってやつ? 優等生は余裕だねぇ。」

 

「それで構わないよ。ありがとう助かるよ。

 余裕っちゃ余裕なんだけど、ちょっと先週はガンフロで色々あってさ…あっちに集中してたんだ。」

 

「ああ、そういや…あのサーバートップの人引退しちゃったんだっけ…。

 中室くんのとこも色々大変そうだよね…。」

 

 柿崎くんは、いかにも気弱そうないわゆるテンプレオタク少年だ。

 このクラスにも数人いるガンフロ仲間の一人。


 大手ギルド所属なのだけど、リア友じゃあるので、たまに一緒に野良パーティ組むこともある。

 けどまぁ、Cランクアサルトガンナーとテンプレキャラだし、いっつも一人だけ爆風に飲み込まれるとか、遠距離狙撃もらったりとかで、真っ先に落ちる…。

 

 別にキサラギみたいに、先頭切って、熱血突撃して落ちるわけじゃないんだけど。

 パーティ組むと、大抵真っ先に落ちてる…撃墜され王ってとこだ。

 

 と言うか、カキザキなんて名前がそもそも駄目だって気がする。

 もう名前の時点で死亡フラグ…君は間違っても戦場なんか行かないほうがいいぞ…。


 パイン・サラダと並ぶ、某アニメの死亡フラグを侮ってはいけない。

 

「まぁ、そうでもないかな…それと、うちの妹がガンフロやるとか言い始めてさ。

 土曜日くらいに身内ブートキャンプやると思うから、手伝ってもらうかも…標的役で。」


 なんだかんだで初心者相手の一番気軽な練習相手は、チームメイトとか知り合いに頼んで標的役をやってもらうのが一番手っ取り早い。

 

 その上でプレイヤー相手のコツを掴んでもらう。

 …ドローンやチュートリアルのNPCの回避パターンとプレイヤーとでは動きが全然違うからね。

 

 弾の避け方は…これはぶっちゃけ死にまくって覚えるしか無い。

 弾丸なんて、普通は見切ったり回避なんて無理なんだけど。

 

 死にまくってると、そのうち撃たれて死ぬ直前の弾が当たる直前の感覚とか、相手が撃ってくる直前の殺気とかが解るようになってくるのだ…。

 そうなれば上級者…なんだけど、そこに至るまでは100回死ねとかそんな感じ。

 けどまぁ…ガンフロで弾避けれるようになれば、リアルで実弾だって回避可能とか何とか…ホンマかいな?

 

 カナちゃんとかだと、撃たれてから避けるとか色々おかしいから、僕とか柿崎くん辺りなら、まさにお手頃。

 そこそこ避けるし、柿崎くんなんてまさに平均的なプレイヤーだから、彼を落とせるようになれば、大抵の相手に通じるって事。


「おっ! 雛乃ちゃんもガンフロやるんだね! そりゃいいね…リアルロリっ子参戦っ!

 雛乃ちゃん可愛いから、きっと皆から歓迎されるよ! そう言う事なら、いつでも手伝うから呼んでくれよ!

 標的役、喜んで引き受けるよ! むしろ、ご褒美っ! あと中室くんの事、お兄さんって呼んでいいかな?」


 しまった…。

 要らんヤツに要らん話振ったかも…ちょっと後悔。


「君にお兄さんなんて、呼ばれる筋合いはないっ! おととい来やがれっ!」


 高井戸が咳払い。

 やかましいと言いたいらしい。


 隣の杜若が授業中に騒ぐなと言いたげに睨む。

 まったく、キャラに似合わず真面目なんだから…それで成績さえ優秀なら、完璧だったのに…。

 武力と知力…天は二物を与えず…まさにであった。

日常回続きます。

登場人物ごっそり入れ替わりなんで、

しばらくこんな調子です。


三浦先生は…素敵な先生ですね。

いつもニコニコ、たゆんたゆん。

ベタなパターンですけど、読者の予想通りの展開なんじゃないかと。


なお、ガンフロの展開ですけど…。

基本は日常2、戦闘1くらいのバランスを目指してます。


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