第七話「学校に行こうっ!」②
----------------------------------------------
第七話「学校に行こうっ!」②
----------------------------------------------
道を歩いていると、スマホにメール着信…タイミング的に誰かから返事来たっぽい。
ガンフロメーラーを開くとカナちゃんからだった。
----------------------------------------------
タイトル:モンドくん、おっはよー!
差出人:カナ
本文:こんな時間にメールって誰? と思ったら、モンドくん!
おはっよー! こんなメールなら大歓迎っ!
妹ちゃんがガンフロやるんだって? モンドくんもつくづく面倒見いいよね。
このカナちゃんに任せ給え…銃の構え方に始まり、ちびキャラでCQC使って、デカい相手を始末するコツ。
さらには1000m先の標的の眉間をぶち抜く狙撃の極意を伝授してしんぜよう!
それと、あの後ミウラ先生からお詫びって事で、モシン・ナガンM/28なんて、レア品もらっちゃった!
あの人マジパネェです…この銃「コッラーの戦い」を制した猛者にだけ与えられる勲章なのですよ?
スペックは大したことないんだけど、命中補正がスゴい!
それに、シモ・ヘイヘ仕様って事で、装備制限が軽減されててわたしでも使える!
次からはいつものスナイパースタイル復活だから、スポッターよろ!
んじゃ、今夜のログイン待ってるよ!
あと、リアルメアド頂きましたっ! 今度メール送るね! これでメル友だね! By加奈子
----------------------------------------------
小学生にスナイプ道とか物騒なもん伝授するなよ…と思わず苦笑。
と言うか…ミウラ先生、まぢか!
「コッラーの戦い」…32VS4000なんて無理ゲーもいいとこだったんだけど。
けど、あの先生防御スゴいからなぁ…。
4000人の大軍に囲まれて、無双するアルデバランを想像する…。
…思った以上に壮絶な光景だった。
すげぇ、さすが黄金聖闘士!! ソ連軍も涙目だっての。
そいや、カナちゃんからメールもらうなんて初めてのような…記念って事で保存箱送りだね。
今まで赤マフさんに、なんどかメール送っても返事なんてなかったんだけど。
…まぁ、有象無象に埋もれてたっぽいし。
さすがにカナちゃんに、メール送りつけてくるような奴はまだいない。
と言うか、シグネチャにリアルのメアド乗っかるようにしてたんだっけ。
偶然とはいえ、加奈子さんとメアド交換出来そうな感じでちょっとラッキー。
モーニングメールとかおやすみメールとかもらっちゃったら、嬉しいかも。
なんかラブラブな感じでさ…ちょっといいな…それ。
…と思ってたら、もう一通。
----------------------------------------------
タイトル:追伸
本文:ミウラ先生からサボり魔学生だって聞いた! 確かに昼間ログインとか多かったけど…。
学校、サボってたってのは、いただけないね! 行きたくてもいけない奴だっているんだからさっ!
いいから真面目にいけっ!ヽ(`Д´)ノプンスカ by加奈子
----------------------------------------------
うえっ、ミウラ先生、加奈子さんにも手を回したのか…。
まぁいい、心配しなくとも僕はちゃんとミウラ先生との約束を守って通学中…問題ない。
返事くらい出すか…「現在、真面目に登校中! メールお待ちしてます。」…っと。
そういや、加奈子さんこそ、昼間ログイン率結構高かったんだけど、あっちも高校生じゃないのか?
…まぁ、僕みたいに単位計算して効率よくサボってるクチだろう。
と言うかガンフロからメールが来てる時点で朝っぱらからログイン中…思い切りサボってるじゃん。
人のこと言えないんじゃないかな…まったく。
「追伸 そっちこそ、ガッコ、サボんなよ。」
ついでに、もう一通…まぁ、こんなもんか。
「先輩…歩きスマホは危険ですよ。」
ふいに背後から声を掛けられて! 思わず飛び上がりそうになった!
(嘘だろっ! 人の気配なんか、なかったってのっ! 今も全然しねぇしっ!)
恐る恐る振り返ると、やっぱり「奴」がいた!
篠崎伽椰…富士林高校1年B組16歳。
前髪パッツンの黒髪ロングと、一見お淑やかな感じに見えるセーラー服姿の女子高校生。
切れ長の瞳とエクステ要らずの長いまつげがまるで人形のようで…。
背丈も僕と並ぶくらいの長身で、バストサイズもE位あるんじゃないかってくらいの巨乳…。
引き締まったウエストと安産体型のヒップは、まさにナイスプロポーション!
まぁ、とにかく見た目はものすごく可愛い…。
野郎なら10人中ほぼ全員が綺麗な娘とか可愛いと評価し、こんな娘、彼女だったらなぁとか思う…。
それくらいのとびっきりの美少女だ。
だが、それはあくまで一見と言うだけの話。
とんでもない…こいつは美少女の皮をかぶった怪物だ…魔女とかそう言う類の奴なのだ。
「や、やぁ…篠崎…偶然だな…! い、いきなり後ろから、声かけるなっていつも言ってるじゃないか。
いいのか? 僕、のんびりしてるようにみえるけど、割とギリギリラインだと思う…。」
とりあえず、声をかける。
すると真っ赤な顔をして、両手の人差し指をちまちまくるくると可愛らしい仕草をしながら、ついっと目線を逸らす。
「も、問題ありません…だって、先輩の一週間ぶりの登校ですから…ずっとお待ちしておりました。」
やっぱり、待ち伏せ&出待ちしてたんじゃないかっ!!
と言うか、僕…これでもガンフロでも、相当優秀な索敵能力の持ち主で、それもスキルじゃなくてプレイヤースキル! 要は自前スキル。
それもぶっちゃけ半端じゃない…リアルでも目をつぶって、気配だけで人の人数数えられるとか、そんななんだけど!
カナちゃんですら、僕の索敵網を掻い潜って背中を取る事は出来ない。
光学迷彩と隠蔽重ね掛けなんて、あっさり見破ってたけど、普通は出来ないよ?
なんで、その鉄壁の索敵網をいつもいつも容易くかいくぐってくる訳?
絶対おっかしいでしょ! 通学ルートや時間を変えても、どっからともなく湧いてくるしっ!
6時に出れば問題ないと思ってたら「お早い登校ですね…」なんて言って出て来るし!
一限バックレ必至の9時に出れば、やっぱり「お待ちしておりました」…もう訳が解らないよっ!
篠崎伽椰…こいつは例の突発ラブレター事件で、そのラブレターを送りつけた張本人。
僕らのクラス2年D組では通称、魔人カーヤなんてあだ名と共に畏怖されている存在。
そのラブレターも下駄箱とかに放り込まれていたのなら、無視するところだったのだけど。
本人直々に校門前待ち伏せの上で直渡しと来れば、さすがに無視出来なかった。
なにより、第一印象はもの凄く可愛い超美少女っ! その男好きするスタイルも含めて、むしろ好みだった。
…なので、正直、舞い上がってしまったのも事実だった。
とりあえず、その見るからに分厚いラブレターを受け取り、返事は明日で構わないと言うことだったので、家に帰ってじっくり読ませてもらったのだけど。
そのA4の便箋数十枚にも及ぶ大作ラブレターは、凄く達筆な綺麗な字で、全く身に覚えのない彼女との出会いの物語から始まり…。
将来の夢…僕と結婚して、子供が何人とかその名前やらが並び、挙句の果てに腐女子の妄想が炸裂したかのような淫靡なラブシーンの生々し過ぎる濃厚な描写が延々と続き…。
いやはや…そこまで読んだ僕も大したもんだが、もう思い切り後悔…!
うん、カナちゃんとか、自分でエロいとかなんとか言ってたけど、あんなのマジ天使。
とにかく、もうこの時点でアウト…もう完全に無理って感じだった。
と言うか…なんで、僕が受け側になってたりするの?
そんなモン送り付けて、どんなリアクションを期待してるわけ? もう意味わかんないこの娘っ!
そんなこんなで、次の日の朝一、校門で待ち伏せていた彼女に超丁寧に土下座せんばかりの勢いでお断りし、その場は大人しくお引き取りいただけた…のだけど。
魔人カーヤの恐怖は始まったばかりだったのだ!
正統派美少女ヒロイン、伽耶ちゃん登場っ!
嘘です。
ヤンデレ淫乱ヒロインカーヤ様登場です。
ヤバいです。
とにかくヤバい娘です。
この娘の好きにさせるとこの作品のレーティングは確実にR18作品になります。
けど、基本従順で、ひたすら一途。
結構家庭的で、夢はお嫁さん! と、可愛らしい所もあったりします。
ちょっと伽耶ちゃんイイかもって思ったあなた。
それは、ヤンデレ属性ってヤツですな。
実は彼女…くろがねの方にも「古武術使いの恋敵」と称されて、出て来てます。
そんな訳で、ポジション的にはライバルです。
当然、ガンフロ世界でも。
あと、今回からメールのやり取りって表現がでて来ます。
わかりやすければいいのだけど。




