第六話「彼氏彼女の戦場な日常」④
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第六話「彼氏彼女の戦場な日常」④
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デスペナルーム。
相変わらず、見事なまでになんもない。
ミウラさん、硬派なんだ…まぁ、言葉遣いとか武人っぽいしね…。
なんで、あんなすごそうな人がイロモノチームにいるんだろ?
それにしても、誰だかが、あのパンチラスクショ撮ったとか言ってたなぁ…。
個人で楽しむ…これもちょっと複雑な気持ちなんだけど…拡散とかは止めてくれよな。
まぁ、確かにあのカナちゃんの恥じらいの表情やフリフリ付き黒下着はグッと来るものあったけどさ。
…うん、確かにビューティフォーだった。
と言うか…彼女、キャラの下着にまでこだわってたんだ…。
あれデフォの白パンじゃなかったし…なんかディテールがすっごい凝ってた…。
しかも、あの顔とちっちゃめな身体で黒とか大人っぽい趣味してるんだもんなぁ。
向こうのエスパーダ氏も言ってたけど、あの意外性は確かにグッと来るものがあった。
頼んだら、じっくり見せてくれるかも…って、この発想はダメぇっ!
いつぞやの二の舞いになるのがオチだろっ!
とにかく、やっぱり、あとで釘刺しとこう…なんだかんだでいい奴らっぽいけど…やっぱ不安だし。
デスペナ部屋から戻ると、自陣の土嚢にへばりつくように体育座りで座り込むカナちゃんがいた。
なんだか、顔を両手で隠して、プルプルしてる。
「あれ? まだいたんだ…どうしたね?」
「ううっ…超見られた…めっちゃ恥ずい…。
しかも、スクショとか…あんなの拡散されたら、も、もう死ぬしか…。
おまけに、爆発オチでチュドーンされたせいで、服もなんかあちこち破れてるし…。
もう恥辱に塗れて、動けないっす! うぐぅ…。」
なんか、泣いてるし…まぁ、事故っちゃ事故なんだけど…。
確かに爆発ダメージで、上着やスカートが破れてて黒いのがチラチラと…。
どうもブラもお揃いで黒らしい…女の子のこだわりって奴? まぁ…ここは見て見ぬふり…ですよねー?
「だ…大丈夫でしょ? 一応、あとで釘刺しとくし…。
拡散なんかやったら、未成年者へのセクハラって事で通報垢BAN乙コースだと思うよ?
でも、割といい奴らっぽいし、仲間内で楽しむ程度に留めるくらいの良識はあるんじゃないかな…。」
「た、楽しむって…! よし、やっぱ、あいつら…もう一回全員殺そう…!
乙女のパンチラを目に焼き付けたあげくに、こんなカッコにしてくれた代償は高くつくって思い知らせてやるっ!」
カナちゃん、ものすごーく逆恨みであるのだけど、ツッコむのはやめとこ。
かうんたっく氏の自爆だって、瀕死になったら爆発オチなんて、ガンフロ名物のセオリーみたいなもん。
…言ってみれば事故なんだけどね。
と言うか、自爆覚悟とか言っときながら、爆発脱げの可能性って考えてなかったのね。
「んじゃ、その意気でもう一戦やるかね…ちょうど今、うちが攻められてるみたいだし…。」
戦域マップを見ると、こじろうと伝之助さん、キサラギが陣地に篭って、らんぼるぎーにの総攻撃を受けているところだった。
…あ、言ってる先から、こじろうが落ちた。
これ…ちょっと不味い展開だ…僕だけでも応援に行かないと!
と思ってたら、眼を三角にして、ぶっころーすとか喚きながら、半脱げ状態ながら、色々開き直ったらしいカナちゃんが突撃していった。
この後…カナちゃんはその超高速移動を駆使して、陣地の側面を突こうとしていたかうんたっく氏を行き掛けの駄賃のように落っことし…。
らんぼるぎーにの後背から、絶妙な奇襲攻撃を敢行!
文字通り暴虐の限りを尽くし、彼らはミウラ氏を残して、全滅の憂き目を見る羽目になった…合掌。
更にキサラギ対ミウラ氏の一騎討ちも、まさかのキサラギ勝利という大金星っ!
そして、ミウラ氏撃破とほぼ同時に、タイムアップを迎え、戦闘終了!
こちらはキルポイント2250+フラッグ二本分で4250P。
…相手は1460Pと我が「ウォーキーガンナーズ」の大勝利っ!
恒例のレザルト画面での、お互いの健闘を称えるチャットが始まる。
かうんたっく「いやぁ…負けた負けた…でも、ホント楽しかったです…別に悔しくなんか無いぞっと。(T_T)」
モンド「お疲れ様でしたー。そっちもなかなか手強かったです!
僕らも楽しかったです! またやりましょね。」
かうんたっく「うちってさ…アウトレンジで一方的に撃ち負けるパターンが多いんだけどさ。
今回は正面切って殴り合って、完敗だったからね…でも、ラストの一戦で陣地落とせてたら、勝ってたかも!
惜しかった! むしろ、気持ちのいい負けだったよん。」
確かに…あそこで、カナちゃんの増援が間に合ったから、良かったものの…。
キサラギが負けて、伝之助さんが落されて、陣地取られてたら、こっちが負けてた。
と言うか、あのままカナちゃんが引っ込んでたら、多分そうなってたはず。
爆発脱げ状態の恥ずかしさに負けず、奮闘したカナちゃんにエールを贈りたい。
モンド「ですね! こっちもあれは危なかった…。
カナちゃんの奇襲がハマったのと、うちのキサラギが一騎討ちを制したから、勝てたようなもんです。」
かうんたっく「カナちゃんだっけ? 僕…通りすがりのついでみたいに、マグナムで撃たれて、落されちゃったんだけど…あれ、なんでバレたの?
ちゃんとこっちは、先に見つけて風向きも確認したし、隠蔽と光学迷彩ダブルで使って、息だって止めて草むらの中に潜んでたのに…。」
カナ「そりゃあ、あんなガッツリ見られてたら、普通に気付くんだけど…。」
かうんたっく『ごめん、この娘…何言ってるのか良く解かんないんだけど…。
光学迷彩してても、こっちがガン見してると居場所って、バレちゃうもんなの?』
かうんたっく氏から困惑気味のウィス。
モンド『僕も良く解らないけど…相手に見られたら、その時点で視線を感じて、解るんだってさ…。』
かうんたっく『視線って解るもんなの? やっぱり解かんなーいっ!
まるでどっかのSランの人みたいなこと言ってるね…。
とにかく、光学迷彩も隠蔽も過信は禁物って事だね。勉強になったよ…ありがとうっ!』
モンド『あと、彼女のパンチラスクショ…お仲間にデリるよう言った方がいいですよ。
彼女リアル女子で未成年なんで拡散とかしちゃったら、セクハラ通報垢BAN必至なんで…。』
かうんたっく『ひぃいいいっ! そりゃ大変だ…あとでキツく言っとくんで…この場は穏便におねやす!』
モンド『そんな感じで頼んます! ついでに、爆発脱げ食らったせいで、かなーりご立腹だった上に泣かれてしまいましたので…一応ごめんなさいしといた方が…。』
かうんたっく『そりゃ、あかーんっ! 爆発脱げって、犯人僕かっ! 本当にゴメンっ! 了解! 直ちに裏から手を回しますっ!(`・ω・´)ゞ』
良かった…話せば分かる人で…。
カナ「ところでさ…これっだけは言っておきたいんだけど…。
お前ら全員、あの件は忘れろ…いいね? 絶対に…だからねっ!
あとスクショも消せっ! これはお願いじゃなくて命令っ!」
あちゃ、穏便にって言われてたのに、カナちゃん先走った…まぁ、しょうがないか。
かうんたっく「アッハイ! あと脱がしたのはわざとじゃありませんっ!
ガンフロ恒例の爆発オチですっ! 巻き込んじゃって、ホント、ごめんなさいっ!m(_ _)m」
エスパーダ「忘れますっ! 忘れられませんけど、忘れましたぁっ! アフロディーテ様ぁっ!」
イオタ「通報しないでくだしあ。」
ディアブロ「例のブツはたった今、デリましたから、ご容赦をっ!((((;゜Д゜))))」
400GT「俺、まっさきに落されたから、何のことかよく解らないんだけど…なんかゴメン。」
ミウラ「俺は硬派だからなっ! ディアブロっ! オメーのHDD!
俺があとでちゃんとチェックするからなっ!」
イオタ&ディアブロ「ひ、ひぃいいいいっ!」
ミウラ「ちなみに、イオタとディアブロは俺のリア弟共なんだ…。
カナちゃん、その辺はきっちり始末するから、安心してくれ。
女の子へのセクハラ駄目っ! 絶対っ! いつも言ってんだろっ!
ああ言う時は、見て見ぬふりするのがエチケットってもんだ!
んなだから、オメェら女の子にモテねぇんだよっ!」
かうんたっく『ちな、このミウラさん、実はリア女性です。
一見、凄く怖そうだけど、本来は優しくていい人なんで、この件は、ばっちり始末付けてくれるはずです。』
ぶはっ…まぢか。
やっぱいるんだなぁ…加奈子さんみたいな人。
モンド『了解…ミウラさんの事は内密にしますね。』
かうんたっく『まぁ、公然の秘密って奴なんですけどね…一応、他言無用でお願いします。
…なんでも、どっかの高校の先生らしいですよ。厳しさと優しさ…そして強さを併せ持つ素敵な人です。
なんかグッと来ません? そんな僕は年上お姉様属性。』
自らの性癖を堂々と暴露するかうんたっく氏…やっぱ、この人、面白い人だよなぁ…。
モンド『うん、グッと来ますね! いやぁ…なんか話合いますね…僕も年上お姉さんは大好きです。
わははははっ! あ、フレよろしく!』
かうんたっく『あい、よろこんでっ! (^^)b』
最後にやっぱり、サムズアップの意を示す顔文字と共にフレ受領のメッセージ。
たとえさっきまで殺し合ってた同士だからって、戦い終われば、ノーサイド!
こう言う楽しい人達とは友達になるに限る。
それにしても…何ていうか、人それぞれにドラマありって感じだねぇ…。
カナちゃんにもその旨、メッセ飛ばしとく。
モンド『カナちゃん、向こうのミウラさんが始末付けてくれるって…。
リアル女性の方らしいんで、その辺確実にやってくれると思うよ。』
カナ『マジっすか! あ、でも…確かにわたしの赤マフ演技に通じる所があるような…。
それにあれ…アルデバランコスだったし…あー、なんか色々繋がった!
んじゃ、この一件はもう水に流すーっ! 先走っちゃってゴメン!』
うん、カナちゃんも解ってくれた。
って言うか、アルデバランって誰?
カナ「解った…各々方委細、承知した! もう許すっ! 爆発脱げも仕様なんだし、仕方がない!
けど、ミウラさんも強かったよねぇ…マグナム弾くは、あの唐竹割りも…マジでギリギリ!
思わず、踏み台にして逃げちゃったけど、なんかゴメンね! ネタやる気はなかったんだっ!」
オープンチャットでカナちゃん、許す宣言。
まぁ、コレでひとまず丸く収まるかな。
ミウラ「いやぁ…ガイアさんの気持ちをリアル体験しちまったよっ!www
あのセリフ…ナチュラルに叫んじまったぜっ!」
全員「「「「「俺を踏み台にしたぁっ!www」」」」」
伝之助「ボクもそれ見たかったなぁ…。けどホント、ミウラさん、凄かったよねぇ…!
MINIMIの弾幕、物ともせずに、単身突っ込んでくるんだもん…。
こじろうなんて、ボクの身代わりに、受け太刀して真っ二つにされちゃったし…。
怖かったぁ…キサラギがカバーしてくれなかったら、絶対ボクも落されてたねっ!」
こじろう「あれ…絶対、受けたっ! と思ったんスよ…なんつーか、お見事っ! お見逸れしやした!」
ミウラ「こじろうくんの受けのタイミングは完璧だった!
けど、俺の唐竹割りを受けきれる奴なんてそう居ない!
なにせあれ…俺の必殺技だからな! 放った以上は相手は落ちる!
けどまぁ、カナちゃんにゃ太刀筋見切られた上に、パイソンのグリップで剣叩かれて、逸らされちまった…。
あれはさすがに驚いたぜ…。
それに、結局、そっちのキサラギってのに最後、落されちまったからなぁ…ぶっちゃけ、いいとこなしだ。
あの双剣グルカ超重たかったぜ。最初の一戦…うちのバカが水差しちまって、悪かったな。」
キサラギ「ふふん、この双剣…もう引退しちゃったんだけど…。
とあるブレイドマスターから受け継いだSR級の一品物なのよ!
…折れないし、曲がらない! 振り上げ軽くて、落とすとズシン! 重心移動のギミック付き。
ミウラさん、なんでもブレイド10剣豪の一人らしいじゃない!
…そんな人に勝っちゃうなんて、ちょっと自慢していいかな!
いやぁ、久々のガチチャンバラ楽しかったわ…また、遊びましょ!
フレ送っといたから、今度は一緒に遊びましょねっ!」
まじか…ミウラさんってそんな強豪なのか…すげぇ…って事は、キサラギも実は相当な腕って事になるのか。
と言うか…よくあんなボスキャラ相手に勝てたよなぁ…。
カナちゃんも大活躍だったけど、地味にキサラギもMVPだったんじゃないかな。
でも、毎回落ちるんだけどねっ! それがキサラギクオリティッ!
何と言うか…ブレイドって皆アツいんだよなぁ…この人達、嫌いになれそうもない。
ミウラ「おう、俺に勝ったんだからな! そりゃあ、思い切り自慢していいぜっ!
俺もあんなアツいガチ勝負久しぶりだった!
そもそも、俺相手に真っ向から白兵戦で立ち向かってきた奴だって久しぶりっ!
フレいいねっ! 同業者のお友達は大歓迎っ!
んじゃま、負けちまったけど、実にいい勝負だった…またやろうぜっ!」
そう、ミウラ先生が締めくくって、皆、解散!
ついでに、ちょっとしてから、ミウラ先生からもウィスと一緒にフレ申請が飛んできた。
ミウラ『ほんとうっにごめんなさい!(汗)
うちの弟達にはリアル鉄拳制裁して、HDDフォーマットかましてやったから、もう大丈夫!
カナちゃんにもよろしく伝えといてね!』
いきなり、こんなウィスが飛んできたんで、さすがに吹いた。
と言うか…そこまで徹底しちゃう? 何と言うか…ディアブロ氏とイオタ氏に哀悼を…。
モンド『えっと…誰? って感じなんですけど、事情は聞いてますんで…了解です。』
ミウラ『ですよねー? 剣に生き剣と共に倒れる硬派な剣豪ミウラは仮の姿…と言うかあれコスプレアバターだったりして…。
対外戦では、基本あのスタイルでアルデバラン様に成り切ってるのです。
うちのチームって対戦の時、いつもあんな調子だから、素面だとなんか恥ずかしくって…。』
あの変な口上か…確かに素であれやれと言われたらなかなかキツイな。
ミウラ『でも、普段はちゃんと可愛いかっこしてるし、しゃべりもこんな調子。
タウンで見掛けたら声かけてもいいですよ!
それとかうんたっく君から聞いてると思うけど、一応、これでもリアル女子で先生やってたりします。
フレ送っときましたんで、今度ともよろしく♪』
ああ、アレ確か…聖闘士うんたらのタイアップアバターだったなぁ…牡牛座のなんとか。
あ、そうだ…カナちゃんの言ってたアルデバランってアレかっ! あの娘…ほんと詳しいなぁ…。
けど、あのシリーズ…。
誰得とか言われてたから全然見掛けない上に、黒にカラチェンしてたから、全然わからなかった…。
ちなみに、ミウラさん…なんでそんな強豪なのにイロモノチーム入りしたのかってのは…。
ミウラって名前にしてたら、かうんたっく氏に勝手にランボルギーニ好きと思われて、ものすごーく熱心に勧誘されてチーム入りしたらしかった。
そんな名前のスーパーカーが実在する事を後から知ったそうだけど、ナンパ目的とかじゃなく、ネタの為と言うその一心で、ガチで三顧の礼をやったらしく、その心意気を買ったそうな。
何と言うか、かうんたっく氏…歪みねぇ漢だった。
なお、ディアブロとイオタの両氏は、彼女が弟達への強権発動で名前指定の上でガンフロ動員したとの事。
まさにネタのため! どちらも立派な社会人との事ながら…。
僕が妹の永遠の兄であるように、姉というのものも未来永劫偉いのだろう…。
暴君ならぬ暴姉…そんな言葉が出掛かったけど、当人達は楽しんでるらしいし、実際楽しそうだったから、問題ないんだろね。
もっとも…その後、高校サボりまくって事がバレて、ミウラ先生にめっちゃお説教された。
久しぶりに学校行ってみるか…なんて口走ってしまったのが運の尽きだった。
しょうがない…明日はサボらず真面目に高校行くとするか…単位いい加減ヤバイし。
そういや、担任の先生も三浦って名前だっけ…1時間目バックレとかも多いから、しばらく顔を見てない…。
明日は朝イチから行くとしよう。
かくして、ガンフロの夜は更けていくのであった…。
バトル編、終了っ!
次回からはモンドくんのリアルライフ…学園編です。
新キャラ続々登場です!
ちなみに、VSプレイヤーバトル編はPVの伸びもよく割りと好評だったのかなと。
そのうち、バトルトーナメント編でも始めようかしら?
あれって、チーム戦だとキャラクター大量に用意する手間ありますけど、
話し作りは案外楽。
ガンゲイルとか全編そんな調子ですからねー。
さて、ミウラ先生の意外な正体も明らかになりました。
ブレブレ1号(初期案)がこんなになるとか、作者だって思ってもなかったよ!




