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第六話「彼氏彼女の戦場な日常」①

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第六話「彼氏彼女の戦場な日常」①

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 そんな訳で、先程の流れの勢いで、仲間たちも全員集合したからって事で…。

 早速、カナちゃんデビュー戦!


 まぁ…さすがに赤マフさんに比べると、カナちゃんって物凄く弱い。

 ルーキー、Fランク…装備可能な武器は拳銃とサブマシン、PDW系くらい。

 僕の戦闘力の弱さも中々のもんだけど、僕の方が各種ステータスも含めて遥かに強い。


 とにかく、お子様キャラはちっこい上に非力なんで、小銃もカービン系どまりで、狙撃銃もアンチ・マテリアルなんてとても無理。

 

 ロングレンジ主体な元スナイパーのカナちゃんにとっては、かなりきつい条件なんじゃないだろうか。

 と言うか、むしろ弱くてニューゲーム状態のような気がする。


 まぁ…そんな訳で、NPC対戦マップあたりで、クラスチェンジが出来るEランク目指して頑張ろうって提案したんだけど。


「通常対戦マップの方がポイント美味いから、そっちやろうっ!」


 と本人が仰るので、そのようにする事となった。

 まぁ、実際ルーキーFからEなんて、普通はまる一日とか軽くかかる面倒くさーいチュートリアルやって上がるって感じだもんな。

 そんかし、一回やるだけでクラスアップ出来るだけのポイントが入るんだけどね。


 けど、あれ…もう一回なんて、苦痛だろからなぁ…やってる事もド素人をマンターゲットに反射的に銃を撃てるくらいまでを一日で仕上げるって内容だから、結構ハードなんだけど。

 正直、経験者がやるには、なかなかの苦行…カナちゃん的には新しい戦闘スタイルの練習も兼ねて、実戦で上げた方がお得って話なんだろうね。


 という訳で…通常対戦マップで対戦相手チームが現れるのを待つことしばし。


 僕らと同じCランクチーム「らんぼるぎーに」が対戦相手となった。


 予めこっちが選択していたマップは森林D。

 このマップ、特別ルールが採用されており、フラッグディフェンスルールとなっている。


 自陣、敵陣、中央と3箇所にフラッグエリアがあり、30分後のタイムアップ時にフラッグ一本につき、1000Pのフラッグポイントが入るルール…時間も短めだから、お手軽な感じ。


 この辺は、カナちゃんから指定された…本人が言うには子供ルーキーでもこのマップならプレイヤースキルが生きるってのと、フラッグポイントが美味すぎるからとの事。


 対戦相手が決まったので、向こうのチームメンバーも待機ロビーに表示される。

 8マス区切りの待機ロビー画面が今度は16分割になる…なんかゴツそうなのがずらりと並んでる。

 

 向こうのリーダーから、オープンチャットが飛んでくる。


かうんたっく「こんばんわっ! 皆さん、お初ですね。

 なんだか、渋いマップ指定してたから、思わず目をつけちゃった…。

 ここフラッグ戦なんて、珍しいルールだから、ここで対戦待ちしてるチームって珍しい。

 言っとくけとうち近接強いし、このマップのスペシャリストを自負してるよ。

 もし、マップ選択間違ってたなら、今から変えてもいいよ?」


 確かにこのマップだと視界も悪いし、確実に相手の顔が見える距離での戦い…近接戦になる。

 …向こうもそれなりに自信があるっぽい。


モンド「大丈夫、うちも負けてないから! 近接上等ですよ。」


かうんたっく「そかそか…いいねっ! 君ら、なかなか楽しませてくれそうだ。

 それと…なんだか、初心者のコが混ざってるみたいだけど、そのコ、おミソにしようか? 

 ルーキーなんて戦力外もいいとこだし、初心者のコ落とすのって、さすがに気が引けるから、あんまり狙わないようにするわ。バトル見学ついでのパワーレベリングってとこなんでしょ?」


 かうんたっく氏、なんか結構いい人っぽい。

 どっちみちFランルーキーなんて、落ちても10Pしか取られないので、実質上ミソッカス扱いなんだけどね。


カナ「あははー、見学じゃなくてマジ参戦です。手加減無用でバンバン落としちゃっていいですから…別に初心者扱いとかしなくていいですよ。でも、お気遣いありがとです。」


モンド「…本人、こう言ってるんで、ガチ上等、手加減無用でよろしくお願いします。」


かうんたっく「おお、よく言ったね! よっしゃ、なら手加減無用! お互い恨みっこなしだかんねっ!

 じゃあ、お互い話まとまったとこで、皆、いつものアレやるぞっ!」


ディアブロ「おっけー! リーダーッ! まずは俺からっ!

 V12のパワーは世界一ィイイイッ!」


イオタ「我らの走り! その目に焼き付けて、落ちていけ!」


ミウラ「ザ・トリプルモンスターブラザーズ! 俺達兄弟3人組の進撃は誰にも止められないっ!

 当たるを幸い斬って斬って斬りまくる! ブレイド魂、ここにありっ!」


エスパーダ「合言葉は「いつかは乗りたいランボルギーニッ!」 そしてっ!」


400GT「赤い跳ね馬なんかにゃ負けねぇぜ! 突撃あるのみ! 疾走無敵っ!」


かうんたっく「泣く子も黙る金色牡牛のエンブレム! 我ら、らんぼるぎーに! ここに見参っ!」


 な、なんか爆発エフェクトっぽいのが見えた気がした! 見えないんだけどっ!

 

 ヤバイっ! こ、この人達、面白すぎる! なにこれ? よく見るとブレイド系が三人もいるしっ!

 他はかうんたっく氏がスカウトレンジャー、400GT氏とエスパーダ氏がアサルトガンナー。

 

 それに400GTってなに? もう人名じゃないし…チーム名といいカーマニア集団か何かかな?


 6人編成の機動力重視の近接チームって事か…いやはや、なんかイロモノチームに当たっちゃったなぁ…。


カナ『こ、この人達面白すぎっ! リアルでお腹抱えて爆笑中!』


カナちゃんからウィス。


モンド『うん、こりゃヤバイ…僕の腹筋もピンチ…けど、こうなりゃ、僕らも名乗り返すのがお約束!

 僕が先返すから二番手モンドさんのテーマでおねやす。』


かな『あ、あのネタ? いいよ…任せてwww』


会話モードをオープンへ変更。


モンド「お見事な口上、拝聴仕った! 僕は一応リーダー(笑)のモンド! テーマソングは例のアレだ!」


カナ「カナちゃんでーすっ! ちゃららー、ちゃらららららら、ぱらっぱー!」


こじろう「デケデンッ! デケデケデケデンっ! オッス! オラこじろうっ!」


キサラギ「ちゃーらーららららーららー。

 んっふっふ…同業者が三人とかあんたら素敵すぐるわ…。

 この世に悪の栄えた試しなし! 浮世の鬼を切って捨てよう! まこと、正しき義のために!

 ブラックファントム! ダブルグルカのキサラギとは私の事よっ!」


伝之助「と、とりあえず、皆さん、よろしくって事で…あ、ボク伝之助ね! ジャカジャンッ!」


モンド「あっさり、終わらすなーっ!」


全員「「「「「「wwwwwwww」」」」」」


 とまぁ、そんな感じでオチが付いたとこで、両チーム交えたお笑いチャット対決はドロー。

 殺伐と一言二言挨拶した程度で始めることも多いけど、こんな風にバカ話やってからって事も多い。


 皆、ガンフロ仲間…出会って、殺して殺される関係だって、お互い楽しくやるのが僕らの流儀っ!


 続いて、バトルスタート。


 待機ロビーから、VRフィールドへ転送!


 作戦開始3分前。

 自軍フラッグ前で、恒例のやっつけ作戦会議。

 ちなみに、転送後3分間の猶予があるのは、VRリンクにタイムラグが出ることがままあるため。

 この間は、10m四方に通行不能のフィールドがあるので、基本的に身動きも出来ない。

 

 フラッグ周辺には土嚢が積み重ねてあって、陣地化されており、周辺は50mほどの広場みたいになってる。

 最悪、ここに立て籠もっての最終防衛戦となる場合もあるけど…正直、それはまずないだろう。

 中央の陣地を取って取られての攻防になるのは目に見えていた。


 マップは全面、森の中…1エリア100m四方設定で5X5、500m四方…狭っ!

 視界も木々に遮られて、見通し悪い上に小雪までパラついてる…天候は割とランダムなんだけど、森林マップDは北の方という設定なので、高確率で雪になる。

 

 こうなると交戦距離は同一エリア内…つまり100m以内…天候次第では十メートルとかそんな風になる…確かにインファイター向けのマップだった。

 しかも、止んでくれないとどんどん積もって、雪景色になってしまう…そうなると何かと面倒くさい。


 木々もまばらな針葉樹中心で、熱帯雨林のジャングルとかそこまでの感じじゃない。

 足元もびっしり草や灌木が生えてるから、ちょっと歩くのに苦労するけど、遮蔽物も多いから長距離狙撃とか気にしないでいいぶん、それなりに早く動ける。


「さて…カナちゃん、自信アリげだけど、なんか作戦でもあるの?

 言っとくけど、僕、このマップあんまりやった事ないよ?」


「敵は高機動近接チーム…正直、こんなのが相手になるなんてのは想定外かなぁ。

 …もっとスタンダードな銃撃戦主体のが相手ならやりやすかったんだけど。」


 だよね…こんなイロモノチーム、はっきり言ってレア。

 今まで対戦したチームの中でも十指に入るくらいにはインパクト強いチーム。


「ひとまず、わたしとキサラギさんとこじろうが先行、モンドくんと伝之助さんは後から着いてくる感じかな。

 伝之助さんは中央の陣地を取ってからの固定砲台要員って感じだから、序盤は無理に前に出ないでね。

 一応、うちのエース扱いになってるから、落されると600P…ちょっち痛い。

 わたし60人分のポイント取られるんだからね? そんな訳で、モンドくんは伝之助さんの護衛よろ。

 今回はわたし…鉄砲玉役の近接戦くらいしか使い物にならないから、消耗品扱いで問題なしっ! それで行っちゃおう!」


 そう言いながら、カナちゃんはコルト・パイソンの弾倉をチェック中。

 よく見ると少し小型のコンバットパイソン 3インチモデルだ…ほんとにパイソン好きなのね。


 なんと、今回はこの拳銃一丁とコンバットナイフ一本だけで戦い抜くつもりらしい…。

 使えそうな武器の中では.357マグナム弾が一番火力強い上に、身軽さを重視したんだそうな。


「解った…ふふん、ブレイド対決とか久々だから燃えるわ!」


「俺もたまにはこの大和魂…ぶん回すとするかな! くっくっくっ、血がたぎるのう!」


 こじろう…今日は拳銃ベルトにツッコんで、日本刀担いで上半身裸で腹にサラシなんか巻いて…何と言うか…カチコミスタイル。


 と言うか拳銃もトカレフTT-33…ヤーさん御用達、安全装置なし、シングルアクションの危ない拳銃。

 けど、カナちゃんに言わせると粗悪品でもない限り暴発なんてしないし、抜いてすぐ使える実用的な拳銃らしい。

 それに、89式もしっかり背負ってるから、近接メイン時々射撃って感じかな?


 キサラギは…チャンバラ対決の予感に、なんかみなぎってる感じ。


「フラッグ戦って時点で、ボクの役目は拠点防衛で決まりって感じだったけど…確かにそうだね。

 今回、ボクは慎重にやるね。それにしても、なるほどね…そのちびっ子じゃ、オープンフィールドじゃキツイからねぇ…なかなか考えたね。」


「そゆこと! 敵も突進力はありそうだから、たぶん、バトルの展開も早いよ! モンドくんも油断しないでね! 開始まで10秒切ったってさ! 皆っ! いっくぞーっ!」


「…5…4…3…2…1」


「00:00 Ready GO! Good Luck!」

という訳で、カナちゃん初陣っ!


何気に本作初の対プレイヤー戦です。

相手はのっけから、イロモノチームの登場です。


チーム「らんぼるぎーに」の面々のネーミングは、イタリアのスーパーカーメーカー、ランボルギーニの車種名から取ってます。


キャラ名の元ネタがあるから、ものの5分位でキャラ作っちゃって、最初はただのヤラレ役の…はずだったんですけどねぇ…。

各々名前付けたらこっちの予想外の個性を得て…またしても予想外の方向へ…。


さてさて、この一戦どうなることやら!


なお、このゲームって中途半端なVRなんで、結構みんなテキストチャットでやりとりしてます。

頭にキャラ名が付いてるセリフはテキストチャットって事です。


ガンゲイルとかみたいに殺伐とした殺し合いって雰囲気でもなく、プレイヤー同士はこんな風に和気あいあいのやり取りしてから、試合会場へ転送…ぶっ殺し合い開始って感じがスタンダードです。


たまに無言乱入PKなんて、無法なことやらかすのもいますけどね。


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