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第五話「彼氏彼女のおつきあい?」③

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第五話「彼氏彼女のおつきあい?」③

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「ん? モンドくん…どしたね? もしかして、引いた?」


「ま、まぁ…案ずるな…問題ない。

 前にも言ったけど、妹持ちだからな…あいつらの読んでる雑誌とか、ありゃ男が見ちゃいかんもんだからな。

 それに共学の高校通いだしね…今更、女子に幻想なんて、持ってないさ! けど、人前で女の子がエロだのなんだの口走るのは止めようね。」

 

 …その普通に本屋に売ってるティーン向け女性雑誌の内容…あれはなかなか物凄い内容だった。

 妹の部屋に貸した漫画雑誌を回収に行った時、興味本位で机の上にあったそれをチラ見してみたのだけど。


 …その内容はまさにドン引きしそうなド直球なエロ表現に満ち満ちており、見るんじゃなかったと心底後悔するものだった。

 

 あんなのが普通に本屋に並んでて小学生が買えてしまうと言う時点で、この国の将来を憂いたくなった僕はきっと正常なんだと思いたい。


「にしし…モンドくんと二人きりだからこそ、敢えて、本音をぶっちゃけているのだけどね。

 赤マフの時は、男同士って感じで自分も男になった気分で接してたけどさ。

 それでも、やっぱモンドくん…時々すんごくカッコよかったんだもんなぁ…。

 自分で言ったじゃん…我慢すんなって…それに照れてるモンドくんを見てると、なんか可愛い。

 ちょっと、モンドくん…ちょっとそこに立って、こうやって両手を広げてくれる?」


 そんな事を言いながら、椅子から立ち上がって両手を横に広げるカナちゃん。

 言われて、良く解らないまま、同じように立ち上がると両手を横に広げてみる。


 …なんだこれ? いったい何が始まるんですか? 御年18歳、年上のかなこお姉さん。


「こ、こんな感じ?」


「おっけー! じゃあ、いっぺんやりたかった事! 受け取ってわたしの思いっ!

 とつげきっ! らぶはーとっ!」


 言いながら、両手を広げたまま突進してくるカナちゃん…その動きは鋭く、恐ろしく素早い!

 どうするべきか迷っているうちに、ジャンプしながらの全身全霊の体当たりが炸裂し、そのまま首から肩越しに両手を回されて、ぎゅっと抱きしめられる。


 ああ、これってわたしを受け止めてっ! みたいな奴だったのか!


「おぅふっ!」


 とっさに受け止めようとしたのだけど、反応が遅れたせいで、ものの見事に失敗し、何ともヘンテコな声が漏れる。

 

 おまけに、カナちゃんに抱きつかれたせいで、トップヘビー状態になり、足がもつれて、バランスを崩し、そのまま後ろへ倒れ込む。


「あれ? モ、モンドくん? ちょっと! ちゃんと踏ん張ってよっ! う、うにゃあああっ!」


 ゴゴンっと、後頭部とおでこにダブルで衝撃…痛くはないのだけど、衝撃と音はしっかりある。

 視界が一瞬真っ暗になって、星のようなものが視界を飛び交って、視界がグラングラン揺れて、意識が朦朧とする…俗に言うピヨリ状態だった。


(そう言えば、CQC再現用にこんなの実装されてたんだっけ…。)


 そんな事を思いながら、頑張って目を開けると、カナちゃんが僕の腰の上辺りに腰掛けるような格好になって、おでこを押さえながら僕と同じようなピヨリ状態になっていた。

 …頭の周りをお星様がくーるくるとエフェクト付き…なにこれっ! 初めて見たよっ!


「あっれー? なんだこれ…思ってたのと全然違くね? も、モンドくん…ごめん、なんか色々失敗したみたい…勢い付けすぎちゃったかも…。わたし、なんだかピヨリ中…メディーックッ!」


「メディーックじゃないだろ! メディックは僕っ! たった今、君に押し倒されて、同じく絶賛ピヨリ中っ! はやくどいてっ! この体勢、色々ヤバイからっ!」


 意味もなく床をバンバンとタップしてみる。


 なお、レフリーなんていない。


 ちなみに、メディックには一応、ピヨリ回復のスキルが有る。

 ただし、こんな風にピヨるような機会なんて、基本ほぼ無い。


 そして、自分には使えない…自分がピヨってちゃスキルなんて使えないから。


キサラギ『めっちゃ楽しそうな事になってるから、お姉さん、このままお腹抱えて見守るわ。頑張れラブコメ主人公!』


伝之助『ごめんね…キサラギが止めんなって言うもんで…いやぁ、若いっていいね!』


こじろう『お、俺ら…その…二時間位、デイリー巡回でもして出直して来ようか?』


 仲間達からのウィスパーメッセが視界を流れていく。

 つまり…増援は来ない。その場で玉砕せよという事だった。


「うぇーいっ! かなこちゃん、ふっかーつ! 喪女舐めんなっ! ふぁいおーっ!」


 立ち上がって、そんな事を口走る加奈子さん。

 なんか、このひとテンションがおかしいです。


 あと、このアングルでそんな立ち上がると、ミニスカートの中が丸見えです。

 けど、何故かこれっぽっちも萌えません…。


「ふっふっふ…モンドくんは、まだピヨリ中…つまり、わたしが好き放題っ! ずっとわたしのターンっ!

 どうしよっかなぁ…これって、「きゃーっ! うっかり、押し倒しちゃった上に気絶させちゃったどうしようっ!」ってあれねっ!」


 そう言いながら、またしても腰の上にまたがってくるかなこさん。

 だから、この体勢はダメだっての!!


「えっと…この後は…あのレディコミだと…マウント取って、介抱すると称してシャツのボタン外してあげて…。

 うん、自然! 超自然な流れっ! 介抱だからしょうがないよね! 気を失った人には、まず呼吸を楽にさせてあげないと!

 「あなたも出来る3分間サバイバル」にもそう書いてあったし!」


 カナちゃんが何やら腰の上でグリグリ動く…リアルでたまに寝っ転がって漫画読んでたりすると、妹にこの体勢で乗られたりするんだけど…。

 

 感触がびっくりするほどリアル…具体的には服越しの生足の感触とか下着の感触とか…これは…色々とアカン。

 妹相手なら別に何とも思わないけど、相手は加奈子さん…年上女子高生…いや、意識しちゃ駄目だっ!


「あとは…うーん、暑くなっちゃたって感じで上着脱いで、シャツのボタン外してスカートめくってパンチラって、誘い受け狙い? 確かそんなだった…。

 うわっ、モンドくんがケダモノになって押し倒されちゃったら、どうしよう! もしそうなったら…もう好きにしてって感じで…うん、こんな事もあろうかと下着凝ったのにチェンジした甲斐があったね!

 えっと、VRってどこまでヤレるんだろ?」

 

 あ、あれ…何言ってんのかな? 加奈子さん。

 なんか不穏な事言ってませんか? あと、僕…気を失ってる訳じゃなく、動けないだけ!

 色々ばっちり聞こえてるし、加奈子さん、さっきから思考が言葉にだだ漏れです!


 そんな僕の思いをよそに、加奈子さんは目線をそらしながら、恥ずかしそうに自分と僕の上着のボタンをプチプチと…おい、待てーいっ!


 と言うか、戦友諸君の見守る中それはダメでしょっ! …レーティング的にもその展開はダメ!

 ここは彼女に目を覚ましてもらうために、一発キツイのかますしか無いっ!


「やらせはせんっ! やらせはせんぞーっ!」


 ある意味、お約束なセリフを言いながら、ピヨリが解けた瞬間に腹筋だけで起き上がって、加奈子さんのデコめがけて、頭突き一発ドーン!


 ごっつんと言う音がして、上着半脱げ状態の加奈子さんがピヨリエフェクトと共にパタリって感じで倒れる。


『YOU WIN』


 そんな感じのウィナーコールが聞こえた気がした。


 よしっ! 加奈子さんには悪いけど、色んなものが守られたんだ…君の犠牲は忘れないよ…。


 そして、視界の片隅に「新規にCQCスキルを所得」とのテロップが流れる。

 …なに、このオチ?




「ごめんね…なんかテンション上がり過ぎちゃって…調子に乗りすぎた…自重乙。」


 正座して、デコにバンソーコーマークを付けた加奈子さんが頭をペコリと下げる。


 ちなみに、このマークはメディックに治療を受けた証のようなもの。

 何の意味があるか良く解らないけど…治療受けたやつはこれみて、改めて感謝の念を深めると言う。

 僕らメディックにとっては、いわば撃墜マークのようなものだ。


 余談ながら、僕のピヨリ回復スキルレベルが上がった。

 加奈子さんとの死闘を制した報酬?


 ちなみに、ルームには、すでに愉快かつ薄情な仲間たちがいる。

 あの後、倉庫の扉を蹴っ飛ばして、三人にはお出でいただいた。


「と、とりあえず、俺は止めようって言ったんだからな!

 って言うか…カナちゃんでいいのかな? 改めて、よろしくお願いしまっす!」

 

 一応、こじろうは気を使ってくれようとしたからね…ただし、気の使う方向性が間違ってたが。

 二時間ってなんだ? どっからその具体的な数字が出てきたんだ…?


「ボ、ボクも止めたんだからね! だいたい、キサラギのせい。

 ただ…見てる分には面白かったよ…まさにラブコメの王道展開だったね!

 でも、き…じゃなくて、マウント取られてからのヘッドバットでヒロイン轟沈とか、なにそれ面白すぎ。

 あと、カナちゃん、そのちびっ子アバター…例の鬼畜キャラメイキングの犠牲者?

 ボクもいるよー! 10歳の少年キャラ…あれ…オープン組は皆、通った道だね。」

 

 伝之助さんは…うちの良心…なんか不穏な単語が出掛かったような気もするけど…。

 あとだれがラブコメだ…コラ。


「ひとまず、二人は無罪…君達には立派な良識ってもんがあった…だから怒っちゃいないさ。

 ただし、キサラギ…テメーはダメだ。たった今、覚えたてのCQCスキルをこの場で試してみてもいいか?」


 そう言って、僕は指の骨をポキポキ鳴らす。


「ええっ! 私が悪者になるの? カ、カナちゃんヘルプミー! 怖いお兄さんが私をメチャクチャにするって! きっと裸に剥かれて、R18展開待ったなしよ…これ。」

 

 そう言って、加奈子さんの背後に回り込んで盾に取ろうとするキサラギ。

 こいつっ! 人聞きの悪い事、言いやがって…。


「モ、モンドくんが、今まで見た事ないくらい、バイオレンスな感じにっ! 

 あ、あはは…それにしても、何ていうか…。皆…見事なまでにいつも通りなんだね。

 ひとまず…わたしもちょっと…いや、全面的にギルティなんで、ほんとすんません…。

 まさか、見られてたなんてつゆ知らず! あれよ…あれっ! …ついカッとなって的な…。

 あ、ハイッ! 今後はちょっと自重します。」


 二度とやらないではなく、あくまで自重、それもちょっとだけらしい。

 ま、まぁ…見られてるって解ってなかったら、正直、僕も危なかった…理性の勝利!


「うん、まぁ…僕もちょっとやり過ぎた…話し合いで解決するべきだったと反省している。」

 

「あはは…わたしもピヨリなんて食らったの初めて…でも、ちゃんと受け止めてくれないモンドくんも酷くね?

 あれはちゃんと受け止めてもらって、ギュッとするつもりだったのに、なんでマウント取って頭付き合いになるのさっ!」

 

「そうよっ! そうよっ! あそこはちゃんと受け止めてあげて、ぎゅうっとして、チュッとして告っちゃうとか、そのまま押し倒してヤッちゃう流れでしょ! しかも、あそこでふつーフラグ折る?」


 あれ? なんで僕が責められてるんだろ? おかしくね?


「そんなフラグ、ヘシ折ります! と言うか、僕らどっちも未成年だから、そう言うのはダメっ!」


 ちなみに、全年齢モードだと敵への着弾エフェクトは星マークがピコピコ出て、倒すと砂みたいにバラバラになるという一見平和な感じになるし、服装も瞬間チェンジでお着替えシーンはなし。

 

 少なくとも僕のような高校生だとR12規制が強制的にかかる…。

 着弾エフェクト以外に、下着なんかは脱ごうとしても脱げない仕様になってる。


 その辺は健全寸止め仕様って奴だ。

 

 R18モードだと…ホントどうなるんだろうね? 僕、お子様だからわかんなーいっ!


 つまり、いずれにせよそう言う展開は無い。


「がーんっ! しまったそうだった…モンドくんは17歳…年下だったんだ…。」


 かなこさんがorzって感じのポーズで落ち込んでいて、キサラギが何やら慰めるように耳うちしてる。


「キサラギさん、それマジですか! あ、R18モード、ヤバくね?

 そうなるとモンドくんの誕生日過ぎれば、おっけーじゃないの! うしっ! ぐっときた!

 モンドくん! 君のお誕生日っていつ? カナちゃんに教えてっ!」


 なんか、不穏な事を吹き込まれたらしいカナちゃんがまたしても迫ってくる。

 なお、僕の誕生日は9月15日。

 

 その旨、伝えたら…一年近く先なんて殺生な…とかなんとか呟いて、やっぱり落ち込んでいた。

 

 まぁ、とにかく…万事解決!

 次、行ってみようっ!!

モンドくんVSカナちゃんのCQCバトルでした!


本作品は健全、ラブコメです。

次回はバトル回です。


戦場ラブコメアクションの謳い文句に偽りなし。

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