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第五話「彼氏彼女のおつきあい?」②

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第五話「彼氏彼女のおつきあい?」②

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「ありゃ…どうしたね? なんか暗いよ?」


思わず、物思いにふけっていたら、カナちゃんに心配そうに見つめられていた。


「あ、いや…その…カナちゃんいつまでガンフロやってられるのかなぁ…って、考えちゃったんだ。

 ガンフロ出来なくなるって事は、海外への引っ越しとかそんなのかなって思っちゃってさ…。」

 

「あーうん…海外への引っ越しかぁ…そうだね…そんなとこ。

 なにせ遠いとこへ行っちゃうってのは間違ってないからね…うん、そうだよ…海外へ引っ越すんだ…。

 VRヘッドセットも海外へは持ってけないからね…そんなところだね。

 でも、それはまだ大丈夫…わたしの時間はまだ残ってるから…もうちょっと頑張るよ。

 と言うか、頑張る理由が出来たってとこかな?

 だから、せめてさ…最後に思い出を作りたいんだよね…モンドくん達とのさ。

 しんみりとか涙の別れとかじゃなくてさ…楽しかったねっ! ってさ…笑ってさよならしたいんだよ。

 だから、リアルで会おうとかそう言うのは止めてね…きっと幻滅されちゃうだろうし、変にお互い会っちゃうとお別れが辛くなっちゃう…。」


 なんとも、歯切れの悪い返事が返って来た。

 けどまぁ、そんなに間違ってない感じだし…海外なんかに行っちゃうんじゃしょうがないか。

 

 それに彼女自身はとても前向きな感じがする…笑顔で楽しかったねと笑ってお別れ…か。

 そうだ…そう言う事なら、僕だけが下を向いていてもしょうがない。


 リアルで会いたくないってのも…解らないでもない。

 そんなの下半身直結厨と一緒…彼女の言うことももっともだった。

 

 けど、幻滅はたぶんしないと思う…僕は、彼女と半年間相棒として付き合ってきたし、その人柄に惚れ込んでいるのだ…。

 背が人並みより低いらしいけど、見た目だって、アバターに反映される以上、たぶんそう変わりない。


 このカナちゃんの時点で十分可愛い…そう思う。

 

 携帯の番号とかメアドなんか、教えてくれないかな?

 それなら海外でも国によっては、電話出来たり、メールくらい出せるし…とか、思ったりもするけど。


 待て待て、ガッツキ過ぎだろ自分…とにかく…結論、深入りは駄目って事。


 VRっても、もう一人の自分と変わりないんだから、僕と彼女はリアルで出会っているも同然なんだ。

 これ以上求めるのは贅沢ってもんだ。

 

 そもそも…リアルで加奈子さんと会って…ホント、どうしようってんだか。

 年上の女子高生と、会話なんかまともに出来るのだろうか…あんま、自信がないぞ。


「まぁ、そう言う事なら…要は普通にガンフロ遊んで楽しみたいって事なんだよね?

 なら、今まで通りかな…大丈夫! なんだったら、今から皆呼び集めて、通常マップ巡回でもする?

 なぁに…皆、話したら喜んで手伝ってくれるってさ、誰も迷惑だなんて思っちゃいないよ。」


「いや、迷惑な話だと思うけどなぁ…現にモンドくんにだって結構迷惑かけてるんじゃないかな?

 これって、わたしのワガママだよね? 

 チームの方もこれまで赤マフ中心でやってきたけど、わたし…はっきり言ってお荷物じゃない?

 Fランルーキーから育て直しとか、そんなの一人でやれよって話。

 わたしがモンドくんの立場だったら、めんどくせーって絶対思うよ。」


 嘘つき…めんどくせーなんて、これっぽっちも思わずに、僕らお荷物共を引っ張ってきたのはどこのどいつだっての。

 僕らみたいなCクラスの雑魚チームに入ってくれただけでも、冗談みたいな話だったんだっての。

 ガンフロスレで、大騒ぎになってたのを知らないのかなぁ…。


「めんどくせーかどうかを決めるのは、僕達…少なくとも僕はそんな事思わない。

 そもそも、君は…本当は女の子なのに、色々嫌な思いをしたから、これまでずっと男のフリしてたんだろ?

 色々我慢してたんじゃないのかなぁ…男言葉無理に使ったり、可愛い女の子キャラとか見て、羨ましいなぁとかさぁ…それくらい察してたってのっ!

 それにサーバートップだの、英雄だの持ち上げられちゃって…そりゃ、しんどいに決まってるさ。

 だからもう我慢なんてしなくていいんじゃないかな?

 リアルじゃ出来ない事が出来るのが、このVR世界の利点なんだしさ…。」


「うっ、やっぱモンドくんって鋭いね…ガツガツ図星突かれてるし…。

 と言うか、こないだメイスナのアバターで、女の子のかっこで何にも気にしないで暴れまわって、なんかすっごい楽しかったんだよね…。

 あれで、わたしってば元々女の子なんだし、本当はこんな風に可愛いカッコして、何も意識しないで、地の自分のまま遊びたかったんだなって…思い知っちゃった訳さ!

 見て…この服、妹設定って話だったから、モンドくんとおソロな感じにしてみたんだけどさ!

 他にも色々可愛い服とかアバター選ぶのとか超楽しくてさ! 髪型とかもちょっとお洒落で可愛い感じにしてみた!

 リアルじゃ、あんま髪型とかイジれなくてさ…やっぱ、女の子なんだし可愛くしないとね!」


 …あ、薄々解ってたんだけど、だいたい僕のせいだったのね。


 けど、何となくそんな気がしたから、後押ししたくなったんだよね。

 …決して、タウンでメイスナコスの人見かけて、身近で見てみたいとか、そんな一心でガチャ回しまくった訳じゃないぞ! 断じて否っ!


 けどまぁ…楽しそうに新しいおソロの服や髪型を自慢する彼女は…なんか妹とかと変わんないなぁ…と思わなくもなかった。

 

「それに…わたしが女の子のカッコになってからのモンドくんの反応って、見ててすんごく楽しかったしね!」


 何とも聞き捨てならないことを言われる。


「…僕の反応って…そんな露骨に態度変えてたかな? あんま自覚ないんだけど。」


 正直、あまり自信がなかったので、恐る恐る聞き返してみる。


「なんか、やってる事はいつもどおりなんだけど、いつもより当社比三割増しくらいカッコ良かったよ!

 先を行く背中とか、殿に立つ姿とか男らしくってカッコ良かった!

 けど、おっぱいとか時々チラチラ見てたでしょ! このむっつりすけべぇっ! うししっ!

 それに、お姫様抱っこしてくれた時もお尻とか太ももの感触楽しんでたでしょ? バレバレだっての!」


 そう言って、三日月みたいな目でうししと笑うカナちゃん。


 うぇっ! バレてたのか…そ…そりゃあ、側にいれば嫌でも目に入りましたからねっ!

 その…必要以上にポヨポヨと揺れまくったり、あのやたら胸を強調するようなデザインの服が悪い!


 と言うか、女性は男性の視線に結構敏感って話聞いてたけど、本当なんだなぁ…と割としょうもない感想を抱いた。

 

 お姫様抱っこは…うん、役得とか思ってましたよ! なんか、すんげーやわかったしっ!


「ま、まぁ…僕だって…その…男の子なんですよっ! 運営が悪いっ! 運営がっ! …なんで、あんなけしからん仕様にするかなぁ。」


 そう言いながら、ベレー帽を少し目深に被って、明後日の方向を見つめる。

 なんとなく、メイスナ仕様赤マフさんの例のおっぱい乗せられ事件のあの感触を思い出してしまいそうになって、懸命に打ち消す。


「いやいや、軽蔑とかしないからさ…男の子なんて、基本エロい!

 女の子だって、そう! 人間、エロくない方が不健全っ!

 わたしの愛タブなんか、ちょっと人に見せられない秘密が山盛りなんだからねっ! 

 むしろ、女の子って、男の子に女の子として意識されるの、なかなか嬉しいもんなんだよ。

 …男の子と縁がないと特にねっ!

 お姫様抱っことかホントあれ、昔から憧れだったの…あれは超嬉しかったなぁ…。

 あの後、ログアウトした後も、全然眠れなくて大変だったんだからねっ!」


 なんか色々エロ、エロと連呼されながら、めっちゃ力説されてしまった…特に「男の子と縁がないと」ってとこは物凄く実感篭ってた。

 

 彼女、女子校通いとかそんななのかな…良く解らないけど。

 お姫様抱っこ云々は…確かにあの後、上の空って感じだったもんなぁ…。

 けど、本人超嬉しかったとか言ってるし…いいの…かな?


「そ、そっか…でもまぁ、エッチな目で見るとか、そんなのは無いから!

 そもそも、ナンパ野郎に不快な思いさせられたって聞いちゃうと、そんな風にはなりたくないって思うし。」


「あはは…確かに訳の分かんない奴にエロい目で見られる…なんてのは、気持ち悪いだけなんだけど。

 モンドくんだったら、別に構わないかな…この場で脱げって命令されたら、従っちゃうかも!」


さらっと爆弾発言するカナちゃん。


「いやいやいやっ! しないからっ! 命令とか!」


「あはは、冗談だよっ! まぁ、さすがにモンドくんの頭にアレ乗せちゃったのは、やらかしちゃったって思ったけどさ! なにせ、リアルのわたし…あんなご立派なモノはお持ちじゃな…ゲフゲフっ! な、なんでもないからねっ!」


 …わざとらしい咳き込みで誤魔化したけど、何を口走りそうになったのかは見当付いた。

 要は扱い慣れてなかったと…そう言いたかったんだろうね。

 

 確かに今のカナちゃんのそれは…うん、控えめ。

 …スットンまな板な妹よりはマシで、胸の形が解るくらいはあるけど、その程度。

 AAとかAとか? …そんな感じ。

 

 アバター年齢設定のせいかなとも思ってたけど、スリーサイズとかバストカップの話は禁句だって事が判明。


 もちろん、やっぱ巨乳の方が好き?

 なんてド直球な質問にイエスなんて答えるのもダメ…ホントはイエスなんだけど、それは駄目。

 かと言って…目の前のそれを見て、それくらい慎ましいのが好きとか答えるのも、違う意味でアウトって気がする。


 結論、そろそろ、増援を呼ぼうっ!

 このままだと、僕が彼女の放つこのピンク色の空気で中毒死する。


 年上の女子高生…そんなのと話する機会なんてほとんど無かったけど、クラスメイトの女子を見て、その会話を近くで聞いてるだけでも、その頭の中は割とピンク色ってのは解る…彼女だって例外じゃないって事だ。

 

 けど、そんなのと二人きり…冷静に対処できるかと言われると話は別…正直、戦略的撤退を選びたい。

 

 と言うか、あいつらどこに行きたがった! 

 隣の倉庫部屋かなんかに篭って、聞き耳立ててるんじゃないだろうな?


加奈子さん、結構アグレッシブ!(笑)


と言うか、彼女は強制インドアライフ送ってるだけであって、本来割と積極的な娘です。

病弱薄幸とかそんな感じじゃないです…。

ついでに言うと、割と腐ってます。


リアルで高校生とか読んでるかどうか解りませんけど。

私が知る限り、女子高生とか言う娘達は…割とこんな調子です。

BLとかグッと来るそうな…まぁ、そんなもんです。


なお、モンドくんは年上属性かつ、巨乳属性の子です。(笑)

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