5.キャラが濃いのがデフォルトです
投稿期間が空いてしまい、すいませんでした。
楽しみにしてくださってる方がおられたら、本当に申し訳ありません。
現状と今後の予定については活動報告に詳しく書いておりますが、1~2週間に1回くらいのペースでの投稿になると思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、今日から授業がはじまるわけだけど、今日の時間割は
1時間目:算術(必須)
2時間目:ダンス
3時間目:戦略
~昼休み~
4時間目:調理
5時間目:言語(必須)
こんな感じ。
1時間目と5時間目に必須授業が入ってるあたり、大学の時間割っぽいなぁ、なんて思うわけです。
算術と言語は、日本の教育カリキュラムにあてはめると、数学と国語だね。
私の場合は教会の日曜学校で一通り学習し終えてるけど、王族・貴族の方々の場合は家庭教師による家庭学習で勉強を進めてきてるから、進捗に差異が出てくるってんで、ある程度のレベルまではアカデミーで学習することになっているみたい。
要は常識レベルの教養を身に付けるってやつだね。
で、必須ってことは同じ学年の学生は一緒に授業を受けるわけで、
「アリサ、このあとのダンスの授業は私と組まないか?」
「なに言ってんだよジェリー、アリサは俺とダンスしてそのまま戦略も俺と一緒に授業うけよーぜ!」
またこいつらである。
だからさー、お前ら婚約者いるんだろ?
婚約者そっちのけで私にかまってる場合じゃないだろ?
と、そんな感じのことをオブラートに包み切れずに、ズバズバと言ってたら
「アリサ様、おはようございます。よろしかったらこちらで一緒にいかがですか?」
カリスタちゃんきたー!!!
「何の真似だ、メイスフィールド嬢。」
「ウィルコックス嬢とボーフォード嬢まで、アリサに何しようってんだ?」
さっきまで上機嫌に話していたというのに、ジェリーもザックも一気に氷点下な空気をまとっちゃったよ。
何勝手に勘違いして私を守ろうとしてんだよ、カリスタちゃんたちは私にいじわるなんかしねーよ!
ちゅーかな、お前らがややこしいことしなきゃ、本来なら私が貴族のご令嬢方に絡まれることなんかねーんだよ、自重しろよ!!
それにしてもカリスタちゃん、ザックとテッドの婚約者の方々までお連れ下さるとは、あなたがメシアか!
「ジェレマイア殿下、おはようございます。わたくし共とアリサ様は、仲のいい友人ですの。彼女は優秀との呼び声は高いようですが、やはり貴族のしきたりなどには疎いところもおありですから、わたくしたちがサポートして学生生活を楽しんでいただきたいと思っておりますの。」
「それは必要ない。私がついていれば十分だろう。」
何言ってんだよ、あんたなんか比べもんにならんくらい、カリスタちゃんの方がいいに決まってるじゃないか、美人な上にボンキュボンなんだぞ。
「そもそも、殿下とカリスタ様は婚約なさっておいででしょ?それでしたら、私なんぞよりお二人こそご一緒に授業を受けるべきではございませんか?」
「……私はお前とかいいんだ。」
「仕方ありませんわね。それでしたら、私たちみんなで一緒に授業を受けるというのはいかがでしょう?」
実はこの流れ、昨日カリスタちゃんとお話したときに、かなり細かく打ち合わせしました。
ジェリーはジェリーなりに、王太子としての義務も解っているし、どうするのが正解かというのも知った上で、反抗期の少年らしい反発心を発揮している。
反抗期なんてもんは、押さえつければ押さえつけるほど余計に反発したくなるわけだから、どうしても外しちゃいけないところだけは押さえて、後はうまく転がすのが上策。
この婚約者たちの問題は、全員が政略結婚前提で婚約していて、相互理解が足りないことだと思うわけです。
そこに加えて、男女の精神年齢の差ってのもあって、女性陣は冷静に婚約というものを受け入れていて婚約相手との仲を深めようとしているにも関わらず、男性陣は変に反抗期らしいこじらせを発症している。
そこに私という要素を加えることで、乙女ゲーシチュエーションの完成。
だったら、まずは理解を深めるところから始めるべきですよね。ってことで、私はグループ交際から始めることをカリスタちゃんに勧めました。
「アリサがそれでいいなら……」
王太子は陥落、これは予想通り。
「えー、オレはアリサと二人がいいんだけどなー」
頭の後ろで手を組みながら、不満を前面に押だす脳筋に
「それでしたら、そんなザック様とアリサ様を見守りますわぁ」
と目をハートにして、語るウィルコックス嬢こと、ジリアン=ウィルコックス。
彼女は12歳という年齢を差し引いても、とても小柄でかわいらしい、小動物系の女の子である。
栗色の巻き毛に、同じく栗色の瞳、顔のつくりも全体的にかわいらしく、見た目だけなら守ってあげたくなるタイプの女の子。
しかし内実は、誰よりも精神年齢が高くオカン系のキャラ……という設定だったはずなんだけど、現実はちょっと不思議ちゃん?
なんか、ザックと一緒にいる私を見て目をキラキラさせてるんだけど、何これどういうこと??
この子のこと理解できなすぎて、ちょっと怖い。
「あらあら、ジリーったら。相変わらずザックが何をしていても、素敵に見える病気なのね」
と、ため息交じりに語るのは、ここにはいないテッドの婚約者であるマージェリー=ボーフォード。
堅実という概念を人間にしたら、こんな感じになるんじゃないかなぁって思わせる、美人なんだけど華やかな美人ではなくて、一緒にいると落ち着くタイプの美人さん。
ストロベリーブロンド……というよりは、赤みのあるブロンドに森のように落ち着いた緑の瞳で、年齢の割にとても落ち着いた印象の彼女は、なんとなく考えも行動も読めないタイプな気がする、というか絶対にこの子きれるタイプの人間だよ。
なんでこうも私の周りには、一癖も二癖もあるタイプが集まるんだ。
こうなったら私の心のオアシスはカリスタちゃんだけ、彼女を何がなんでも幸せにしてみせますとも!!