表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

プロローグ

 ある朝目覚めたら異世界に転移してた……なんて小説があちこちにある。

 自他ともに認めるオタクである私が、そういう小説を読んでいないはずもなく、書店に並んでいるものからWEB小説まで、幅広くいろんなものを読んだ。

 特に乙女ゲーの世界に悪役令嬢として生まれ変わる、なんてのは大好物だった。

 もし願いがかなうのであれば、私も悪役令嬢に生まれ変わってヒロインざまぁ!としたかった口である。

 だいたいが、ヒロインが恋愛を成就したところで、その後の生活を考えてみたら、どうなるかなんてお察しなのである。

 王太子に愛される庶民ヒロイン、その後絶対立場的に大変な目にあって、よくて鬱、下手したら鬱こじらせて自殺ルートでしょ。

 ありえんくらい金持ちの跡取り息子に愛される庶民ヒロイン、そんなもん家に入れるようなご家庭はせいぜい成金だけだ。価値観が違い過ぎて、結婚するまでもつとは思えない。こっちもうまく結婚式までいっても、鬱ルートだな。

 世の中そんなに甘くないのである。

 なのにそういった乙女ゲーがあるのは、所詮はフィクションだからである。後の世界を描写する必要もなく、結ばれたところでめでたしめでたしで終わるのだから、きれいにまとめておしまい。

 それなのにだ……



 昨晩、間違いなく自分のベッドに入ったんです。

 ちょっと親が奮発してくれた-15万ほどしたらしい-とても寝心地のいい、お気に入りのベッド。

 女の子らしくないといわれても、ブラックウォッチのテキスタイルで統一したベッドリネンは、肌触り重視のダブルガーゼで自作したものだ。

 パジャマだって、自分でオーダーして作った生地で作った一品ものだった。学生には少々手痛い出費だったが、1mで3460円だったらブランド物のテキスタイルよりは安い。

 ギリギリの要尺でプリント発注したから、失敗は許されない戦いだったけど、私は見事作り上げたんだよ!

 私は寝ることに全精力をかけて生きているのだ、妥協は許さない。

 そんな私の睡眠ライフに、なぜこんなことがおきた?

 ベッドは変に固い、シーツもベッドカバーもなんかごわごわしてる、寝間着はそれなりに柔らかくて気持ちいい生地だけど、パジャマじゃなくてネグリジェ。

 あと私の知ってる天井じゃない。

 ここはどこなんでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ