登場人物+用語集
ここまでの登場人物と用語集です。読まなくても支障はありませんので、名前が分からなくなった時などにどうぞ。
登場人物
◆鳴神家
・鳴神ひなた
本作主人公。現代日本からの転生者で、日本でも屈指の剣の名門である鳴神家の次女。
魔力が殆どない特異体質で、魔術が使えない代わりにある程度の魔術を無効化することができる。
剣術が得意で、それ以上に体力とその回復力が凄まじい。
基本的に直感で生きており、論理的にも考えることは出来るがあまり得意ではない。
将来の夢は千鶴姫の騎士になること。
中等部に入って、陣が好きだと自覚した。
・鳴神黎一
ひなたの二つ上の兄で黎名と双子。幼少期は泣き虫で黎名と比べると気が弱かったが、成長するにつれ心優しくもしっかりとした青年になる。剣はあまり好きではないが、チェスなどの戦略ゲームが得意。
成人と同時に千鶴姫と婚約を果たす。
・鳴神黎名
ひなたの姉で黎一の双子の兄妹。ほわほわとした明るい性格だが、自分の意志をしっかりと持っており、思ったことを素直に言う。剣は好きだが職業にしたいとは思っておらず、家を継ぐべく鳴神家では異例の経営学科への道を選ぶ。
陣を可愛がっており、やたらとひなたとくっつけようとしている。
よくパソコンで『ヒナタ』というハンドルネームの相手とチャットをする。
・鳴神史郎
ひなたの父親で顔が怖い。剣術は達人級で顔が怖い。真面目一辺倒で融通が利かない。
あまり感情を表に出すことはなく、その所為で色々と誤解されることが多い。
学生時代から現国王に仕えたいと心に決めていたが、桜将軍になる直前に父と兄が亡くなり家を継がざるを得なくなった。
ひなたに騎士の夢を託す。
・鳴神沙良
ひなたの母。子供達を溺愛しており、いつもビデオカメラを回している。学生時代は史郎と並ぶ剣の使い手で見た目とのギャップで周囲を驚かせていた。
口癖は「可愛い」で、史郎のことも可愛いと発言している。
◆不知火家
・不知火優一
現不知火本家の当主で、史郎と友人。物腰柔らかで穏やかそうな外見だが、何を考えているか分からないとよく評される。
魔術に関しては非常に博識で、当主としても優秀な人物。
親馬鹿で構いたがりな所為か、陣には反抗期を迎えられている。
・不知火司
不知火の長男。ひなた達の五つ上で、現在は学園を卒業し研究職に就いている。とんでもない超美形。冷たそうな無表情をしており基本的に家族以外の人間には興味を持たないが、何故かひなたには親切。反対に黎一にはそっけなく、やや敵意を抱いている。
魔道具を作るのが趣味で魔力制御も得意な為、次期当主としても非常に期待されている。
最近陣に身長を抜かれそうになっている。
・不知火陣
不知火家の次男でひなたの相棒。魔力の高さは歴代当主と比較してもずば抜けており、今まで魔力切れを起こしたことがない。だがその性質から幼い時は魔力制御が出来ておらず魔力暴走を何度も引き起こして自他共に危険な状況だった。制御が出来るようになってもある時まで殆ど外で魔術を使おうとしなかった。
目付きが悪く、あまり人付き合いが得意ではない。が、心を開いた人間には割と遠慮なくものを言う。また意外と負けず嫌いで、自分の得意分野では誰にも負けたくない。
・佐伯光太郎
不知火家の運転手兼、執事兼、家事担当。有能であるがゆえに多量の仕事を任されており、苦労性。見た目は二十代から三十代だが、実はずっと年上である。
不知火の分家生まれで、昔は優一の兄的な存在だった。
趣味は競馬と料理だが、時々恐ろしい劇物を作り出す。実は壊滅的な味覚音痴で、何でもおいしいと感じてしまう為自分で判断が出来ない。
◆初等部
・時森恭子
中小企業の社長令嬢だが、本人は成金だと謙遜している。明るくミーハーで情報には敏く、中等部からは経営学科に所属している。可愛らしい容姿をしており玉の輿という名の逆境的な恋愛をしたいと考えていた。しかし昴に一目惚れし更にそのまま付き合うことになった為、順調すぎて少々不安になっている。
お化け屋敷や暗い所は苦手だが、三半規管が強いのか絶叫系や回転系は大好き。
・藤原大吾郎
華道の家元の三男。祖父から付けられた名前を気に入っておらず、名前で呼ばれるのを嫌う。初等部の頃は一々名前を呼ばれる度に訂正していたが、最近は諦めつつある。
人との距離の取り方が絶妙で、お節介焼きだがそれを不快に感じさせない稀有な人物。相談を持ちかけられることが多く、周囲からは兄貴分に見られている。
華道はあまり好きではないが花自体は好きで、自ら花を育てるのが趣味。
◆中等部
・藍川昴
中等部から華桜学園へ入学した特待生。座学はそれなりだが魔術、剣術共に実技で優秀な成績を残している。明るくてちょっとがさつなムードメーカー。恭子にアタックされて付き合い始める。
以前より何者かに命を狙われており、現在は不知火家に居候している。母親が殺されてから守ってくれた騎士に憧れて騎士科に入ることになった。
実は魔物と意思疎通を図ることができ、りんは彼のペット。特技は周囲の魔力を感知すること。
・ミネルバ・ブラッドレイ
イギリスからの留学生。幼い頃に日本を訪れひなたの初めての友人になった。後にイギリスへ戻るが、家庭環境に耐え切れず父の出した条件をクリアする形で日本へ戻ってきた。
容姿は父親似でハーフだが完全に日本人離れした顔立ち。性格は意地っ張りで、周囲からはプライドが高いと思われがちだが、本来は大人しく優しい性格。
みーちゃんと呼ばれるのを許しているのはひなたと祖母だけで、彼女自身も心の中ではひなたのことをひーちゃんと呼んでいる。
・佐々木要
一応初等部はクラスメイトで、入学したての頃に魔術が使えないひなたを馬鹿にしてぶっ飛ばされている。魔術科に所属しており、術式を考えることが好きでよく細かい応用を聞かせて小技を編み出している。
騎士科との合同授業では昴とペアを組んでいる。
・りん
フェレットの見た目をした小さな魔物。サイズはジャンガリアンハムスター。昴のペットで、故郷からこっそり荷物に紛れて着いてきた。好物のりんごから名前が付けられた。
学習能力もあり、魔力に関しては理解が深く、人間も個人個人の魔力の質で区別している。
◆王族
・桜宮千鶴
唯一の現国王直系の姫。長い黒髪で日本人形のような美しい容姿だが、愛嬌のある笑顔で国民に人気が高い。初等部の頃から黎一が好きだったが、顔に出やすく周囲にはバレバレだった。成人と同時に彼との婚約を発表した。
ひなたがある意味一目惚れした相手であり、彼女も黎一の妹ということを抜きにしても可愛がっている。
・桜宮晴之
現国王で千鶴の父親。第二王子であった頃から史郎と仲がよかった。
・桜宮明成
晴之の兄で前国王。一年だけ王位に就いたものの、その後病死している。
・桜宮幸一
二代前の国王で明成と晴之の父親。
用語
・魔術
人間なら誰しも多かれ少なかれ体内にある魔力を使い、それを形を定めて外へ放出する技術。平安時代に発見された。魔術は魔力を通して伝えられる為、体に殆ど魔力が備わっていないひなたなどはほぼ魔術の影響を受けることはない。
逆に魔力が膨大な陣などは魔術で与える影響は大きいものの、魔術で攻撃されれば絶大な影響力を受けることになる。
身体強化魔術や治療魔術などは、人体に直接影響を及ぼすものであるため専用の資格がなければ使用は禁止されている。
・魔物
魔力が多く溜まる場所で自然発生する自我を持った魔力の塊。魔力の集合体という意味では幽霊にも近く、しかしその膨大な魔力から自然消滅することはない。形は定まっておらず、基本的に傍に生息する動物の形や生態系を真似た姿をしていることが多い。
生息地を離れることはあまりないが、時々傍の市街地に降りて人を襲うこともある。
・桜将軍
王族一人に付き騎士と魔術師が1人ずつ着任する専属護衛の通称。着任期間は基本的に五年から十年程で、そのまま継続することもある。国内屈指の実力者しかなることが出来ず、騎士と魔術師の連携がとても重視されている。
鳴神家と不知火家は今まで何人も桜将軍を輩出してきた。
・王立華桜学園
国内随一の名門校。初等部から高等部まであり、中等部からは騎士科、魔術科、経営学科、政治学科、教育学科、医療学科の六つの学科に分かれている。
王族も通うほど格式が高く、この学園を卒業すれば将来が約束されるとも言われている。しかしレベルも非常に高く、特に騎士科や魔術科、政治学科など国の中枢に関わる学科は学園内でも難関と恐れられている。実際に途中で学科を異動する生徒も多い。
五年に一度、運動会の後に国王杯という騎士科と魔術科の生徒によるトーナメント戦が開催されている。




