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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第67話 シゴデキOLの日常

第1話直後からの話

『勇者ハルト。世界を旅し、世界を知り、世界を愛してください。そして魔王を倒し世界を救ってください。』


ハルトが地上へ転送されたことを確認したライラはふーっと大きなため息をついた。


「あーー!終わったーーー!もう!あの勇者!神剣を使っているのにプラーナを込められるようになるまでどれだけ時間かかってるのよ!御使いモードは疲れるのにぃ!もう!」


ハルトと対峙していた時の神々しさは一瞬で消え去り、髪をバサバサとかき乱して疲れを叫ぶライラ。それはまるで仕事に疲れ切ったOLのようだった。


『オ疲れ様です。ライラ様。ズワース様に報告にし参りますカ?』


「あー・・・あー・・・想定時間はどれくらいだっけ?」


『175時間デス。』


「えーー!?一週間!?なんでそんなにかかるのよ!」


『前回、ライラ様が勇者の魂と肉体の仕様についての説明ヲ行わず、後回しにしたためデス。』


「く~~!過去の私!憎い!過去の私が憎い!」


サポートロボットのヘパーがこの後の予定を確認しに来たが、ライラは上司であるズワースへの報告時間を考えると、もう何もしたくなくなってしまった。


「決めた!今日はもう休む!だって私頑張ったもん!あの勇者に世界の説明もしたし、プラーナの使い方も教えた!しかも御使いモードでだよ?私はもう疲れ切ったの。ズワース様に報告なんて無理だよ。もー無理!」


『承知しましタ。では明日から報告内容の整理ヲ開始しまス。想定時間は72時間デス。』


「わかったわよー。あ!でも報告書作ったとはもう一日休むからね!その後にズワース様に報告するから、その予定でズワース様の予定をロックしておいて。報告書の項目ピックアップを事前にお願いね。」


『レディ』


ヘパーは了解とばかりに指示された内容を実行する準備にかかった。


ヘパーに指示を出したライラは自室に戻り、御使いモードで来ていた服を放り投げ、お気に入りのスウェットに着替える。パステルカラーでふわふわの可愛らしい部屋着である。そして冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出し、テレビモニタを付けバラエティ番組を視聴し始めた。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

その後、ライラは無事にズワースへの報告を終えて、日常業務に戻る。世界を循環するプラーナの数値に異常がないか。生態系が壊れるような兆候がないかなど、世界中の情報をチェックする。そんな日常を過ごすうちにライラはハルトのことを忘れていった。


ハルトが転生してからしばらくして、ヘパーから報告が入る。


『勇者が神託の巫女と接触しましタ。』


「あー、もうそんな時期。何か想定外のことは起きているかしら?」


『想定通り魔王討伐の旅に同行するようデス。』


「おっけー。どれどれ?うぇ、見なければよかった。なにあの甘酸っぱいボーイミーツガールは。じゃー、予定通り巫女の報告はデイリーでチェックしておいてね。何か異常が発生した時だけ教えて。」


『レディ』


天界にはズワースとライラしか住んでいない。サポート用のロボットが数体いるだけである。そのため異性との出会いなど全くないライラはハルトとエヴァンシアが出会ったシーンを見て嫌気がさした。今日もビールがうまいだろう。


それからまたしばらくしてヘパーから報告を受ける。


『勇者が魔獣グリフォンと遭遇したようです。』


「え!?ちょっと!まだ1年も経ってないでしょ?ヤバいじゃない!まさか勇者が死んだ?」


『イエ、巫女の報告によるとグリフォンは勇者の魔法に恐れをなして逃げていったようデス。』


「あら!あのへっぽこ勇者もやるじゃない。前回の勇者と比べて戦闘能力も学習能力もずいぶん低いから失敗だったかなーって思ってたけど安心したわ。また何かあったら教えてね。」


その後もライラは世界のチェックを日常業務として行い、極力ズワースへの報告は避け、ビールを飲み、バラエティ番組を視聴する日々を過ごしていた。そんなある日、ヘパーから想像もしていなかった緊急報告を受ける。


『ライラ様、緊急事態が発生しましタ。勇者が魔王に敗北しましタ。』


「は!?ど、どういうこと?え?待って、勇者を転生させてからどれくらい経ったっけ?」


『370日デス。』


「い、一年しか経ってないじゃない!なんでもう魔王と戦ってるのよ!前の勇者だって5年かけて倒したのよ。どういうことよ・・・。し、死んだの?」


『詳細不明デス。』


「え?どういうこと?生死も不明ってこと?」


『マーキングが消えたため追えなくなりましタ。』


「マーキングってどこに着けてたっけ?」


『左目デス。』


「あー、魔眼と一緒に仕込んだんだっけ。ん?ってことは左目を失ったのはほぼ確実として、その後に命を落としたかは不明ってこと?」


『ソノ通りデス。』


「ううう・・・ログを確認するわ。用意して。」


『レディ』


その後、ハルトが地上に降りてからの様子を映像でチェックするライラ。最初に遭遇した行商人のコスタスとのやり取りを見る。


「はぁ!?コイツ商人を見捨てて一人で街に向かったわよ?」


『モンスターは倒したようデスが?』


「いやいや、馬がいなくなって困っているじゃない。マジなんなのコイツ・・・。」


その後も人間関係のトラブルや増長しての失敗などのログを確認するうちにライラの顔色はどんどん悪くなっていった。


「コイツ、前世は日本人だったわよね?なんでこんなに思いやりも親切心もないわけ?日本人って礼儀正しくて思いやりがあって勤勉な種族じゃなかった?」


『個人差がアリマス。』


「前の勇者はそうだったじゃない!しかも剣の腕もたったし、物覚えも良い。この世界に対しても真剣に考えてくれたじゃない!」


『個人差がアリマス。』


(このクソBot!)


『ライラ様の言う通り、エカムの、地球の日本人は比較的善良な傾向にアリマスガ、全員ではアリマセンし、環境や状況によっても異なりマス。』


「わかってるわよ!正論はいらないわ!魂の調整と肉体の生成は前の勇者をベースにしたはずなのに・・・。」


『あくまでプラーナの許容量と肉体の強度・成長速度の数値を合わせたダケでは?』


「くそっ!そうだったわ。人格なんて考えてもなかった・・・。日本人ならやってくれるって思ったのに!」


ライラの悲愴な叫びがこだました。

ライラのストレスが想定以上に溜まっていたため2分割になりました。


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