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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第55話 勇者集合

物資を輸送する商人と共に北野前線砦に向かうハルトたち。道中でモンスターに襲われることも無く、予定通り4日かけて砦にたどり着く。砦では勇者選抜でハルトと戦ったスタヴロスと、彼と同じ勇者第三席のリュコスがハルトたちを向かい入れる。


「ハルト殿久しぶりだな。よく来てくれた。」


「んー、あぁよろしく頼む。」


(久しぶりって言われてもな。1回戦っただけで別に話をしたわけでもないし、顔見知り程度なんだよなぁ。距離感に困るぜ。)


ハルトがスタヴロスとリュコスに対して人見知りを発揮していると、彼の後ろからレーヴェルが声を上げる。


「スタヴロス殿、お久しぶりです。覚えてらっしゃいますか。レーヴェルです。」


「おお!レーヴェル!随分久しいな。何年振りか。ハルト殿と一緒にいるということは・・・」


「はい。今はハルトと共に魔王討伐の旅をしております。またスタヴロス殿にお会いできて光栄です。後ほど一手お願いしたいところであります!」


「はっはっは!レーヴェルは変わらんな!」


「はい!私は剣のために生きておりますから!そちらは勇者リュコス殿とお見受けする。ぜひ あなたともお手合わせいただきたい!」


「剣士として逃げるわけにはいきませんね。ハルトさんのパーティとなれば相当の腕とお見受けします。こちらこそぜひお願いします。」


なにやら戦闘狂たちは意気投合しているようなので、ハルトは彼らの対応をレーヴェルに任せることにする。


「で、モンスターの数は分かってるのか?」


「うむ、その辺も含めて情報共有と対策を考えたい。指揮所に来てもらおう。」


スタヴロスに案内されて砦の指揮所に向かう。指揮所は30人は入れるくらいの大きな会議室と言った部屋になっていた。指揮所には鎧を着た王国軍の指揮官らしき者や傭兵たちが待っていた。


「君たちが勇者ハルトと一行か。儂は王国軍北方方面司令官のクレザーだ。増援感謝する。座ってくれたまえ。」


軍人の中で一番豪華な階級所のようなものを鎧に着けている40代くらいの厳つい男性が司令官のようだった。スタヴロスはクレザーの横に座る。リュコスは騎士と魔導士たちの隣に座った。ハルトたちも空いている席に着席する。


クレザーはエヴァンシアを見て少し考えたような表情をした後、隣に座るソーシエラを見たが、ソーシエラは首をわずかに振って、気にしないようにと合図をする。クレザーはその意図を察して頷き、状況説明を副官に促す。


現在、砦の北方に存在する森の奥にモンスターが集まりつつあるらしい。斥候の報告によると現在もモンスターは数を増やしながら砦に向かって移動している。その数は5,000体ほどになるであろうとの予測が立っている。最初にグレイドッグやホーンボアと言った獣型のモンスター、そしてグレイウルフやシャドウウルフと言った上位種。その次にゴブリンの大部隊。ゴブリン100体程度にソルジャーが1体ついており、かなり統率が取れているようだ。更にその奥にはギガースゴブリン、牛の巨人ミノス、真なる巨人とされるギガンテスなどの1体でも脅威となるモンスターが500体以上集まっているとのこと。


「これは・・・想像以上の脅威度のようですね。」


ソーシエラがつぶやく。


「宮廷魔導士殿の言う通りだ。更に悪いことにハーピーやヒポグリフなどの飛行モンスターも確認されている。」


「5,000体って言ったって、こっちは500人だろ。一人10体倒せば良いだけじゃねぇのか?」


「モンスターが1体ずつ決闘のようにやってきてくれれば、ハルトの言う通りにゃ。」


「同時に来られたら数に飲み込まれてしまうな。」


ミーアとレーヴェルの言葉を聞いて、ハンッと不機嫌そうに鼻息を鳴らすハルト。


「森を出る前に削れないのですか?」


リュコスが質問をする。


「下手に攻撃を仕掛けて暴走されても困る。現状では砦での防衛戦を基軸に考えている。」


「いくらなんでも数の差がありすぎませんか?砦が持たないのでは?」


リュコスの隣に座っている魔導士が追加で質問を加える。


「そのために君たちの意見も聞きたいところだ。」


「モンスターを統率している存在・・・魔王軍の士官などはいないのですか?指揮官さえ倒せば烏合の衆と化すのではないでしょうか?」


リュコスが更に意見する。


「現在、そのような存在は確認できていない。過去には何度か情報にないモンスター・・・いや魔王軍思われる魔物のような存在を見かけたことがあるが、今回は全く見つかっていない。最後尾は巨人系のモンスターだけのようなのだ。」


ハルトはミーアにそっと耳打ちする。


「これ、相当ヤバいんじゃねぇか?」


「ソーシエラの策に期待だにゃ。」


そう言えばそうだったとハルトは思い出す。そしてソーシエラを見ると、ソーシエラはハルトの視線に気付き頷いて話し始めた。


「儀式魔法による殲滅を提案いたします。」


「儀式魔法とは?」


「皆さんのプラーナを使って強大な攻撃魔法を発動します。ワタシの計算ではほとんどのモンスターを殲滅できるはずです。」


「ソーシエラさん、実績のない魔法に頼るのは危険では?」


「発動実験は終わっているわ。制御の理論も確立している。エヴァ様のプラーナを使えば威力も保証できる。」


「いくら三席のソーシエラさんでも制御しきれないでしょ?」


「だからアンタがいるんじゃない。ブランジ。宮廷魔導士第十席ならそのくらいできるでしょう?」


「上位席は横暴だから嫌なんだよ・・・」


ブランジと呼ばれた魔導士は嫌そうな顔をしながらボソッとつぶやいた。


「ソーシエラ殿。皆さんと言ったが、我々は魔法こそ使えはするものの、ほとんどが第一節を発動できる程度に過ぎない。その儀式魔法など使えるとは思えないが?」


「皆さん自身が魔法を発動する必要はありません。プラーナを使わせていただくだけです。そうですね、魔法の適性がある方ならどなたでもいいので200名ほどお借りできますか?」


「その者たちは前線に立てない訳だな?」


スタヴロスが懸念気に質問する。


「はい。砦内に留まっていただきます。輜重隊の方など戦闘員でなくて構いませんよ。」


「それなら何とかなりそうだな。」


前衛戦士として優秀な者たちで砦の前でモンスターを押し留めつつ、ソーシエラの儀式魔法で多数を殲滅する作戦が決まった。

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