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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第52話 ケモナーはどこにでもいる

グリフォンというイレギュラーはあったが、翌日には下山を開始し、麓村に到着するハルトたち。ヒポグリフの数が減っているはずだということを伝えると村人たちはたいそう喜び、明日から交易が再開されることになったようだ。


ハルトたちは空き家を借りて一泊した後、次の都市アンフィクリアへ向かって出発。3日かけて無事に到着した。


「結構栄えてるんだな。」


「ここから北は大きな都市はないぞ。ここが最後だ。」


「北は魔族軍との最前線ですからね。いくつかの集落や軍の拠点はありますが、都市機能を持つ場所はありません。」


「ふーん、だから傭兵やら軍人も多いのか。」


「交代でこの街で休暇を取ってるって話にゃ。だからここはご飯とお酒が美味しいにゃ。」


「味噌や醤油はあるかな。」


「あの店が出店しているかは知らないにゃ。レーヴェルは変わった調味料を使った料理や芋を原料にしたお酒を出す酒場か屋台があるか知ってるにゃ?」


「うーん、記憶にはないな。」


「ハルト様のお好みの味ですの?」


「好みって言うか・・・まぁそうだな。元の世界の味に似てるんだよ。王都やコリンにあったんだよな。」


「それは是非食してみたいですわ!」


少しだけ懐かしいような寂しいような気持ちになったハルトだったが、いつも通り元気なエヴァンシアの声にそんな思いは掻き消えていった。


「まずは宿と傭兵組合への連絡にゃ。組合の方はレーヴェルに任せても良いにゃ?あちしは宿を取って来るにゃ。」


「あー、オレも組合に言って来るかな。エヴァとソーシエラはミーアと一緒に宿に行ってていいぜ。結構歩いたから疲れただろ。」


「あら、ハルト様がそんな優しい言葉を掛けてくださるなんて。」


「ソーシエラ。ハルト様はいつもお優しいですわよ。」


「エヴァ様にはそうですね。」


生暖かい目でエヴァンシアを見つめるソーシエラだったが、キョトンとするエヴァンシアを見て何も言うまいと思った。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

ミーアらと別れてレーヴェルと共に傭兵組合に向かうハルト。キョロキョロと何かを探すように街を見て歩く姿を見てレーヴェルは不思議に思う。


「何か気になるところがあるのか?」


「え?あぁいや別に大層なことじゃないんだ。最北の都市って話だからな。面白いもんでもないかなーってな。」


「ふむ、そんなものか?とは言え王都のように娯楽施設がたくさんある訳ではないぞ。前線まで距離があるとはいえ、王都などと比べると魔王軍の脅威がすぐそこにあるのだからな。」


「まぁそうか。」


(でもだからこそあれがある気がするんだよな。)


変わらず何かを探すように歩くハルトを連れてレーヴェルは傭兵組合で到着の連絡を行う。北の前線はでもモンスターの数が増えていて軍や傭兵の消耗が少しずつ大きくなってきているとのことだった。旅をしているハルトとリュコスの二人の勇者に増援に向かうよう国から依頼が入るかもしれないので、しばらくこの街に留まって欲しいと頼まれる。


「ならばいっそ前線に向かってしまうのも手ではないか?」


「組合としては・・・」


レーヴェルの返しに受付嬢が言いづらそうな雰囲気を出す。


「まぁレーヴェル焦るなよ。この辺の交渉はミーアにやってもらった方が良いさ。組合にも都合があるだろうしな。」


ハルトの言葉にペコペコと頭を下げる受付嬢。依頼として受ける方が色々と都合が良いのはお互いそうだろうと察したハルトは気にするなと返して、宿が決まったら伝えに来ることを約束し組合を出る。


「さて、どこで宿を取ったかな。」


「宿場街に向かえばわかるだろうさ。彼女たちは目立つしな。」


「そう言えば獣人ってあまりいないよな。」


「獣人・・・猫人や犬人のような者たちのことか?」


「あ、やっぱり犬はいるんだな。そうそう、耳とか尻尾とかが特徴的な人たちのことだ。」


「彼らはここからかなり西に行った土地に住んでいる種族だ。ミーアのような猫人の他に犬人、兎人がいるな。体の一部が動物のような姿のため、昔はモンスターの仲間ではないかと迫害されていたらしい。」


「あー、そーゆーアレね・・・。」


「100年以上前のことだが、とある貴族の令嬢が彼らは我々普人と同じ人間でモンスターとは関係がないと保護活動を始めた。何と言ったか、確かレイ・ワノゥケ・モナだったかな。そんな名前の団体を作ってアイトリア王国全土で人権運動を行った末に、今のように差別なく暮らせるようになったらしいぞ。」


「変な名前の団体だな。」


「そうだな。由来はよくわからん。だが団体名の他にも特徴があって、同じ志で集まった仲間たちのことを男性はニキ、女性はネキと親しみを込めて呼ぶのだそうだ。」


レーヴェルの説明を聞いてハルトはブッっと噴き出した。


「おいおい・・・それってまさか・・・。」


「ん?知っているのか?」


「いや・・そんな訳ないか。100年以上前にそんな言葉はなかったはずだし。しかしこの世界にもケモミミ好きがいたってことなのかね。」


「そう言えば、リーダーだった貴族令嬢と言うのはハルトが勇者選抜で戦ったニコルスの実家であるグラームス公爵家だぞ。何代か前の公爵の6女だったはずだ。」


「げっ!あのキザ貴族の実家かよ!」


この世界でも世の中は狭いんだなと思ったハルトだった。

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