第44話 ガールズ?トーク再び
(にゃんか失礼なことを考えているヤツがいるにゃ・・・)
(女性に対して失礼な方がいるようですね。ノンデリが!)
ミーアとソーシエラは二人で街の酒場に来ていた。ハルト一行は1か月の旅を経て北の都市バーテイに到達している。次の目的地はヒポグリフが生息するというパルナソス山のふもと町デルッポ。デルッポまでは更に1か月かかる予定であるが、途中の行商馬車の護衛ができれば若干旅程を短くすることが出来る。何より歩く距離を減らせるのは非常に魅力的であった。
次の行商が出発するまで1週間の時間があるためしばらくバーテイに滞在している。そんな中でミーアはソーシエラを誘い二人でゆっくり話すことにした。ハルトとエヴァンシアは宿で留守番である。
「そう、それでワタシに話があるのでしょう?」
「察しが良くて助かるにゃ。この先の関係を考えて腹の探り合いはやめるにゃ。率直に聞くけど、ソーシエラは何の目的でハルトについてきたにゃ?」
「ワタシ、“は”と言うことはミーアも目的がありそうですね。」
先ほど運ばれてきた魚のムニエルを一口大にナイフで切り、あぐっと口に入れたミーアはさらりと答えた。
「あちしはお金にゃ。」
「あら、あっさり話しますね。」
「腹割って話すと言ったにゃ。こちらからカードを切らにゃいとフェアじゃないにゃ。」
「ふふっ、想像よりやり手ですね。良いでしょう。ワタシは名声です。今のままではこれ以上上に行くことはできません。勇者と一緒に魔王を討伐したとなれば、ワタシが宮廷魔導士第一席になることを止められる者はおりません。」
「なるほどにゃ。やっぱり女に宮廷での出世は厳しいってことかにゃ?」
「想像の通りです。才能と努力で進めるところには限界がありました。ワタシより劣っている人間が上にいるなど・・・耐えられませんから。
ミーアはわかりやすくお金・・・ということですが支度金程度の話ではなさそうですね。」
「当然にゃ。まぁでも環境はソーシエラと同じかもしれないにゃ。商売は大店がほとんど押さえちゃってるし、そいつらは貴族としか結婚する気はにゃい。よくても愛人どまりにゃ。かといって傭兵で一攫千金というのも難しいにゃ。一生遊んで暮らせるだけの価値がある魔石を落とすモンスターなんて伝説級のヤバイやつしかいにゃいし、数を狩るにも限度があるにゃ。平民が金持ちになるのは難しい世の中にゃ。特に女は、にゃ。」
「そうでしたか・・・。しかしハルト様と一緒にいればミーアが望むお金が稼げますか?魔王討伐は命がけになるでしょうし、リスクにリターンが見合うとは思えませんが?」
「ソーシエラもこの一か月でハルトの強さは見たはずにゃ。魔法は一撃必殺。神剣の効果が絶大。ハルト自身の強さもそうとうなもの。普通の人間には到達できない強さになっていると思うにゃ。」
「そうですね・・・ただ魔王の恐ろしさは誰にもわかりませんよ?500年前に討伐されたはずが復活なんて・・・。魔王が討伐されてから魔族や魔獣の出現もほとんどなくなって、当時の恐ろしさを知る人ももういません。魔王の手下の魔獣たちはモンスターとは比較にならない恐ろしさだったと言われていますよ?」
「ハルトでダメなら今の人類で対抗できる人間はいないにゃ。そん時は逃げるだけにゃ。」
「そうですか。思いのほかハルト様を買ってらっしゃることは理解しました。あなたの能力は旅に必要ですし、共に行くことに異論はありません。」
「それはありがたいにゃ。お貴族様は平民と一緒に旅をしたくにゃいかと思って、少し心配していたにゃ。」
「貴族と言っても色々いますからね。ワタシの目的を達成するために有用ならそれで良いのですから。」
「じゃあ先輩としてアドバイスにゃ。ハルトとは寝ておいた方がいいにゃ。あの子はそういった繋がりを切れないタイプだから、つなぎ留めておくネタは多く持っておいた方が良いにゃ。」
ミーアの発言にソーシエラは一瞬目を見開き、酒を飲む手を止める。酒の入った杯をテーブルに置き、その水面をしばらく見つめた後に口を開いた。
「独占欲はなさそうですね・・・。」
「そりゃそうにゃ。目的は勇者の妻じゃにゃいからね。まーハルトは相当女好きみたいだから、こっちでコントロールできるようにしておかないと事故が起こりそうなのもあって、そうしているのもあるにゃ。」
「うーん、ワタシは良いとして、エヴァ様は大丈夫ですか?」
「ハルトってエヴァ様を異常なまでに子ども扱いするにゃ。よくわかんにゃいけど、ハルトの生きていた世界では大人が子供を守るっていう文化だったみたいにゃ。ただ、エヴァ様も年頃だからちょっと可哀そうにゃ。」
「そうでしたか。確かにエヴァ様に対する態度はワタシたちや他の女性に対するものと異なりますね。ワタシの胸はチラチラ見ていますので、女好きなのは知っていましたが・・・。まぁそうであれば安心です。ぽっと出の女に持って行かれても癪ですし、ワタシもお相手しておきましょうか。」
「助かるにゃ。若さもあってか異常に体力があるから あちしもちょっと疲れるにゃ。」
「それが本音ですか。」
呆れたようにソーシエラがミーアを見る。だが、言葉とは裏腹に利害が一致した対等な相手として認識したようである。
「あちしがしっかり鍛えてあるからかなり上手になったにゃ。そこは楽しみにしておいていいにゃ。」
ソーシエラは「あらまぁ。」とつぶやきながら舌で唇をぺろりと舐めた。
冒頭で二人がヘイトを向けているのはタイトルに対してです。
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