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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第4話 辺境都市コリン

ファンタジー定番の辺境都市

ハルトは上機嫌で街道を歩いていた。


(チート魔法と剣、最高だな。だけどステータスやスキル、レベルなんかが無いのはイマイチなんだよなぁ。神とやらも、もっとゲームっぽく世界を作ってくれれば分かりやすく無双できたってのによ。定量的な可視化は大事だぜ、可視化はよぉ。)


ハルトは神がくれた魔法や剣、肉体と言った能力には満足していたが、世界の設定については不満があった。意識高い系の若者のように「定量」だの「可視化」だの上から目線で独り言ちていた。


(あのオッサンは一刻とかいっていたから、一時間くらいで街に着くのか?生前だったら一時間も歩くと足がパンパンになっていた気がするが、この体は全然疲れないな。)


ハルトはライラから16歳の肉体に転生をしてもらっていた。この世界では肉体は18歳~25歳くらいで全盛期を迎えるらしく、3年から5年ほどの旅を経て魔王討伐に至る前提で、最も強くなる時期に魔王と対峙できるようにしているらしい。


ライラからは、世界を旅して その目でこの世界を見て、この世界に生きる人と触れ合って世界を心から救いたいと思って欲しい。その旅の中で剣や魔法をよりうまく操れるよう鍛錬し、魔王を討伐できるほどの力を身に着けるように。と言われていた。


(レベルがないから、どれだけ強くなれば良いのか目安が分からんな。昔流行ったRPGなら50くらいまでレベルを上げれば表のボスは倒せたりするんだけど。まぁモンスターは雑魚っぽいから修行なんてしなくても旅をしていれば大丈夫だろ。問題はパーティだな。魔王討伐の勇者と言えば強い仲間を集めて旅をするのが定番だし。せっかく転生して若い体と結構なイケメンの顔をもらったんだ。カワイイ娘を仲間にしたいもんだぜ。)


ハルトはニヤニヤしながら旅の妄想をしていたが、遠目に防壁のようなものが見えてきたため、足を止めた。


「ん?あれがコリンとかいう街か?まだ1時間歩いてないような・・・」


想像より早く到着したため、つい声に出してしまったハルトは少し気恥ずかし気に頭をかいた。ハルトがもらった肉体は想像よりも強い体なのだと認識し、独り言の恥ずかしさを振り払うように口角を上げニヤリ顔したハルトは防壁に向かって歩みを再開する。


近付くにつれて全貌が見えるようになり、防壁は街を円状にぐるりと囲っているようだった。よくあるファンタジー世界の街の様子にハルトはワクワクしながら門のような場所に向かう。


門の前には門番らしき男が二人、槍を持って立っている。入るための検査の列が連なっているようなことは無く、門を通るために待っている最中にならず者に絡まれて力を見せつけるといったイベントは発生しなさそうだ。


(ここも定番のイベントは無しか。まぁ貴族令嬢と一緒にいる訳でなし、余計な手間があるよりは良いな。)


「旅人か?身分証明書はあるか?」


そのまま素通りかと思ったが、門に近寄ると門番の一人が声を掛けてきた。


(身分証明書なんて必要なのかよ。ライラからもらった荷物の中にはなかったよな・・)


ハルトはライラから神剣の他に様々なものを貰って転生してきている。丈夫で歩きやすい革靴、軽くて動きやすいがしっかりと体を守ってくれそうな皮の胸当て。肌触りが良いわけではないが、しっかりした作りの麻のような素材の服やズボン。干し肉やタオル、替えの下着などが入った小ぶりのバックパック。後ろ腰にはナイフがあり、いくつかの硬貨が入った財布代わりの革袋。この中にはシャドウウルフを倒して手に入れた赤い石も入っている。


残念ながら身分を証明できるようなものは持っていなかった。


ハルトは覚悟を決めて門番に返答する。


「ああ、旅をしている者だ。あいにくと 遠くにある辺鄙な村から来たもんで、身分を表わすものは持っていないんだ。この街で働いて旅の資金を稼ごうと持ってここまで来た。」


ハルトは内心ドキドキしながら、挙動不審にならないよう気合を入れて立ち止まる。生前も営業やら会議の司会やらは大の苦手だった。だが、新しい世界でビクビク生きるのは嫌だったので、慣れないながらも頑張って声に出す。


「そうか。この街道を来たってことは、西の森より更に向こうか?人が住んでいる集落はあったかな。まぁいい。仕事を探しているなら傭兵組合に行くといい。身分証明書も発行しているし、宿も紹介してくれるだろう。もちろん仕事もな。」


「傭兵?戦争にでも駆り出されるのか?」


「いやいや、ここから魔王軍との前線は離れているし、戦争に参加することは無いだろうよ。もちろん希望すれば別だろうがな。斡旋している仕事の多くがモンスター討伐なので、傭兵組合と名乗っているが、雑務から商店の丁稚まで、街の仕事の多くを紹介する組合だよ。剣を下げているってことは戦えるんだろう?」


「ああ、モンスターは何匹も倒している。俺向きの仕事もありそうだな。」


「ははっ、自信があるのは結構だが街の中で面倒ごとは起こすなよ。」


「こう見えて、それなりに大人なつもりだ。ルールを破るようなことはしないさ。」


「それは良かった。では辺境都市コリンにようこそ。傭兵組合は、このまま真っすぐ行ったところにある中心広場にある。交差した二本の剣の看板が目印だよ。」


「ああ、ありがとう。」


拍子抜けするほどあっさりと門を通してもらえたハルトは、少し驚きつつも自分が堂々と話すことが出来たことに満足し、通りを歩きだした。

エンカウント:名無しの門番


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