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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第39話 旅立ち

「大変心強い方々が共に歩んでくれる。本当にありがとうございます。しかしながら・・・。」


「如何されましたハルト殿。」


「はい。まずソーシエラさんですが、魔法の専門家と言うことで非常に助かると考えています。オレがいた世界には魔法はありませんでした。そのためオレ自身、魔法について分かっていないことも多い。なので旅の中で色々と教えていただければオレ自身が強くなれるし魔王討伐に必要なことでしょう。

レオンさんの前衛としての能力も非常に力強い。ですが、前衛としての力には昨日の大会で見せた通り、オレもある程度の力があると思います。神剣の力を使えばそうそう負けることも無い。そうであるなら貴重なアイトリア王国の騎士団から戦力を割いていただくのは忍びない。」


ハルトは熱心に訴える。パンチャーに転生して初めてこれほど長くしゃべったとのではないかというぐらいに。


「むぅ・・・」


王と宰相が唸る。


(しかたないにゃあ。下手に男に入れらてハルトのやる気がそがれても面倒にゃ。もっと勇者としての実績を積んで魔王討伐後にあちしをお金に困らにゃいようにしてもらわにゃいと。)


かなりの打算ありきではあるが、ミーアはハルトを擁護する発言をする。


「あちしもハルトの意見に同意しますにゃ。そして傭兵の立場から申し上げますにゃ。魔導士は数があまりに少にゃいのでソーシエラさんに同行いただくのにお断りする理由はありませんにゃ。しかし前衛戦士に関しては騎士団ほどの実力者ではなくとも、かなりの数の戦士たちがいるので、旅の途中で優秀な戦士をスカウトすることもできましょうにゃ。万一、王都に何かあったときの要である騎士団の戦力を割いていただく必要はないと思われますにゃ。」


端的に言うと要らないと言われているレオンは何とも言えない表情を浮かべる。正直、魔王討伐の旅に出たいわけではないため、行かなくて済むならそれでいい。しかしお前は不要だと言われるのもプライドが刺激されるものがある。


そんな様子のレオンを見て騎士団長が発言する。


「王よ、お二人の言うこともごもっともかと。我が騎士団は王と民を守るためにあります。何年もかかる旅に騎士団の戦力を割くのは、万一のことを考えると必ずしも良い手ではないのかもしれませぬ。」


「そうか、団長が言うなら止むを得まい。だがハルト、ミーアよ。信頼できるものという条件があるため易いことではないだろうが、遅からず前衛を任せられるものを仲間にするが良い。前で戦えるものが二人いるといないとでは守れるものが大きく異なってくるからな。」


「かしこまりました。特にエヴァンシア王女は我が身命を賭してお守りいたします。」


(オレかっけー!こんなセリフをすらすら言えるなんて!)


ハルトが場に合わぬ妄想をしている中、何とは無しに話が決まった。そして、旅立ちは3日後となった。あまり大げさに出立式などをするのは、時勢的に合わぬと言うことでひっそりと旅立つことになったが、ハルトにとってはあまり派手にやられるのも疲れるので助かったという所。


宰相から支度金として銀貨100枚をもらい、ハルトとミーアは謁見の間を後にした。その後2日間かけて、旅支度と言うことでハルトはミーアに連れられて様々な商店をまわり買い物をする。ハルトはボロボロになってしまった革鎧を処分し、重要部分に金属を仕込ませた革鎧を購入。


(やっぱり服装は女性に選んでもらうのが一番だな。この鎧、かなり高かったけどスゲー勇者っぽくなったんじゃねぇかオレ。)


「ちょっと荷物が多いけどハルトは頑張って持つにゃ。エヴァンシア様がどのくらい荷物があるかわかんにゃいけど、全部持ってあげるにゃ?」


「野営用の毛布とかはかさばるな。できるだけ野営は避けてやれよ?王女様がいるんだから。」


「分かってるにゃ。野営は最終手段にゃ。と言うか王女様って歩けるのにゃ?ずっと馬車で旅はできないにゃ。」


「そう言えば、ただの箱入りの子供だったら旅なんて無理だよな。まぁ会ったときにでも聞いてみるか。最悪、それを理由に断ることもできるか?ちょっと気付くの遅かったけど。」


「まぁなるしかないにゃ。」


ミーアは長期不在となるため、自宅は管理組合で借家にするよう手配を行っていた。そういった手続きも全て完了し、旅支度を終えた二人は王都最後の晩餐ということで、芋焼酎らしきお酒がある店に食事に来ていた。


「ここの料理、前来た時には気付かなかったけど、オレのいた世界というか国の味付けに似てるな。コリンの屋台と同じ商会ってのは納得だぜ。」


「そうなのにゃ。ちょっと変わった味付けにゃ。ハルトが前に言っていたダイズ?を使っているにゃ?」


「大豆っていうか、大豆を使った醤油やみそっていう調味料だな。あーこの味ともしばらくお別れかぁ。よその街でも出店してくれてれば良いけどなぁ。」


「あちしも最近のことまではわからにゃいけど、他の街にはなかったにゃぁ・・・。」


そんな会話をしながら夜は更け、旅立ちの日。


エヴァンシアとソーシエラとは3日後の9時に城門をくぐったところで合流することになっている。二人は時間に王城へ向かい、門番の兵士に通されたところでエヴァンシアとソーシエラが待っていた。すでに王とは別れをすませているのか、王や王太子などの王族の姿は見えない。


「ハルト様!あぁ待ちわびたこの時がやってきたのですね!このエヴァンシア。全力を持ってハルト様のお力になりますわ!」


相変わらずテンションの高いエヴァンシアの言葉に苦笑いを返すハルト。危うく勢いに負けそうになったが、体力的な不安はないか確認する。


「大丈夫ですわ!この日のために毎日たくさん歩いてきましたわ。無理を言って山に登ったり野営もしたことがありますのよ!」


使用人のような女性がエヴァンシアの言葉を補足する。


「エヴァンシア様は勇者と旅をすることを目標に努力を続けられてまいりました。そこらの大人より体力があるかもしれません。騎士団からもお墨付きをいただいております。ご安心くださいませ。」


その言葉にハルトとミーアは頷くしかない。


「ワタシもそれなりに旅はできます。ご安心くださいなハルト様。」


ソーシエラも大丈夫だと言葉を発する。それならばと、ハルトたちは魔王討伐の旅に出発した。

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