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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第28話 トーナメント予選開始

「今日から俺の伝説の始まりだな。」


「言ってて恥ずかしくないにゃ?」


(一度くらい言わせてくれても良いじゃねぇか)


ミーアの冷たい突っ込みに恥ずかしさが込み上げてくるハルトであったが、それでもトーナメント戦と言うある意味自分の実力を示す定番イベントに興奮を隠しきれなかった。


城門で合格札を提示し受付をすます。選手控室として用意された場所の前には大きなトーナメント表が掲示されていた。


「ハルトは・・・1ブロックの3試合目にゃ。」


「1、2・・・32人か。結構多いな。そうでもないか?4ブロックに分かれて試合だから3回勝てば4位に入るから簡単だな。」


「騎士団相手にそこまでやれる人はそんなにいにゃいだろうし、妥当な人数かにゃ。でもどうだろにゃ。逆に騎士団に認められる戦士が32人もいるってことにゃ。」


「まぁ即時合格はほとんどいなかったみたいだし、オレには神剣がある。負ける要素がねーよ。ミーアは観客席で見ていてくれ。」


「油断するにゃよー。ハルトは過信が過ぎるにゃ。それだけは心配にゃ。」


はいはいと適当な返事でミーアを追い返しハルトは控室に入る。そこでは1ブロックの8人が待機するようだ。すでに3人が待っていた。しばらくして8人全員が揃い試合順に呼ばれていく。ぱっと見はそれほど強そうな相手はいなさそうだった。ハルトはさらに慢心していく。


ハルトの番になり試合場に向かう。兵士の訓練場を区画分けしたような場所で地面は固められた土。簡易的な柵で囲われている。全部で4つの試合場があり、1つはまだ戦っている戦士たちがいた。


ハルトの相手は片手剣に盾を持った標準的な傭兵と言った感じの若い男。装備はそれほど高価なものではなさそうだったが、事前選考を通過していることから剣の腕はそれなりにあるのだろう。目には自信が宿っている。両端に分かれて試合開始。


気合いの入った声を上げて斬りかかってくる相手選手。


(ミーアより全然遅いな。)


ハルトは相手の剣を半身で躱しながら剣の腹で胴を叩く。斬りつけこそしなかったが相手はぐぁっと息をはきだしよろめく。


(麻痺を使うまでもないか)


ハルトは両手で持った剣を、相手が盾で防げるような速度と角度で振り下ろす。相手は盾で剣を受け止めたもののハルトの剣撃を受けきれずに膝をつく。ハルトは即座に相手の眼前に剣を突き出した。


「降参しな。」


ハルトは尊大に言い放つ。相手は悔しさを隠し切れずに目をむくが、実力差は明らかであることは理解したのか、震える声で参ったと言った。


審判から勝者であることを告げられ試合場を後にする。控室に戻ると最後の組が入れ替わりで出ていく。部屋に残ったは1試合目と2試合目の勝者である二人とハルト。一人は旅の剣士と言う風体だろうか。腰に剣を帯び、外套を羽織っている。年齢は30代くらいだろうか。一人は高そうな金属鎧を着た偉そうな若者。ハルトと同じくらいか少し上か。


特に会話を交わすでなく、10分も経たずして4試合目の勝者が戻ってくる。スキンヘッドの大柄の男で斧を持っている。


(かませ役の定番がオレの次の相手か。動きは遅そうだし余裕だな。)


慢心を続けるハルトを横目に、旅の剣士風の男と偉そうな若者が試合に向かう。スキンヘッドはハルトを見てニヤリと笑い、どかりと椅子に座る。


「棄権しても良いんだぞ。俺と戦ったら怪我じゃすまん。大怪我したらお前も困るだろ?」


(おお、ここまでわかりやすく かませムーブをしてくれるとは。異世界最高だぜ!)


ハルトは内心喜んでいたが、あえて表情には出さず、フンと鼻息を鳴らしただけでスキンヘッドの言葉を無視した。


「生意気なガキめ。痛い目に合わせてやる。」


スキンヘッドは憤慨しながら腕を組んで目をつぶった。


間もなくして旅の剣士風男が戻ってきた。貴族風の鎧男は敗北したようだ。ハルトは貴族風の男が偉そうな態度だったので、負けたときはさぞ悔しがっていただろうと想像し少し楽しくなった。


すぐに兵士がハルトとスキンヘッドを呼びに来て、二人は試合場に向かう。スキンヘッドはしつこくハルトを睨んでいたが、ハルトはすべて無視して歩いていった。


そして試合開始。


「俺様の斧はカトレスすら葬る威力だ。早いところ降参しろ。」


(カトレスってクノス・ラビリス5層のボスか?あんなの一太刀でやれるっつーの。)


ハルトはいい加減面倒になり、スキンヘッドに斬りかかった。ハルトの踏み込みの速さに慌てるスキンヘッドだったが辛うじて斧でハルトの剣を防ぐ。ハルトは神剣にプラーナを込めていないので麻痺をすることは無かったが、力でハルトを押し返せないスキンヘッドは驚きの表情を見せる。


ハルトは一旦剣を引き、スキンヘッドが防具を身に着けていない個所を斬りつけ始める。


(しかし、なんで大男って全身に防具を付けないんだ?)


スキンヘッドはステレオタイプの筋肉だるまと言った風体で、金属の胸当てと厚手のズボンをはくのみで、それ以外の肌は露出している。


あっという間にスキンヘッドは切り傷だらけになった。


「ぐ・・・くそぉぉぉぉぉ!」


敗北濃厚であることを悟ったスキンヘッドはハルトに斧を投げつける。ハルトは余裕を持って回避したが、その隙に突進してくるスキンヘッドを躱しきれず、両腕ごと締め付けられた。そのまま体を持ち上げられ、締め落とそうとするスキンヘッド。


(くそっ、まさか締め付けでくるとは。つーかおっさんに抱き着かれるとか勘弁してくれ!)


ハルトは締め付けられながらも神剣にプラーナを込めて僅かに動く手首を返して斬りつける。ほんのわずかに皮一枚切る程度ではあったが麻痺の効果を受けたスキンヘッドは体を一瞬ビクンと震えさせ、弛緩して崩れ落ちた。


「こ、殺したのか?」


恐る恐るハルトに尋ねる審判。


「んなわけねーだろ。殺したら失格なんだから。気絶してるだけだよ。で、オレの勝ちでいいよな?」


油断から来る苦戦に苛立ちを隠せないハルト。審判はスキンヘッドに息があることを確認しハルトに勝利を告げた。ハルトは剣を収め早歩きで控室に戻っていった。

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