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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第27話 まずは乾杯

事前選考を合格で終えたハルトはさっそくミーアに結果を報告する。ばんじゃーいと大喜びのミーアは最近新しい味付けで話題の酒場で合格祝いを開いてくれる。

今日ばかりはハルトも酒を飲むことにする。ビール、というかエールは残念ながらぬるいものしか無い様で、酒場おすすめの芋酒というものをもらう。


「合格するだろうと分かってはいたけど、こうやって合格が決まると嬉しいものにゃ!」


(これ・・・焼酎みたいな味だな。芋は芋でもさつま芋っぽい・・・)


「おい!ハルト!聞いているにゃ!?」


懐かしい酒の味にミーアの話を聞きそびれていたハルトは悪びれもせずこたえる。


「あんな簡単な試験で落ちる訳ないだろ。本当にトーナメントが出来るほど人数を絞れるのかよ。」


「どんにゃ試験だったにゃ?」


「さっき教えただろ。丸太斬りと鎧を着たオッサンと木剣で手合わせだよ。」


「いや、そうじゃにゃくて・・・丸太はどれくらいの太さだったにゃ?」


ハルトはすでにおぼろげな記憶をたどりながら答える。


「丸太は・・・オレが一抱えするくらいか?」


「うげっ!それ、合格できた人いたのかにゃ?」


「いや、いるだろ。オレが真っ二つにできる程度だし。斧とかだったら余裕じゃないか?」


ハルトの頓珍漢な言葉にミーアはいやいやいやと首を大きく振る。


「森に生えてる木に剣で斬りかかったら、良くて剣が食い込むくらい、当たりが悪ければ剣が折れるにゃ。斧だって一回じゃ切れにゃいでしょ!」


うーんと想像を巡らせるハルト。


「確かに木を切り倒す時って何度も斧を入れて倒すか・・・。まぁモンスターと戦う人間が多い世界だ。丸太ぐらい斬れる奴はオレの他にもいるだろ。」


ミーアは、はぁ・・・と大きくため息をつき これ以上は無駄だと話をすすめる。


「で、その後が鎧を着た騎士との立ち合いにゃ。それ、鎧の感じからして王国騎士団だにゃ。」


「騎士団ってったって下っ端なら大したことないだろ。」


「ハルトはアホにゃ!世間知らずにもほどがあるにゃ!下っ端にゃんかじゃなくて隊長クラスにゃ!それを相手に押し勝った?マジでやばいにゃ。」


「そんなもんかね。ミーアのその反応を見る限りじゃ、トーナメントも優勝できそうだな。自分の獲物を使っていい、つまりオレは神剣を使えるみたいだしな。」


ハハハ、と調子に乗りっぱなしのハルトだったが、ミーアも否定できる要素がなく「そうだにゃ」と返すのみ。しかし内心では慢心する若者を心配そうな目で見る。


(まぁ余裕で優勝できるならそれでいいにゃ。ただ調子に乗りすぎてるから心配になるにゃ・・・。ハルトの悪いところにゃんだけど・・・痛い目を見てからでもいいにゃ。それに優勝しなくても4位に入れればいいにゃ。)


深く考えても仕方がないとミーアも気持ちを切り替えることにした。その後はお酒と料理に舌鼓を打ちつつ、楽しい夜を過ごすのだった。


開けて次の日、ハルトは王城の場所を再度確認するため王城に向かった。日中は城門は開いているようで、中の様子が少しだけ見える。どうやら本戦は城門の中にある訓練場のようなところで行われるらしく、兵士や大工のような職人たちが会場設営にいそしんでいる。


高級そうな服に身を包んだ貴族らしき人物が指示を出しているが、近くには金糸が縫い込まれたローブを来た者が何人か立っている。その中の一人がハルトの目を引いた。


(服装からして魔法使いっぽいな。ミーアが確か宮廷魔導士ってのがいるって言ってたか。高級そうなローブを着ているし、まさにって感じだな。だが随分若い女がいる?)


ハルトが気になった女性は他の魔導士たちと同じように金糸が縫い込まれたローブを着ていたが、どう考えても胸元の主張が激しすぎた。圧巻の胸囲の・・・いや脅威の戦闘力である。手に持つ、大きな赤い魔石らしき石が先端に付けられた杖など気になるはずの部分は他にもあったはずだが、ハルトはどうしても女性魔導士の胸部装甲に目が吸い込まれる。


視線に気付いたのか女性魔導士が一瞬ハルトの方を見たが、何も目に映らなかったかの如く無感情な目を一瞬向けただけで すぐに視線を設営中の会場に戻してしまう。


(ちっ、お高くとまりやがって。オレが勇者に選ばれた時にほえずらかかせてやる。いや、むしろ旅に同行させるのもありだな。あんなイイ女を・・・ぐへへ)


ハルトは狸の皮算用とばかりに根拠のない妄想をしながら城門を去る。さすがにダンジョンアタックはミーアに禁止されているので、何となく散歩がてら武具店などを覗きに行くかと歩き出した。


王都でも品質の良い防具を手ごろな価格で提供していると評判の店に入るハルト。ライラからもらった革鎧は初期装備としては十分な品質だったが、この世界で一般的に流通している物であったため、勇者として旅に出るにはもう少し良いものを用意した方が良いかと思いついたのだった。


店に並ぶ防具を眺めていると、店主らしき男が話しかけてくる。


「いらっしゃい。こんな時期に防具をお探しとは、勇者選抜の出場者かい?事前選考の発表は午後からだって聞いたけど、気が早いねぇ。」


「ん?いや、出場はするがすでに合格はもらっている。」


「え?ほ、本当かい?それは失礼した。」


(全員があの場で合格か不合格か判断されるわけじゃなかったのか?まぁ確かにトーナメント出場者の数は決まっているだろうし、即時合格を出していたら人数が合わなくなるか。)


騎士団隊長を押し込んだハルトは即座に合格をもらったが、通常は打ち合いをして腕前を見てから相対的に判断されるものであった。知らぬはハルトだけである。


「悪くない品質の革鎧のようだが、新しいものの変えるのかい?」


「うーん、正直迷っている。伝説の防具とか隠してないか?」


「はっはっはっ、面白いことを言うお客さんだね。伝説の~なんてものはあっても城の宝物庫かなぁ。でもウチの防具はどれも品質にこだわっているからハズレはないよ!」


店主が言うように評判通りの品質と品揃えである。


(いや待てよ。勇者選抜に通ったら王様から支度金とかもらえるんじゃないか?それこそ伝説の防具かもしれない。500年前の勇者が使っていたーとか。まさかドラ〇エみたいに50ゴールドとか、1,000年以上生きるエルフと一緒に魔王を討伐したイケメン勇者みたいに銅貨10枚なんてことは無いだろう。)


ハルトは定番のネタを思い出しつつも、今ここで防具を新調するのは無駄になるかもしれないと気付く。ハルトは伝説の防具が欲しかったんだとサラリと噓をついて店を出ていった。

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