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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第20話 勇者選抜

王都へは5日の旅程となる。野営もあるとのことでミーアに必要なものを教えてもらったハルトは、持っていなかった野営用の毛布等を購入。準備を整え、宿を後にする。


主人のダミスは元気でな、というひと言のみだったが、女将のゾーイはとても残念そうに見送ってくれた。


「アンタは食べっぷりも良いし、きれい好きだしいい客だったんだけどねぇ。王都に行ったら、その無愛想を少しなおさないと苦労するよ!」


(余計なお世話だ、まったく。けど飯は美味かったし、ゾーイもお節介だが何かと、気を使ってくれていたのか?)


「ゾーイみたいなお節介焼きに迷惑をかけない程度にはうまくやるさ。飯は美味かった。ありがとな。」


ハルトの少しだけ素直な態度にゾーイは驚き目を瞬かせるが、即座に気持ちを切り替えたのか、ハルトの背中をドシンと叩き、元気でやるんだよ!と送り出してくれる。


宿を出た後、傭兵組合でミーアと合流しエレナに別れを告げ、ミーアの案内で商隊に合流。今回は商隊護衛という仕事を請け負っているので、商隊の長と護衛の隊長役の2人と挨拶をする。


商隊の長は王都にある大店の偉い人で、日本だと部長のような立ち位置のようだ。交易部という王都と他の都市間での交易を取り仕切る部門である。


護衛隊長は歴戦の傭兵のようで、顔にも傷がありかなりの強面。


ハルトは、どちらも前世での会社の上司のような印象を持ち内心舌打ちをする。


(偉そうなオッサンは性に合わんな。コミュニケーションはミーアに任せるとするか。)


ミーアは相変わらずニャーニャー言っているが対応は普段より丁寧に見えた。持ち前の明るさは変わらずだが、相手によって使い分けはしているらしい。


護衛の仕事はハルトが想像していた通り、道中でのモンスター討伐や野盗などの撃退である。

ミーアはかなり遠くからでも敵の接近を察知できるため護衛の仕事ではかなり頼りにされている。そんなミーアの仲間ということでハルトは何事もなく受け入れられた。


道中、宿場町で二度宿泊、残り3日は野営を行った。ハルトは前世も合わせて人生初の野営だったため、一回目の野営時はあまり眠れなかったが二回目以降は無理やり眠ることに成功する。次の日の移動がつらいことを体感したからである。


途中、一度だけグレイドッグという犬型のモンスターに襲撃を受けたが護衛隊の力で無事に被害なく護衛に成功。集団で狩りを行うモンスターであるため、苦戦する護衛も幾人かいたが、隊長の指揮は的確であり、防御が薄くなるところはベテランがうまくサポートしていた。


ハルトは以前戦ったシャドウウルフよりも動きが遅いグレイドッグに苦戦することはなく、神剣の麻痺効果の恩恵もあり近くの傭兵をサポートする余力すらあった。


それ以外には特にトラブルもなく、予定通りに商隊は王都に到着。王都ではほんの1日前に出されたお触れの話で持ちきりだった。報酬の受け取りや傭兵組合の王都支部への報告を終えたハルトとミーアは、早速騒ぎの原因である王城前広場にあるという御触書を確認することにした。


「お、アレみたいだにゃ。」


「昨日貼り出されたって聞いたが、今日も結構人がいるな。」


辺境都市コリンとは比べ物にならない人口の王都で、すでに人酔い気味のハルトが嫌そうに言う。


「そにゃあ、内容が内容にゃ。魔王の復活に勇者の再来にゃ。気にならない人間の方がおかしいにゃ。」


「そんなもんかね。んーとどれどれ・・・」


「情報通り勇者を選抜するための大会を開くみたいにゃ。」


「1ヶ月後か・・・少し先だな。」


「いや、むしろ好都合にゃ。あちしは王都に自宅があるけど、ハルトは宿を取らないといけないにゃ。今ならまだ宿がとれるにゃ。」


(さすがにミーアの家に泊めてもらうのは無理だよな。)


「んー?あちしの家に泊まりたかったって顔をしてるにゃ。そーゆーのはもっと信頼関係ができてからにゃ。せっかちな男は嫌われるにゃー。」


「そ、そんなこと言ってねーだろ!そんなにがっつく程ガキじゃねーよ。」


(ちっ!ハーレム展開だと結構すぐにイイ感じになるだろうがよ。あれは童貞の妄想、ご都合主義ってか。)


どれどれ、と勇者選抜についての詳細を確認するミーア。


・事前選考として武術の腕を試す競技を実施

・事前選考合格者で1対1のトーナメント戦を実施

・トーナメント戦4位までを勇者としてアイトリア王国公認する


「魔法の資質は問わないみたいにゃ。これはハルトにも可能性があるにゃ!」


(魔法があった方が良いんだけどな。雷魔法を披露するチャンスだし。)


「武術の腕試しって何をやるんだろうな。」


「うーん、あえて書いていないところを見ると、それ用の特訓を防ぐ目的がありそうだにゃ。有象無象も多いと思うから、そこらの腕じゃ通らないような競技にゃんだろうにゃ。」


「伝手とやらで事前に確認できないのか?」


「さすがに無理だろうにゃあ。ハルトはギガースゴブリンの首を落とせるほどの腕だし、あちしに付いてこれるくらい身体能力も高いから、大概のことは大丈夫だと思うにゃ。」


「ふーん、そんなもんか。じゃぁ1か月何をする?」


「あちしはともかく、ハルトは生活費を稼がないといけないにゃ。王都の北東にも魔領域の森みたいなモンスターが無限に発生する場所があるにゃ。クノス・ラブリスっていうダンジョンにゃ。」


「なるほどね。やることは結局モンスター狩りか。」


「得意なことでよかったにゃ。」


ミーアの言いように、ハルトはオイオイと肩をすくめるのみだった。

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