第2話 はじまりの道
異世界転生の最初はこうでなきゃ
「くっくっくっ、ついに・・・ついにオレが主役の冒険がはじまったーーー!」
異世界パンチャーの大地に降り立ったハルトは両腕を天に掲げ、空に向かって叫ぶ。周囲を見渡すと、背後には木々が多い茂っている森か林のような場所。前方には草原が広がっており、街道のような道になっていると所も見えている。
御使いライラに受けた説明を思い出しながら、どちらに向かおうかと思案するハルト。
(ライラは自分の目で見て、直接人と交流して、自らが世界を救いたいと思えるようになって欲しいって言っていたな。となればまずは町を見つけないと。)
ライラは世界をむしばむ悪の存在、『神魔獣クロノベロス』を打ち倒し、世界に平和をもたらして欲しいという。また、この世界には魔法が存在していて、生まれ持った才能によって火・水・風・土の四属性か回復の魔法が使えるらしい。才能に秀でたものは複数の属性を使うことも可能だとか。
ハルトは勇者特権で神の魔法である雷属性が使えるらしい。また、召還ではなく転生なので、元の肉体はすでになく、この世界パンチャーに合わせてライラが作った肉体を与えられている。
年齢は16歳で、身長172cm。黒髪黒目。全身にしっかりと筋肉がついている。この世界の住人は主に栗毛や茶色、稀に金髪のように比較的明るめの髪色、青や緑、グレーなどの薄い色の瞳を持つ。黒髪黒目は500年前に神魔獣クロノベロスを封印した勇者と同じらしい。
500年前の勇者も日本人の転生者だったのだろうか。勇者伝説などが残っているかもしれない。
肉体年齢が16歳なのは、18歳から26歳くらいまでが肉体の最盛期らしく、鍛えながら世界を旅してクロノベロスを倒せるようになる頃に肉体の最盛期がくるようにしているらしい。
地球で死んだときは28歳だったはずなので、疲れ知らずの若い肉体にしてもらえたのはラッキーだったとハルトは考えた。しかも鏡のようなもので全身を見せてもらったが、記憶にある顔より彫りが深くイケメンになっていたし、体も筋肉質で強そうだ。
毎日仕事で疲れ、貧弱な体だった自分はもういないのだと、さらに嬉しくなった。
そんなことを想いながら、ハルトは先に見える街道に向かって歩き始める。道があるということは人が集まる場所もあるだろうとシンプルに考えた。
(そう言えばステータスやレベルはないんだよな・・・)
異世界転生といえば、地球で流行っていたゲームの内容そのままの世界で、ステータスを確認しながらレベルを上げたりスキルを身に着けたりするのが王道展開である。
(レベルがあると自分がどれだけ強くなったか、視覚的に認識できるからわかりやすいんだけどな。)
剣と魔法の世界というのは男心をくすぐられるが、ゲームのようなステータスやスキルがある世界の方が良かったと、そこだけは残念に思うハルト。
(でもまぁモンスターを倒して強くなるのはゲームと同じらしいから、数字では見えなくてもモンスターを狩ってレベリングして強くなれば神魔獣とやらも倒せるだろう。)
そんなことを考えながら歩いていると、街道が近くに見えてきた。
(馬車がモンスターや野盗に襲われていて、それを助ける王道展開はあるかな?
っておいおい!本当にあるのかよ!?)
王道展開を少し期待しながら街道にたどり着いたハルトだったが、少し先では本当に犬型のモンスターらしきものに襲われる馬車が見えた。
ハルトはべタな展開に呆れながらも、少しワクワクして駆け出した。
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