第18話 王都の噂
ハーピーの魔石は1個銀貨4枚、8個で32枚になる。一日の稼ぎとしては十分すぎる額となるため、ハルトとミーアはコリンに戻ることにした。
「ミーアの魔法は、あれは何なんだ?風か?」
「そうだにゃ。風の魔法第一節アネモスにゃ。風弾を放つ魔法にゃ。かなり早いし見えないから躱すのは難しいにゃ。ハーピーみたいな相手にはかなり有効な魔法なんにゃ。」
「威力はそこまでではないのか?」
「属性にかかわらず一節の魔法は威力はあまりないにゃ。」
ハルトはずっと気になっていることを聞いてみることにした。
「魔法でモンスターを倒すと魔石が落ちないなんてことは無いよな?」
「うーん、聞いたことないにゃ。そんな話があるのかにゃ?」
「い、いや。そんなことがないなら良いんだ。」
(雷魔法は特別なのか?剣で倒す時と違って灰になって消える感じだし。)
「魔法に詳しいやつって誰なんだ?」
「魔法にぇ・・・この国の場合、魔法の研究は王都の宮廷魔導士たちがほぼ独占しているにゃ。魔導学校もあるけど、プラーナの量が多いのは王侯貴族だから生徒も貴族ばっかりにゃ。あちしたち平民にはあまり縁がないにゃ。」
(魔法研究は独占か・・・あまり技術が発達していない原因もそのあたりにありそうだな。)
そんな話をしながら、二人はコリンに戻っていった。
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「わっ!ハーピーの魔石をこんなにたくさん!はぁーいくらミーアがついているからって、凄いですね。」
(エレナがこんなにストレートに驚いてくれるのって珍しいな。)
「まぁ最後は仲間を呼ばれて逃げたけどな。」
ハルトの答えを聞いて、ミーアはにゃはははと笑っている。
「ミーアったら・・・そんな危ないことして・・・。」
「いやー、ハルトが強いから3体くらいならいけるかなーってにゃあ。実際、落としさえすれば2体を完全に捌いていたし、モンスター討伐の実力なら上級に足を踏み入れてるくらいにゃ。」
「まぁハルトさんが強いのは認めますけどね。新人を連れて無茶をするのは褒められたものではないのよ、ミーア。」
ミーアは呆れ顔のエレナとまぁまぁとなだめ、魔石の換金をすませてハルトを談話席に誘う。
「5日後には商隊が王都に向けて出発するにゃ。1日は準備があるからハルトと一緒に狩りが出来るのはあと4日にゃ。」
「そうか・・・ミーアと一緒だと一人だといけないところにも行けるし、そのなんだ・・・楽しいからちょっと残念だな。」
ハルトの返答に、ふふーんといたずらっぽい笑みを浮かべながらミーアは提案した。
「ハルトも一緒に王都に行かないかにゃ?」
「え?」
「実は実力が確かなら最初から誘うつもりだったにゃ。これはまだ正式にお触れは出ていないんだけど、勇者が現れるらしいにゃ。」
「勇者!?」
「第4王女が神託の巫女だってことは知ってるにゃ?あちしが王都を出る少し前に神託を受けたらしいにゃ。先代勇者が魔王を討伐してから500年、魔王が復活したらしくて、魔王を討伐する勇者もまたズワース様より遣わされるっていう神託らしいにゃ。」
「なんでそんなことをミーアが知ってるんだ?」
「あちしの情報網は伊達じゃないにゃ。色々と付き合いがあるにゃ。スカウトとしてだけじゃなく、交渉人としての実力も王都で指折りなんにゃよ。」
「そんなに優秀なミーアさんが、何でオレなんかを?」
「ハルトって偉そうな態度の割には自己評価が低いにゃ。お偉方の話によると勇者選抜の大会を開くんじゃないかって話があるにゃ。ハルトはそれに出てみると良いにゃ。」
「勇者選抜!?」
「そうにゃ。神託は絶対に公表しないといけないにゃ。そうしないと神様に反することになるし、教会もうるさいにゃ。国王と言えど秘匿はできないにゃ。そうなると自称勇者が王都に集まって来るはずにゃ。だったら選抜試験を行って、優秀な者たちを魔王討伐に向かわせた方が王家としては得策にゃ。」
(いや、確かにオレが勇者だけど・・・)
「ハルトは魔法が使えないから勇者ではないかもしれないにゃ。でもその剣の腕ならいいとこまで行きそうな気がするにゃ。辺境でくすぶってるのはもったいないにゃ。」
「それでオレに声をかけてきたんだな。」
「本当はもう少し時間をかけて見極めるつもりだったけど、ハーピーまで簡単に倒せるなら、ハルトの力は本物にゃ。すぐに決めなくても良いけど、コリンで一生を過ごすつもりじゃないなら、王都には行っておいた方が良いにゃ。」
(いや、すげーいい話じゃないか。それにオレは本物の勇者だし、王様に認められれば本格的に勇者として世に認められることになる。この世界の生活に慣れることばかり考えていたが、これは断る理由がないな・・・)
「ありがとうミーア。この先どうしようか考えていたところだったから、スゲーいいタイミングだよ。オレも一緒に王都に行く!」
「お!若者は思い切りがいいにゃ!」
「いや、オレのことをガキ扱いするけど、ミーアは何歳なんだよ?」
「デリカシーのない男はもてないにゃー。」
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