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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第13話 猫人来たりて

久しぶりに使う魔法

(おおおおおおおお!獣人キターー!ネコ耳キターー!!)


ハルトが見たのは白い耳に白い尻尾の猫獣人であった。コリンでは地球にいるような普通の人間しか見たことがなかったハルトは、ファンタジーおなじみの人種のことをすっかり忘れていたが、猫獣人の女性を見て、ここがファンタジー世界であることを思い出す。そして内心興奮しながら猫人女性に見入ってしまっていた。


(わっ!こっちを見た!えっ!?)


食い入るように凝視してしまったせいか、商隊の中を歩いていた猫人女性はハルトの方に視線を向け、そしてハルトを見るとニコッと微笑んだのだった。


ハルトはとっさに周囲や後方を確認する。自分ではなく近くにいる知り合いに笑いかけた可能性をとっさに考えたのだった。自分に手を振ったと思って振り返したら後ろにいた別の人に手を振っていたって経験、ありません?


周囲を見回し、やはり自分に微笑みかけたのかと視線を戻したが、すでに商隊は去ったあとで猫人女性もいなかった。


(なんだったんだ・・・。まぁいいか、いいのも見れたってことで。いやーでも獣人が存在する世界でよかった。あとはエルフやドワーフだな。)


機嫌を良くしたハルトは、今日も魔領域の森にモンスター討伐に向かうことにした。


(今日はもう少し奥まで行ってみようかな?かなり森での戦闘にも慣れてきたし、力も付いてきた感じがする。よし!ここいらでチャレンジしてみるか!)


魔領域の森に到着したハルトは、いつも通りゴブリンが多い層を通り抜け、獣型モンスターが多い層で、オロスやアルミラージを5体ほど討伐。魔石を回収しつつ、更に先へと進んでみる。


(アイツは・・・確かホーンボアか?)


普段より深い層で遭遇したのは、口先に上向きの大きな牙と後頭部から背中に向けて伸びる大きな角を持つイノシシ型のモンスターだった。


ホーンボアはハルトが動き出す前に敵に気付いたようで、ハルトに向かって鼻息をフゴフゴさせつつ、前足で地面を蹴り始める。そうしている間に完全にハルトをロックオンしたようで、弾丸のようなスピードで突進してきた。


ハルトは何とか右側に転がるようにしてホーンボアの突進を避けたが、左の脛に鈍い痛みが走る。完全に躱したと思われたが、わずかにかすったのかレガースの革が少しだけ削れている。


ホーンボアの進行先でドーンと音がして、木が倒れた。そこで止まったホーンボアは木に激突したダメージはなかったように、ハルトの方を再度向き直して、突進の準備を始めた。


ハルトは神剣にプラーナを込め直し構える。


(ハンパない速さだが直線的な動きなら・・・)


再度のホーンボアの突撃。ハルトは身を逸らしながらも神剣をホーンボアの進路上に置くようにして斬り付ける。こらえようとすると吹き飛ばされると直感的に判断したハルトは、無理に剣を振りぬかず傷をつけることだけに集中する。


ホーンボアは通り過ぎた先で木に激突したが、そこで動かなくなっていた。そしてそのまま光の粒になって霧散していった。神剣で斬り付けたことで麻痺したホーンボアは木に激突した衝撃で首の骨を折って絶命したのかもしれない。


ハルトは魔石を回収し素早くその場を去る。かなり大きな音がしたのでモンスターが集まってくるかもしれない。アンドレイア団に同行して以降はソロで活動するハルトはモンスター囲まれることだけは絶対に避けるよう行動するようになっていた。


(ふぅ。今のところ神剣の麻痺が効かないモンスターはいないし、ダメージに気を付ければもっと行けそうか。)


ホーンボアの突進で受けた足のダメージも特に戦闘に影響がなさそうだったため、ハルトは更に森の奥に向かって歩みを進める。ホーンボアが出たということは獣型モンスターの層はそろそろ終わり、ハーピーなどの空を飛ぶモンスターやゴブリンファイターなどの一定の知恵を持つモンスターが生息しているとされる層に入る。以前遭遇したギガースゴブリンといった変異種の発見報告があるのもこの層となる。


傭兵組合の図書館にあったモンスター図鑑には、この層までの情報しか載っていない。これ以上先へ向かって生きて戻った傭兵はおらず、森の中では軍での進軍も困難なことから、これ以上先は探索が出来ないエリアとされている。


とりあえず様子見だけと軽い気持ちで進むハルトだったが、遠くで動いている人型の影を見つけ、木々に隠れながら慎重に近づいていく。


(あれは図鑑に載っていたゴブリンファイター・・・。普通のゴブリンより1周りくらい大きいな。防具は胸当てくらいだから剣は通りそうだ。でも5体のゴブリンを引き連れているのか・・・)


ハルトが発見したのは上位種のゴブリンファイターであり、図鑑にも書かれていた通り5体のゴブリンを引き連れている。ファイターは腰に剣を帯びており、ゴブリンたちも武器は石斧で統一されている。そして統率された動きをしていた。


(魔法でファイターを倒してしまえば余裕だろうけど・・・魔石が欲しいな・・・)


ハルトは神剣を握りしめプラーナを込め直す。魔法は使わずにファイターに奇襲をかけることにする。少しずつゴブリンたちに近づいていくハルトであったが、ゴブリンの1体がハルトの気配を察したのか、ギィギィと騒ぎ出し、ファイターがこちらを向いた。


(くそっ!見つかったか!!)


発見されたと思ったハルトは茂みから飛び出しファイターに向かって突進したが、ゴブリンの1体がその進路をふさぐ。止む得ず立ちはだかったゴブリンに神剣を振り下ろすハルト。


腕を斬りつけられたゴブリンは麻痺し倒れこむ。それを見たファイターはギギィ!とゴブリンたちに指示を出したのか、残りのゴブリンたちはハルトから距離を取って身を低くした。


ハルトは何事かとその場にとどまり剣を構えるが、ゴブリンたちは足元の石を拾って一斉に投げてくる。ゴブリンたちの投石はそれほどの速度ではなく命中精度も良くなかったが、ファイターのものだけは威力も精度も段違いだった。ゴブリンの石に意識を割かれたハルトはファイターが投げた石を右肩に受け、うめく。


2体のゴブリンは投石を続け、残りの2体はハルトの退路を塞ぐように回り込んでくる。投石を無視して動こうとするとファイターの投げた石が飛んできて足が止まる。たかが石、されど石、ファイター指揮下のゴブリンの連携に翻弄される形で、ハルトは完全に包囲されてしまう。


(こ、これはさすがにマズイ!)


死の危険を感じたハルトは左手をファイターに向けて魔法を放った。


「ケラウノス・ラフティオ!!」


左手の前に生成された魔法陣から黄金の雷が放たれる。落雷音をたてて一瞬で到達した魔法はゴブリンファイターを灰にして消し去ってしまった。


指揮官を失ったゴブリンは半狂乱になって逃げていく。ハルトは逃げる1体に剣を振るい倒すことが出来たが、残りの3体は取り逃がしてしまった。最初に麻痺して倒れている1体の頭に剣を突き刺しとどめを刺したハルトは、投石によるダメージの代わりにゴブリンの魔石を2個手に入れただけだった。


大きなため息をついたハルトは魔石を拾って、急いできた道を戻っていく。途中で周囲を警戒しながら、肩の傷を確認し傷薬を貼り水筒で水を一口飲んだのちに森から撤退するのだった。

エンカウント:ゴブリンファイター


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