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勇者転生 神の魔法で最強です≪サンサール戦記パンチャー編≫  作者: よろず屋


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第10話 ゴブリンの脅威

「お前が生意気なガキにキレないなんて珍しいなっ。」


「そうか?うん、まぁ確かにそうかもな。ただなんだ、まぁそこまで目くじら立てる程でもないだろ?」


「エレナさんの前だから恰好付けたのかと思ったよっ。」


「そんな訳あるか!」


冗談交じりに憤慨して見せるディミトリを アリストは少しだけ訝しげな眼で見ていた。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━◆


アンドレイア団と共に魔領域の森に向かうハルト。道中、ディミトリがハルトに話しかけてくる。


「ハルトは魔法に興味があるのか?エレナさんに魔法について聞いていたようだが。だがハルトは魔法が使えないんだろう?」


「あー、うん、まぁそうだな。」

(傭兵の登録用紙に書いてあった属性は使えないから、まぁ嘘はついてないか。雷の扱いが良くわからん。)


「全く使えないというのは珍しいなぁ。」

ヒーラーのイアソンが会話に混ざる。


「ん?ディミトリやアリストも魔法は使えるのか?イアソンだけじゃなく?」


「あぁ俺は土の魔法を、アリストは風の魔法が使える。」


「まぁ俺たちは一節を1発打っただけ弾切れだし、威力もせいぜいゴブリンを倒せるくらいなものだから、実際に戦闘で使うことは無いけどなっ。」


ディミトリが答え、アリストが補足する。


「い、1発・・・みんなそんなもんなのか?」


「ハルトは辺境の村出身だと聞いたが、村で魔法を使える者はいなかったのか。まぁそうだな、一般人は攻撃魔法は必要ないし、傭兵でも魔導士はほぼいない。イアソンは5回も回復が出来るが、傭兵としては超優秀なんだぜ。」


「ははっ、それしかできないから王国魔導士団には入れなかったんだけどねぇ。」


ディミトリがイアソンのことを自慢げに話すも、当のイアソンは頭を掻きながら乾いた笑いを浮かべるだけだった。


(この世界の魔法はあまり流行っていないというか・・・発展していないって感じだな。)


「あー、その一節ってのは?」


「ん?そこからか?攻撃魔法は一節から四節まであって、数字が上がるにつれて威力やら範囲が上がるんだよ。まぁ詳しくは組合の図書館で確認するといい。」


そんな話をしながら、1時間半ほどかけて魔領域の森に到着。


「さて、ここからは慎重に行くぞ。アリスト頼む。」


「任せておけっ。ハルトは俺の後に付いてこいっ。」


スカウトのアリストを先頭に、ハルト、イアソン、ディミトリと続く。アリストは足を置く場所も気を付けているのか、ほとんど足音や草を踏む音もなく、スルスルと森を進んでいく。


(なるほど、スカウトがいるとダンジョンアタックはかなり便利そうだな。せっかくだからカワイイ女の子が・・・ウヒヒ)


ハルトは熟練者の動きに少しだけ驚きながら、まだ見ぬ自身のパーティについて妄想をはかどらせる。意識が逸れたせいか、アリストのハンドサインに気付くのが遅れ慌てて足を止める。後ろにいたイアソンがハルトの肩に手を置いて身を低くするよう動きで示した。


(ちっ、最初から新人っぽい動きをしてしまった。一人じゃないってことを忘れないようにしないと。)


「左の奥に3体のゴブリンだっ。近くに他の個体はいない。ディミトリどうするっ?」


「ハルト、1体を一人でやれるか?」


「当然だ。」


「よし、俺が初撃で牽制を入れる。その隙にハルトが1体、アリストが1体だ。イアソンは周囲の警戒を怠るな。」


ディミトリの指示にうなずく三人。ディミトリが背中にさした大剣を抜き、3体のゴブリンに向かって突撃。横なぎの一閃を放つ。


ディミトリの接近に気付いたゴブリンたちは、ディミトリの横なぎを辛うじて躱すが、それぞれバランスを崩している。そこにハルトとアリストが追撃を行い、ハルトが首を飛ばし、アリストが脳天にナイフを突き刺した。


一瞬で仲間を倒された最後の1体は、その様子に焦ったような動きをするも、その隙をついてディミトリが大剣で両断する。


「ふむ、良い感じだな。戦闘音を聞いて他のゴブリンが寄ってくる前に移動するぞ。アリスト。」


3人の連携に満足した様子のディミトリは魔石を拾いながら声を上げる。同じく魔石を拾ったアリストがさっと周囲を観察した後、更に森の奥に向かって歩き始めた。


その後、10組30体ほどのゴブリンを狩ったハルトとアンドレイア団。2組6体が一緒にいたときはディミトリがわずかに負傷しイアソンが傷薬で治療したが、それ以外はディミトリ、アリスト、ハルトの三人で1体ずつ受け持つことで、危なげなく間引きが完了した。


「まぁこんなもんか。ハルトのおかげでかなり早く終わったな。」


(不意を突けないとアリストは一撃でゴブリンを倒せないし、大剣持ちのディミトリは複数に囲まれると捌ききれない。熟練パーティと言ってもこんなもんか。)


「普段も30体くらいで終わりにしているのか?」


ハルトが問う。


「そうだな。だいたいこのくらいだ。」


「一人分の取り分が少なくなるだろう。」


「おいおい、確かにお前はしっかり狩っていたが、同行させてもらっているって立場を忘れるなよっ。」


ハルトの言い分にアリストが反論する。


「なんだと・・・」


ハルトが反射的に怒気を含めたとき、森の奥から人の頭ほどもある岩が勢いよく飛んでくる。


とっさに身を返して躱したハルトだったが、運悪く射線上にいたイアソンの足をかすめた。


「ぎゃっ!」


悲鳴を上げて倒れるイアソン。


「な、なんだ!?」


ディミトリが声を上げて岩が飛んできた方向を見る。アリストは慌ててイアソンのそばに駆け寄った。


「だ、大丈夫かイアソンっ!」


「ぐ、うぅ、『ヒール』・・・な、なんとかぁ・・・」


回復魔法で自分の足を癒すイアソン。だが、かなりのダメージだったのか、顔を青くしてわずかに振るえている。


そうしている間に森の奥から3mはある鬼のようなモンスターが現れた。


「な、なんだコイツは・・・」


「ば、馬鹿な・・・ギガースゴブリン!?」

エンカウント:ゴブリン、ギガースゴブリン


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