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蜥蜴人再び

久しぶりの投稿です。

なるべく更新頻度を上げていきたいと思っております。

 宿を離れてからしばらく。

 僕は老爺の姿のまま、町を歩いて回った。

 しかし、こうして歩いているといたる所に神聖騎士団の姿を見かける。

 僕のせいで厳戒態勢になったからこんなにも多くの騎士を見かけるのか。

 それとも普段から多くの騎士を配置しているのか。

 どちらにせよ、この町がどれだけ重要な拠点であるかを示している。

 ……この街に来る前に下調べ位しておくべきだったな。


 さて、ここから先はどうしようか。

 カレン達が宿に戻って来るまでどう時間を潰すか。

 しばらくこの町を見て回るか。

 

 等と考えていたら周囲にいた騎士たちが慌ただしくしている事に気が付いた。

 何かあったのだろうか?

 次々に町の入口の方へ騎士たちは向かっている。

 何かあったのだろうか?

 僕は興味本位で彼らの後についていってみた。






 

 町の入口の方へ行くと多くの騎士団の姿と共に、1体の魔物の姿があった。

 あれは……蜥蜴人(リザードマン)か。

 アズールポートでも見かけたが、まさかエインシェントでも見る事になるなんて。

 

 ―――シャアアアアアアアア!


「陣形を崩すな!決して魔物を町へ入れるんじゃないぞ!」


 周りの騎士たちに指示を出しているあの男は、僕に切りかかってきた騎士団長だ。

 

 ―――シャアアアアアアアア!シャアアアアアアアア!


 アズールポートでもそうだったがあの蜥蜴人(リザードマン)、少し様子がおかしい様な……。

 あの時と同じ個体か?

 いや、あの時の個体は回復した後、すぐに元気を取り戻していた。

 恐らく別の個体だろう。

 

「行け!前衛は一気に攻め立てろ!」


 ―――うおおおおおおおおお!

 

 ―――シャアアアアアアアア!


「後衛は魔法用意!合図で同時に放て!」


 何故だろう……。

 あの蜥蜴人(リザードマン)、すごく嫌な感じがする……。

 

「今だ!放て!」


『聖なる光よ、邪悪を滅せよ!聖なる弾丸(サンクタ・ブレット)


 放たれた光の弾丸は蜥蜴人(リザードマン)に全弾直撃する。


 ―――シャアアアアアアアア……。


 蜥蜴人(リザードマン)は力なく声を上げると、そのままバタンとその場に倒れた。


「よし!魔物を打ち取ったぞ!」


 ……たしかに僕の目の前で騎士団により魔物は打ち取られた。

 しかし僕の胸の中で嫌な胸のざわめきは収まらずにいた。


「さぁ、さっさと魔物の死骸を片付けるぞ」


 団長の指示で蜥蜴人(リザードマン)の死骸に数人の騎士が近づく。


「うっ!」

「ぐっ?」


 蜥蜴人(リザードマン)に近づいた騎士数名が膝から崩れ落ち、その場に倒れてしまった。

 

「なんだ?おい!どうした!?」


 団長もすぐさま異変に気付き、彼らに声をかける。

 しかし彼らは地に伏したままもがき苦しんでいる。

 

「おい!しっかりするんだ!」


「近づくんじゃない!!!」


 僕は思わず大きな声を発してしまった。

 その声によりその場は一瞬、静寂に包まれる。

 

「原因は分からないが、彼らは瘴気か毒にやられている。不用意に近づけば彼らの二の舞になってしまうぞ」

「瘴気や毒だと……?」

「……ここは私に任せて欲しい」


 僕はそういうと倒れた騎士の方へ真っすぐ歩いていく。

 倒れた騎士に手をかざす。


(これは瘴気か……?だったら僕の魔力で)


 僕は1人ずつ騎士に手をかざし、彼らの身体から瘴気を吸い取っていく。

 数分で治療(?)は終わった。

 

「……これで大丈夫なはずです。あとは安静にしていれば」

「おぉ!助かりましたぞ、ご老人!なんとお礼を申し上げたら良いか……!」

「いえいえ、お礼は結構です。では、私はこれで……」


 僕はそう言ってその場を去ろうとした。

 と、その時。


「ノクス……?」


 という声が聞こえた。

 声のする方に目をやるとそこにはカレン達の姿があった。

 彼女たちは僕の元へ近づくと耳元でささやいた。


「ノクス。一度宿で落ち合おう」


 そう言うとカレン達は足早に宿へと戻って行った。

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