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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
聖人の国フレイア編

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94 餓窮の都

場面は一ヶ月後――餓窮の都(ガキュウノト)に向かった探検部のエリアたちに戻る。


エリアたちはディスネと名乗る女に餓窮の都(ガキュウノト)に行くなら頼み事があると言われ、その頼み事をディスネに絡まれた店の中で聞いていた。


頼み事の内容はというと――どうやら、これから探検部が向かう餓窮の都(ガキュウノト)の中に強大な魔力量を持った何かがいて眠れないから追い出してほしい、というないようなことだった。

ディスネは決して怖いとはいわなかったが、おそらく怖くて中にいるのがなんなのかは確認できていない。

エリアたち探検部はどのみち向かう予定だったので、強大な魔力量を持っているのがなんなのか追い出すことは叶わなくても、最低限確認だけはしてあげようと言い、ディスネの頼み事を受け入れた。

ディスネがなんで遺跡に住んでいるのか不思議に思ったが、五人はこの人だから……と聞かなかった。

そしてお昼を食べ餓窮の都(ガキュウノト)近くの村を出て、一時間近く歩くと森の中に聳え立つ遺跡に到着する。

ところどころ大昔建物だったのであろう瓦礫があり、一つだけボロボロで苔むしたりはしているが、立派な遺跡が崩れずに残っている。

エリア、ネス、クルック、コラスは明るいうちに寝床を作り遺跡を探検する準備を整える。

その間にシェニーはパーセムセロ(感覚強化)で遺跡の中にいるであろうなにかを探る。

ディスネは遺跡の中の魔力を感じ取ろうとするシェニーを見守る。


「たしかに……すごい魔力量のなにかが一番奥にいる……」

「そうだろ? いるだろ?」


ディスネはシェニーの言葉に同調しながらシェニーの肩を掴み揺らす。


「魔人か?」


「わかんない。その可能性も高いけど、上級魔族の可能性だってあるし、普通に頭のおかしな人間の可能性も」


「そんなことどうでもいいだろ!! ほら早く確認しにいけー!!」


「ちょ、押すな……俺先頭かよ」


エリアの疑問を一蹴すると、ディスネはネスの背中を押し遺跡の中へ誘う。

その二人にエリアとシェニーもついて行く。


「ちょっと待ってください、今日はまだ遺跡にはいりませんよ!! 遺跡の中は真っ暗ですよ!!」


コラスは慌てて荷物を持ちディスネに誘われる三人を追いかけ、クルックも荷物を持ってコラスを追いかけ、六人は餓窮の都(ガキュウノト)の中に入る。


「なんも見えねぇ」

「いいから進め!! この遺跡の歩いてる場所ぐらい我は把握している!!」

「無茶言うなよ」

「ちょっと二人とも先に進まない!!」

「大丈夫ですよシェニー。私、目はいいので」

「いや、何が大丈夫なの?」

「待ってくださいね、今灯りを――」


コラスはそう言うと手に持っていた生石(ショウセキ)を輝かせ灯りにする。

照らされた遺跡の内部は狭く、部屋は左右に数個あるが、ひたすらに奥に続いている。

四隅の壁には見たことのない文字や人が何かにひれ伏している絵が描かれている。


「見たことない文字……」


エリアは壁面に書かれている文字に目を通す。


「これは聖人族の古代文字ですね」


「古代文字?」


「はい、今は人族の文字に統一されていますが、神がこの世界にいた時代、私たち聖人族が使っていた文字です」


「エリアさんこの哦窮の都(ガキュウノト)はですね、色々な拘束器具が発見される遺跡として有名なんですよ。この遺跡はある神様が各地から人間を奴隷として捕まえてきて作らせた遺跡だといわれています。壁に描かれている絵は神様を讃えていますが、一部、よーく見てみると神様を侮辱するような絵も見られますよ」


「神様というよりは、魔人族だね……」


「そうですね。大昔、神がこの世界に跋扈していた時代の遺跡を見ていくと色々な神様についての絵や文献が出てきますよ。これも遺跡探検の醍醐味ですね。古代文字は専門ではないのでわかりませんが」


「お前ら早くいくぞ!!」


エリアとクルックとコラスが会話している中ディスネが割って三人を急かす。

ネスを先頭に六人は遺跡の奥へ奥へと進み、進むにつれ歩いている道は幅を広げ、壁に書かれている文字や絵の密度も増していく。

そして些細な変化に気が付く。


「なんか熱くねぇか?」


「遺跡の中なんていつも熱いだろ!!」


「逆だろ」


「そうですね。ネスさんの言う通り少し熱い気がします。コラスさん前来た時こんな感じでしたっけ?」


「いや、そんなことはなかったと思います。それに今頃、外は日も落ちて冷えているはずです。遺跡の中が熱いなんてことは……」


「なら原因は――」


「私たちが今確認しに行ってるなにかね」


そして六人は遺跡の最奥に辿り着く。

最奥には大きな部屋があった。

遺跡の奥に進むにつれ温度は上昇し、気のせいで済むものではなくなる。


「ここね……熱い……」


「シェニー、この部屋にいるんですか?」


「魔力の反応からしたらこの部屋にいるよ。でも、こっちを襲ってくる気配はないね」


「ここは神座(神の居座る部屋)ですね」


「暗くてなんも見えん、ほら行け!!」


「ここまで俺が先頭歩いてきたんだからお前が行けよ!! それにお前の頼みだろ!!」


「そんな喧嘩しなくて大丈夫ですよ。みなさん一応武器を準備していてください」


エリアたちはそれぞれ武器を取り出し準備をする。

コラスはそう言うと荷物の中から一つ生石を取り出し神座に投げる。

投げられた生石は光り輝くと一瞬だけ神座全体を照らし出す。

一瞬照らし出された神座の中は想像よりも広く、大きく立派な玉座が目に入った。

コラスとクルックは餓窮の都の神座を見るのは初めてではないので驚かないはずだが、照らし出された光景に目を丸くした。


「なんなんだこれ? 我の知ってる……都じゃない」


その光景にディスネも言葉を漏らす。

なぜ、六人はそろいもそろって驚いているのか――それは。


照らし出された神座全体が真っ赤に染まっていたからだ。

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