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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
聖人の国フレイア編

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87 新生活への順応

ドゥルールとアグは統合部を後にすると寮を目指す。

ドゥルールに連れられ着いた寮はコラスの場所の下水路の中に作られた寮? とは比べ物にならないほど立派なものだった。

いや、比べることがおかしいのかもしれない。


「こ、ここがアグさんの寮です、部屋は……ちょっと待ってください」


ドゥルールはそう言うと寮の中に入る。

中に入ると寮監の女が出てくる。


「ど、どうも」


「あらドゥルールさん」


「あ、あの、この寮空きありますよね」


「はいありますよ」


「よ、よかったです、ではアグさんここがあなたの寮です」


「ここがねー」


アグが受け流すように答えながら寮の中を見てまわる。


「こ、ここら辺で私は帰ります、寮監さん部屋への案内お願いします」


「わかりました、ではアグさんこちらへ」


そう言うと寮監はアグを部屋へ連れて行きドゥルールは寮を出ていった。




一方エリアとネスとシェニーはクルックに連れられヴィスカ内を一日かけて探検部から一番近い魔族・魔人研究部を起点に左回りに案内されていた。

まずは魔族・魔人研究部の本部に行った。

どうやらアグさんとは入れ違いだったようだが本部は綺麗で大きな建物だった。

次に行ったのは法器研究部の本部。

法器研究部の本部は周りと比べると大きな建物だったが、ヴィスカを代表する部に比べると小さいように感じた。

周りには様々な法器が売られている商店街があり、クルックの話では売られている法器はヴィスカの学生が作って売っていて評価はいいらしい。

次は歴史研究部の本部に行った。

歴史研究部の本部は名前の通り現代の建築というよりは古代の建築を現代風にアレンジした建築だった。

歴史研究部の本部の周りには法器研究部のような市場があり探検部はこの市場によく探検で得た物を売りにきているらしい。

次にアイワンへと通じる道に一番近い魔法研究部。

魔法研究部はどこの部よりも大きく周りも綺麗だった。近場には大きな広場があり色んな人が魔法を使って実験をしていた。

しかし僕たちの目を引いたのは魔法研究部関連のものではなくアイワンへ続く階段の前で抗議を行う集団だ。

多くの騎士が階段の前でその集団を見張っている。


「シェニーあれが独立派?」


アイワンへ続く階段の前で抗議をする集団を見ながらエリアが問う。


「そうね、私がいた頃は騎士団が出るほど酷くはなかった、これを見ると本当に独立派が勢力を増しているようね」


「? シェニーはここの卒業生なんですか?」


「そうだよ、魔法研究部のね」


「それヴィスカを代表する部じゃねぇのか? 金あったのかよ?」


「失礼ね!! ないわよ!! じゃないと安い寮なんて知ってるわけないでしょ!!」


「そういえばさっきも……いや振り返ってみれば色々と……なら先輩じゃないですか!! ごめんなさい呼び捨てなんか」


「いやいやいやいや全然大丈夫だよ!!」


「そうですか?」


「そんなこと分かったうえで呼んでもらってたんだし」


「そうですね」


「そんなことはさておき、私たちの目標はあの組織の裏にいるなにかの調査」


「一番上のやつはどいつだ?」


「そんなこと分かってたら五天様も手を焼いてないわよ」


「それもそうだな」


「ですが独立派のトップはヴィスカでも高い地位であることは確定的ですね、ここにいる人たちは末端の人だと思うので今日のとこは放っておきましょう」


最後に行ったところは魔術研究部の本部。

本部は他四つの本部と比べて平均的な大きさだ。

特筆して市場や広場があることはなく本当に普通の本部だった。

こうして一通りのヴィスカの部を周り二日目は過ぎていった。


そこから講義の始まるまでの残り五日、迷わないようにするため街を散策したり講義を決めたりして一旦目的の前にヴィスカでの生活の地盤をエリア、ネス、アグは固めていった。

その間シェニー、クルック、コラスの三人は各々独立派について調べてはみていたものも、そんな短期間で五天をも見つけられない黒幕の手がかりを見つけれるわけもなく、最初の講義が始まるまでの一週間が過ぎる。


そこからさらに一週間、講義が始まり三人はまた少し変わる生活習慣への適応が求められるが、ヴィスカは良くも悪くも卒業試験さえ合格すれば卒業できる学校。

何年までにこれだけ勉強しなさいというのがない。

すなわち自由に時間を作り自由に勉強でき、自由に休めるのだ。

再度言おう、良くも悪くもだ、なので講義を含めた生活習慣の適応は速かったといえるだろう。

ここまで遠回しに講義は極端にいえば取らなくていいみたいなことを言っておいてなんだが、エリアたち三人、アグは途中で別れたので知らないが方針としては講義を受け、色々な本部に入ってまず怪しい人を探そう!! というものだった。

この方針をとったのはもう一つの目的、自身の成長も兼ねていたからだ。

なので知識を蓄え、ヴィスカの中にも魔法にも魔術、その他にも広く浅く見識を広め少しは成長していった。

一方で見るからに怪しい人はいず、五天ティエトからの独立派の黒幕の調査依頼は困難を極めていた。

そして入部、入部してからはや一ヶ月、探検部に行事? が訪れる。


それはある日の夜、いつも通り開店し数人の客が来た後閉店した統合部のカフェの中。

コラスが店の片付けをしている最中、クルック含めたエリアたち四人はここ一ヶ月の振り返りを机を囲んで話し合っていた時のこと。


「一カ月たったけど独立派についての情報があんまり集まんないね」


「そうね、独立派の末端の人を尾行してみたりしたけど、お偉いさんみたいな人には会えなかったし、まぁ予想ではリーダーは代表する部の部長なんだけど、ヴィスカを代表する部の部長に会う方法なんか思いつかないし、アグの方どうなってるのかな?」


「姉ちゃんと連絡取ってないのか?」


「取ってるけど、九割関係ない学生生活の話で終わっちゃうの」


「なにしてんだよ……」


「独立派のリーダーがわかったとて目的のその裏の人物に辿り着かないとだしね」


「そも独立派の奴らの口が堅すぎる、なんなんだあれ、なんでこんなことをしているのか、誰に指揮されてるのか聞いてみれどなんも教えてくれねー」


「完全に行き詰まりましたね」


「独立派のリーダーが誰かティエトに聞いてみるか? そんくらいは知ってるだろ」


「そんなの、知ってたら最初に教えてくれてるよ」


と四人が天井を見上げ途方に暮れていると片づけを終えたコラスが四人のもとに来て話しかける。


「みなさんこういう時は気分転換ですよ」

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