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8 初依頼 おわり?

この世界は五つの知性ある種族、人族、聖人族、獣人族、巨人族、竜人族、がそれぞれの国を造り世界を統べている。そして魔人族が世界の敵として存在している世界。そんな世界で生きる一人の人間の物語。

エリア、ネス、シェニーは異様な魔族を取り囲んでいる。


「私の魔術で牽制をする、エリア、ネスは弱点を突いて、魔族の倒し方は首を落とすか心臓に当たる部位の損傷、それか魔族の体は残滓だけど魔力と生命力が源だからそれがなくなるまで削ることよ、あいつが魔族の限りそれは変わらない!」


「はい!」

 

「わかってら!」


エリアとネスは魔族へと走りだす。


「『薔薇縛(ソウビバク)』『蜂害放鳥(ホウガイホウチョウ)』」  


シェニーがそう唱えると異様な魔族の下から棘のついたツタが生え異様な魔族に絡みつき、開けた広場には無数のツタが生えてきシェニーの槍を絡みとり、槍を持ったツタが異様な魔族と対角線上にあるツタへと槍を投げ攻撃する。

異様な魔族は棘のついたツタを解こうとしているがなかなか解けず、四方八方から飛んでくる槍に攻撃される。

しかし、シェニーは感じ取る……

 

なんて力…!!


「エリア、ネスこの拘束、長くもたないよ!!!」


ツタがミシミシと悲鳴をあげる。


「『雷身(ライシン)』」


ネスの体に電気が走り出す。

雷身は身体能力を高める魔術だ。


「まずは試しに心臓一突きだ!『瞬雷突(シュンライトツ)』」


ネスは拘束されている異様な魔族の元へ走り、懐に潜ると飛び上がり異様な魔族の心臓に当たる部位へと剣を突き立てる。

心臓あたりにあったゴブリンらしき顔が悲鳴を上げる。


「キヤャャャャャヤ!!!」


おいおい硬すぎだろ...心臓に届いてないのか…しかもきもちわりぃ。


そのとき異様な魔族を拘束していたツタがちぎれ、ネスに殴りかかる。


ふざけんな!!いくらなんでも拘束解けるの早すぎだろ!!!これは…まずい!!!


「『散弾光(サンダンコウ)』」


エリアは黄色く光る剣を振り上げネスに殴りかかった拳を受け止める。

しかし受け止めたはいいものの、力負けしエリアとネスは吹き飛ばされ木にぶつかる。


「エリア!ネス!」


シェニーが吹き飛ばされたエリアとネスに気を取られてる間に異様な魔族がシェニーへと一目散に走りだす。無数のツタが一つのやりを四方から飛ばし攻撃するが、異様な魔族はその槍を腕で弾き飛ばし、ツタを引きちぎりながら走りシェニーへと殴り掛かる。


「オォォォォ!!!」


なんなのこいつ!?


「『翠盾樹(スイジュンジュ)』!!」


まずい間に合わない!!!


地面から大木が生えてき、殴りかかった腕を下から突き上げ運良く攻撃を回避する。


ラ、ラッキー……!!!!!


だがそんなこと関係なく異様な魔族は生えてきた大木へと殴りかかってくる。殴っている魔族の背中を槍がひたすら攻撃するが………


ドス、ドス、


馬鹿力すぎでしょ!!!それにそんなに私の攻撃効いてないの!?


「『閃光(センコウ)』」


エリアはすごい速さで異様な魔族へと近づき左足を斬る。しかし左足を斬り落とすには至らない。


足を斬り落とせれる威力はあると思ったのに、硬すぎる!これが僕の力…


だが斬ったおかげで魔族は片膝を突き殴るのをやめる。

ネスも戦闘に復帰する。


「胸を刺してみてわかった!あの硬さなら首を落とすのも無理だ!!化け物の生命力と魔力がなくなるまで削り続けるそれしかない!!」


「『雷槌(ライツイ)』」


ネスが剣を異様な魔族の右腕へと振り下して斬る。その後、遅れて斬った右腕へと雷が落ちる。


「オォォォォ!!!!」


異様な魔族は悲鳴を上げる。

エリアとネスがつけた傷がみるみるうちに治っていく。

治った途端異様な魔族は標的を変えエリアへと走り出す。

それを見たネスは異様な魔族を追いかけ、シェニーは自分の足元から植物を生やし何かの準備をしている。

エリアは異様な魔族を迎え撃つ構えをとる。


さっきと同じように足を斬る!切断はできないけど、傷もつけれるし、怯ませれる!


「『閃光(センコウ)』」


エリアはものすごい速さで魔族の足元へと移動する。しかし異様な魔族もその速さに合わせてエリアを上から拳を振い地面へと殴りつける。


「エリア!!!」


ネスは急いで異様な魔族の背中に斬りかかる。

異様な魔族は振り返り際にネスを殴り飛ばす。

異様な魔族の下からまたツタが生えてきて異様な魔族を拘束する。


「エリア!!ネス!!私にあいつを一撃で殺す作戦がある!!だからあいつの気を引いて時間を稼いで!!!お願い!!!」


異様な魔族はすぐにツタを払いのけシェニーの元へと走り出す。

その声を聞きエリアとネスは立ち上がる。


「わかった!」

「おう!」


「『魔力弾』!!」

「『雷走(ライソウ)』!!」


魔力の塊と放たれた雷はそれぞれ走る異様な魔族の足と顔にあたる。


「おまえな相手は僕たちだ!」

「おまえの相手は俺たちだ!」


異様な魔族はネスへと走りだす。


「さぁ!!!来いよ!!!」


ネスは華麗に異様な魔族はの攻撃をかわし、攻撃してきた腕に剣で斬りつけ距離を取る。エリアもネスが斬りつけできた魔族の小さなすきを見逃さず攻撃する。それを繰り返し、何とか耐え忍んでいる。

エリアとネスが引きつけている間にシェニーは巨大な手と槍を植物で作りあげた。


「シェニーこっちもおまえの棘まみれのツタぐらいもう長く持たねーぞ!」


「うるさい!もう準備はできたけど!どうやって攻撃当てようか考えてなかった!!」


「バカヤロウが!!!」


「あの棘のツタはだめなんですか!?」


「むり!!!今はもう完成したこの魔術の維持で手一杯!!!」


そんな話をしているとネスが振った剣を魔族がつかまえる。


「まじか…」


捕まえた手とは反対の手で思いっきりネスの腹を殴る。ネスは殴られた勢いのまま飛んでいき、剣も手から離れる。

異様な魔族は飛び上がりエリアの立っている地面めがけて思いっきり殴り掛かる。地面は大きな砂埃を上げる。


何も見えない……!!!


砂埃の中から大きな影が迫ってき、拳がエリアめがけて襲ってくる。


「『光落(コウラク)』」


エリアは拳に向かって黄色く光る剣を振り下ろす。振り下ろした剣は拳の中間で勢いを失い、拳は剣が刺さったこと関係なしにエリアの顔を殴り飛ばした。

異様な魔族はすぐさま標的を変えシェニーへと走り出す。


どうする?いまこの魔術を撃っても絶対にかわされる、『薔薇縛』か『翠盾樹』を使って二人が復帰する時間を稼ぐ、いや使ったところで長くはもたない、それに今この魔術が完成した状態で使ったらこの魔術が崩れかねない。


ここでシェニーはあることに気が付く。ネスの剣はネスから少し離れたところに落ちていて、異様な魔族の拳にはエリアの剣が刺さっている。


あいつら剣持ってない!!あーもう無理、考えられない!!一か八かで『薔薇縛』を使う!!


「『薔薇縛』」


走ってくる異様な魔族の足元から棘の生えたツタが生えてきて、魔族を拘束する。だが予想通り異様な魔族は数秒で振りほどきまた走り出す。『薔薇縛』を使った影響で準備していた魔術が少し崩れていた。


その頃異様な魔族に思いっきり殴り飛ばされ気を失っていたエリアが立ち上がる。


気を失っていたのか?


エリアが目覚めてぼやぼやながらも見た光景は異様な魔族がシェニーへの走っている光景だ。


「エリア!!!!動け!!!!!!」


時を同じくしてネスも気絶していたのであろうが立ち上がる。


「集中しろ、ここに全てをかけろ、ここが正念場だ、『一意雷身(イチイライシン)』」


ネスの足にものすごい電気が走りだす。その電気はあちらこちらへと空間を走る。

ネスは遠くに落ちていた自分の剣も拾わずに走り出し一瞬で異様な魔族の足元へ行き異様な魔族の片足を両手で抑える。足を抑えたことで異様な魔族の動きが止まる。

異様な魔族は両手を握り足を掴んでいるネスの背中へと振りかざす。


「ネス!!!!」

 

シェニーが叫ぶ。



そのときエリアを激しい頭痛が襲い目の前が白い世界へと変わる。


「これが僕の力?」


誰だ?誰かが喋ってる。頭が痛い。


「これが魔術ですか…」


魔術?なんの話だ?誰かと話しているのか?


エリアが白い世界から帰ってくると目の前の光景は異様な魔族が両手を握りネスの背中を殴る瞬間だった。


頭が……


「そうだ、この状況で使えるのは『##』だ」


頭の中で声が響きエリアは直感で体が動いた。


「『閃光』」


エリアは異様な魔族の手に刺さっている剣へと瞬く間に移動し、剣を横向きへと直し左に薙ぐ。異様な魔族の手は拳を振るう途中で腕まで半分に裂けた。

異様な魔族の腕がダらっとなり殴ることができなくなる。


「グアァァァァァ」


「ドオリャャャャャ!!!!」


その隙を見逃さずネスは押し返しそのあまりの勢いに異様な魔族は地面へ倒れる。


「いまだ!シェニー!」


二人はそう言いながらシェニーの方を見る。


「エリア、ネス本当にありがとう!!!!さぁ、私のために手を動かせ『神草木手(シンソウモクシュ)』!そして化け物!私の最大の武器をその身をもってしっかり受け取りなさい!『深緑訃(シンリョクノシラセ)』!」


草木でできた巨大な手が、同じく草木でできた巨大な槍を異様な魔族へと投げる。異様な魔族は避けようとするが体勢が悪くうまく避けれない。


ドゴォォォォォン


巨大な砂埃が上がる。


「すごい威力...」


ゴホゴホ、砂埃を片手で払いながらエリアが言う。


「どうなったんだ?」


「二人のおかげで倒せたよ」


ドン、ドス


砂埃の奥から音がする。


「な、」


「冗談きついぜ」


砂埃の中から異様な魔族が現れる。巨大な槍で貫かれ、風穴が空いたどころではなく、一度真っ二つになったであろう身体を怪物的な回復能力で治して、かろうじてくっついている状態だった。


「大丈夫、回復し切ったとしても魔力と生命力切れですぐ消滅するはずよ、終わりね」


シェニーの言った通り異様な魔族の身体は空気中へと徐々に消えていった。

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