85 魔族・魔人研究部
場面は魔族・魔人研究部の本部に向かうアグに移る。
「ここが大通りで本部はあっちだからこっちに行けばつく!!」
アグは一人でそう言いながらシェニーに言われた通り大通りを使い魔族・魔人研究部の本部を目指す。
大通りを使い魔族・魔人研究部の本部に近づくにつれ大きな寮が増え街並みは整備されていく。
アグが到着した魔族・魔人研究部の本部の建物は大きくフクロウの絵の描かれたバッジをつけている人が割合として大きく出入りしているが他のバッジをつけた人もいる。
大体はここで講義や研究の予定がある人たちなのだろう。
「着いたけど部に入るには誰に話しかけたら良いんだろう、うーん、あっ!」
アグは話しかけやすそうな誰かを見つけたのか話しかけに行く。
「ねえ!!」
そう言いながらアグは男の肩を軽く叩く。
アグに肩を叩かれた男は何か驚いた様子で振り向いた、いや、そんな気がしただけだったのかもしれない。
「何の用ですか?」
男は無表情でアグにこたえる。
「ここの部に入部するにはどうしたらいい?」
「入部希望ですか、すぐそこなので案内しましょう」
男はそう言うと魔族・魔人研究部の本部にアグを連れて入る。
「あの扉の先で手続きができるので、では私はこれで」
男はそう一言言うと足早にさって行った。
「行くのはや!! まーいっか、ここで手続きができるのはわかったし」
アグは案内された先の扉に入ると中には誰もいなく本や資料やらが綺麗に並べられている部屋だった。
「あのー!! ウチこの部に入りたいんですけど!!」
「そんな大きな声を出すな気付いてるわ!! 入部の話だろ新入生!!」
そう言うとスキンヘッドの男が多くの本の奥から出てきてアグに近づいて来る。
「だって、だれもいないんだから大声出すしかないじゃん!!」
「たしかに、いつもはドゥルールも他のやつもいるから気にもしなかった、すまん」
「他の人たちは?」
「他のやつらは今から講義だからな大体出てる、ちなみに私は休憩だ」
「そんなことはいいから入部手続きしてよ」
話が噛み合っているのかいないのかトントンと話が進む。
「いつも他のやつがしてたからな、私には無理だ、ドゥルールが帰って来るまで待て」
「そのドゥルールも講義なんじゃない?」
「ドゥルールは講義じゃない、昼ごはんを買いに行ってるだけだ、すぐに帰って来る」
「昼ごはんってはやくない?」
噂をすると何とやら男とアグがそう言っているとアグの入ってきた扉が開く。
入ってきたのは黒い髪の聖人族で暗い雰囲気を漂わせた背の低い少女で手には買ってきたお昼ご飯を持っていた。
「そ、その人はだ、だれですか? ハッゲさん」
「サグラン・ゲッハだ!! ハッゲじゃない!!」
「ウチはアグ・ウーピット、ハゲじゃないよ? よろしく」
「これはハゲではなくスキンヘッドという髪型だ!!」
「私はムタ・ドゥルールです、よ……ろしくお願いします、それで――入部の手続きですよね、ま、待ってくださいね」
ドゥルールはそう言うと足早に自分の普段のポジションであろう席につき数枚の紙に目を通し紙に書くこと数分――。
「終わりました、では、げ、ゲッハさん暇ですよね? 統合部に連れて行ってくだs」
「私は次の講義まで寝る!! 講義がないんだからドゥルールが行け!!」
そう言うとゲッハは部屋の奥の方に行ってしまった。
「――行きますか……」
ドゥルールはダルそうに席を立ち上がるとアグはついてくるだろうとふんでいるのか、何も言わずに扉を開き部屋を出る。
もちろんアグはついていく。
「ドゥルールはこの部の生徒なの?」
統合部に向かう道中、アグは前を歩くドゥルールに近づいて話しかける。
「ち、違います、こう見えて私は教授です」
「へぇー教授なんだ!!」
「あ、あ、アグさんはどこのお金持ちなんですか?」
「どこのお金持ち? いや別に普通の討伐者だけど」
「討伐者!? お、お金大丈夫なんですか!? 入部費も寮代も高いですけど……」
「入部費なんかあるの?」
「ないとこの方がすくないですよ……」
(あそこは特別だったんだ)
「あっ、お金は大丈夫!!」
「そうですか、で、でもなんで討伐者の人がヴィスカに……」
「お金が貯まったらヴィスカに入学しようと思ってたの、弟も入学してるし」
「そ、そうですか……でも時期が悪いですね」
「時期って、独立派のこと? 制度のこと? やっぱりこの部にも影響が出てるの?」
「ど、独立派もそうですが、制度のことです、私たちの部は大きいので影響はそれほどですが小さい部は影響が大きいでしょうね……」
「それってこの部にとっては嬉しいことなんじゃない? 小さい部がない分の人が来るし、それでお金はもらえるし」
「た、確かにその点だけいえば嬉しいですが……ヴィスカ全体でいえば混沌としてます、部が減ることはそれだけの学問が減ることです、学問が減ればそれだけ多様だった知識が失われ知識の自由が失われてしまいます、これは私たち人類の発展に後世少なからず悪影響をもたらしてしまうと私は考えています」
「そこまで?」
「初代五天様が作った制度で部の設立、存続が簡単だったのも多様化を願ったからだと私は考えています、それがきっと未来の発展につながると五天様は考えたのではないかと」
「ふーん」
と二人が会話をしていると統合部に着いた。
中に入ると受付のような場所に昨日と同じ女が座っていた。
「あ、アグ・ウーピットさんですね、先ほど兄弟さんたちがきてましたよ」
(たち? ネスしか弟いないけど――そういえばそんな設定だったっけ、公式には)
「そうなんだー、でさ入部したいんだけど」
「ではバッジを」
アグは女にそう言われるとバッジを渡す。
ドゥルールもつけていたフクロウの絵が描かれたバッジを外し女に渡す。
女は二人のバッジを受け取ると奥に持っていく。
「だ、大丈夫なんですか兄弟さんたちと一緒の部ではなくて……」
「大丈夫、大丈夫」
しばらくすると女は二人のバッジをもって戻ってくる。
アグのバッジにはフクロウの絵が描かれていた。
「これで入部の手続きは終わりました、講義は今日から六日後なので気をつけてくださいね」
「はーい」
アグはそう言うとバッジを受け取りドゥルールと一緒に統合部を後にする。
「つ、次は寮に案内しますね」
そう言いドゥルールは魔族・魔人研究部の本部の方へとアグを連れて戻る。




