表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
聖人の国フレイア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/100

80 寮無しされど店有り

「はいどうぞ皆さんこちらの席へ」


と僕が迷子になっていた時にはな話しかけてくれた緑がかった髪を後ろで二つくくりにした女が四人を案内席に案内する。

店の中には客はいなくカウンターには少し歳のいった男が立っているだけ。

席についてもシェニーとネスは一言も喋らない、空気は最悪だ。


「ねえねえ、メニュー表はないの?」


「えーと、オムライスとチャーハン、飲み物は水かコーヒーです」


「うーんと、ウチはオムライスと水で」


「僕もオムライスと水で……」


(アグさんメニューについてなんとも思わないの?)


「かしこまりました、オムライスと水二つですね、ところでそちらの二人は……」


と女はエリアとアグの注文を聞き入れるとシェニーとネスに目をやる。


「私はチャーハンと水で」


「俺はオムライスと水で」


シェニーとネスは静かに応える。


「かしこまりました」


そう言うと女はカウンターに行く。

するとネスが喋り出す。


「こっからどうすんだ、こんな街中で止まるとこがねえとか良い冗談だ、まだ一日目だぞ」


「あぁーまさかこんなことになるとは……」


とネスの言葉にシェニーは頭を抱え机に顔を伏せる。


「とりあえず今日は野宿か?」


「ごめんだけどそうなる、まさかどこもダメなんて……」


「でも明日からはどうするの?」


とエリアが当然の問いを投げかける。


「明日からなら確実に空いてる寮がある……」


「なら今からその寮に行けば良いんじゃねぇのか? てか今日なんで行かなかったんだよ」


「それは……高いから……」


「え?」


と三人は声を出す。


「お金ならウチあるけど、ギムレの報酬でみんなで一週間稼いだ分もあるし」


「それで二週間ぐらいかな……」


「どんだけ高いんだよ!!」


とネスがツッコむ。


「空いてるのはヴィスカを代表する部が経営してる寮でね、部に入れば泊まれるよ、高いけど……」


「そんな高いと誰も泊まらないんじゃない?」


「そもそもそんなお金がない人はヴィスカに通わないからね、それで今日行って回ったのはそこまでのお金持ちじゃない人用の寮」


「そういうことだったんだ、言ってくれたらよかったのに」


「別に言うほどのことでもなかったの、私が通ってた時はボロボロだったけど、どこも空いてたし数もあったし」


「はいどうぞ」


シェニーがそう言っていると女が注文した料理を持ってくる。


「ありがとうございます」


とエリアがお礼を言うと女はエリアたちを見て何かに気がついたのかカウンターにいる男を呼ぶ。


「コラスさん!! コラスさん!!」


「なんですかクルックくん」


「見てくださいこの人たちのバッジ!!」


カウンターの男は呼ばれるとこちらに来てエリアたち四人をまじまじと見る。


「はいはい、……!? これは!?」

「コラスさんそうです!!」

「このバッジ!!」

「そうです!!」


「新入生ですか!!」


「そうですよコラスさん!!」


と四人を置き去りにして店の二人は喜びまくる。


「あのー……」


シェニーは喜ぶ二人に戸惑いながら呼びかける。


「なんでそんなに喜んでるのですか?」


そう言うと二人は四人を、いや客を置き去りにしていたことに気がつき一人でに照れだす。


「いやいや、まあーコラスさん説明を」


「わかりましたクルックくん、実はですね最近ヴィスカの制度が変わって新入生の価値というのが高くなったんです」


「どう変わったのですか?」


シェニーは聞く。


「変わったのは部の維持についてです、もともとは統合部に一定のお金を払うと認められてたんですが、最近になって五人以上じゃないと部としては認めないというのが追加されたんです」


「そういうことで新入生を探してたんですけどなかなか見つからなくて、大体の人はヴィスカに入るとすぐに大きな部に行っちゃいますから……それに一度部に入ると卒業まで抜けれない始末……」


「ということなのでどうですか? 私たちの部、探検部に入りませんか?」


とまさかの勧誘を四人は受ける。


「探検部ってなに? よくわかんないんだけど……」

「私も知らないよ」

「どうすんだ? ここに入ったら俺たちの泊まる場所は……」

「そうなの……!! そこも問題なの……!! 逆に言えば寮のために部に入ったらもう好きな部には入れないのよ」

「断る方向で良いんじゃねか?」

「でも良い人たちそうだよ」

「最悪このお店に泊まらせてくれたり……」


三人が選択に悩んでいると一人でオムライスを食べていたアグが一声。


「いいよー、その代わりウチらが泊まれるところ用意してね!!」


「ちょっと!!」


と三人が声をあげる。

しかし店の二人は三人の様子を気にせずアグの言葉だけを聞き喜び出す。


「もちろんです!! ですよねコラスさん!!」


「え……はい!! 用意しますよ!!」


(あれ? 本当に泊まれるとこあるんだ……というか上手くいきそう……)


「みんな良かったね!! これでウチらのヴィスカでの生活は安泰だよ!!」


と、なんだかんだあったが一日で部と寮が決まるのであった。


「どうぞオムライスとチャーハン食べてくださいね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ