77 え? そんなすごい人だったのって思うことあるよね
とりあえずシェニーの実家で一週間泊まらせてもらうことになった。
シェニーの両親も三日後にはなんとかシェニーの状況を受け入れたようで、僕たち三人にも優しく接してくれた。
シェニーのお父さんアルモアさんはラングでハンバーガー? という食べ物を売る商売をしているらしく毎日朝早くに出ていく。
僕たちも一週間なにもやらないのは退屈だということでラングを観光したり、ギムレでゴミ拾いから魔族の討伐なんかしてお金を稼いだりと過ごした。
もちろんアグさんとも一緒に魔族の討伐に行ったがすごく強かった。
僕たちの出番がないくらいに。
戦いではどこからともなく無数の剣を出して気がついたら中級下級魔族を瞬殺していた。
あれがアグさんの魔術なのだろうか?
そしてとち狂ったのかネスにどこからともなく生成する剣を投げつけては「ネス!! ウチがいない間に強くなったんでしょうね!? ほれ!!」と言って、ネスは「殺す気か!?」と嘆いていた。
ネスには悪いがどこか懐かしい光景に思えた。
盗人の件の報酬や僕たちと受けた依頼の報酬を貰いにギムレに行くといつも受付の人がアグさんに気を遣っていた。
高いランクなのだろうか?
あと盗人の件の報酬の多さに驚いた。
アグさんは報酬をもらうと毎回クレープを僕たちに買ってくる。
よっぽどハマってるらしい……。
とそんなこんな一週間経ち、ティエトさんと約束した日を迎える。
「約束の日に来てみたらいいものの、こっからどうしたらいいの?」
とエリアは呟く。
そう、今エリアたち四人はアイワンの門の前で佇んでいた。
「そういや姉ちゃん、あん時遅れてきたよな? どうやって入ったんだ?」
「ん? いやこうやって……」
と言いながらアグが門の前にいる兵士に話しかける。
「ねえ!! ウチ、ギムレの五大守護者なんだけど入れてもらえたりしない?」
「ま、またあなたですか……」
とアグに話しかけられ門の前のフレイア騎士が困ってる中、その会話を聞き三人は(ん?)と思う。
(あれ? 今たしかに五大守護者って言ったよな?)と。
「今日はどういった要件ですか?」
「えーと、ヴィスカに仮入学させてもらえる手続きのためかな?」
「なんですかそれ……」
「だからティエトに会わないといけないんだよ、入れて?」
「ちょ、ちょっと待ってください、今確認を――」
三人の思考御構い無しにアグと騎士の話は進む。
「そういえばウチが勧めたクレープ食べに行った?」
「確認するので……ちょ」
とアグはラルクの魔法陣の描かれた紙を取り出し使おうとする騎士に話しかけ続ける。
「どうなの?」
「まだ、食べてないです!!」
「は!? なんで!?」
「食べに行きますから!!」
会話が一区切りしたのかアグがこっちに歩いてくる。
「と、こんなかんじで話してたら」
「またですか!!!!」
とアイワンの中の方から大声が響き渡ってくる。
「ほら来た!!」
アグは嬉しそうに声が響き渡る方を指さす。
「あ、ヨロセコ様、ちょうどいたところに来てくださいました」
「いえいえ、なにやら騒がしい声が聞こえましたから、あの女かと思いまして……」
と門の前の騎士と話をするソルミ。
「ソルミはクレープ食べた?」
「食べてないです、そんなことよりアイワンの前で騒がないでください」
「な、なんでみんな食べないの!?」
「みなさんが食べてないのは知りませんよ……」
(あーこうやってヨロセコさんを呼んで入れてもらったんだ……ってそうじゃなくて!!)
「なあ姉ちゃん……?」
「なに?」
とソルミに途切れなく話しかけるアグにネスが話しかける。
「姉ちゃんって五大守護者だったのか?」
「なに今更?」
「いつから?」
「いつからって……んー、前の人が辞めてからだから、三年前くらい? 言ってなかったっけ?」
(いや知らねーよ)
とネスは唖然とした表情をする。
僕とシェニーが知らないのは当然だけど、ネスも知らなかったらしい。
「五天の真似事をするのはいいですが、真似するならなぜこんなのをギムレは五大守護者に選んだのでしょうか……」
と頭を抱えるソルミ。
「こんなの?」
「確かにこんなのだけど……まさか五大守護者とは……」
「五大守護者に引っかからないで!! こんなのに引っかかってよネス!!」
「この話はまた後にしてもらえると嬉しいです、中でティエト様がお待ちしております」
とソルミがとりあえず四人をティエトのもとへ案内する。
案内されたのはこの前とは違うまた豪勢な部屋でどうやら執務室のようだ。
中に入ると正面にティエトが椅子に座っていて、山積みにされた紙にサインしている最中だった。
「みんな来てくれたね、結構法律的には怪しいっていうか黒だからねー、手続き大変だったよ」
そう言いながら机の引き出しを開け四枚の紙を取り出し四人に渡す。
特別な質感の紙というわけでもないが入学証明書と大きく書かれていて、真ん中には名前、少し上に保証人の名前が書かれている。
「これがヴィスカへの仮入学証明書、一応シェニーのご両親に許可をもらってみんなシェニーの血の繋がってない兄弟っていう設定で入学してもらうから」
「な! いつのまに!?」
「説得大変でしたよティエト様」
「ありがとねソルミ」
「急に態度が変わったからなんか変だと思ったけど……そういうことか……」
「独立派の調査に私からってのはできないし、騎士団関係者、ラングの政治関係者から送り出すのは得策じゃないからね」
(本当に黒寄りの黒だ……)
「入学証明書って書いてるけど?」
と紙をまじまじ見ながらアグが呟く。
「仮入学なんて制度ないから」
「それじゃ俺たち死ぬまで外に出れねぇじゃねぇか!! シェニー話が違うぞ」
「い、いや〜、ティエト様なんとかしてくれますよね……?」
とシェニーが声を震わせながら尋ねる。
「心配しないで、期間が来たら何とかして出すよ今回入学させたみたいにね、それで期間は要相談って言ったけど三ヶ月、まあ短くしたくなったり、なにかあった時に」
とラルクの魔法陣が描かれた紙を四人に渡す。
「これで私に連絡して、絶対になくさないでよ、知らない人から連絡がきたらビックリするから、それでは頑張ってください」
「はい」
と四人は本当に大丈夫か? と思いつつ返事をする。
「ではみなさんこちらへ」
そう言うとティエトはさっきまでやっていた作業に戻り、ソルミがすぐに四人をアイワンの外に、ラングを真ん中で隔てる城壁の前まで案内する。
これを読んでる人と未来の自分へ。
この時の私は急いで、あっヤバい!! このままじゃ投稿できないと思い急いで書きました。
まぁ、いつもですが……。
なので後々に修正します。
内容が変わることはないです。




