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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
聖人の国フレイア編

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78/100

74 要望通り

「それで本題ってなに?」


とアグは椅子に座ると片手でクレープの包み紙を弄びながら聞く。


「本題の前に手紙から――」


とティエトはレーヴァが五天の一人であることを伏せてまずは手紙の内容を話した。


「え! ネス師匠なんてできたの!? ウチが師匠兼お姉ちゃんだったのに!?」


「どっちも師匠ってほどじゃねぇよ、少し教えてもらっただけだ」


「あ! ところで君たちはネスのなに?」


(いまさら!?)


「僕たちはネスさんの討伐者仲間で僕の目的の魔人を倒すのと妹を見つけるのを手伝ってもらっています」


「魔人? 妹?」


「姉ちゃん、討伐者仲間だ、こっちの真面目そうなのがエリア・ブラグル、こっちの不真面目そうなのがシェニー・タンタス」


「誰が不真面目そうよ!?」


「へぇー仲間ね、よかったじゃんネス!! どうネスはあなたたちと上手くやれてる? この子友達とかいないからさ、人付き合いはアレだけど」


(それをあなたが言いますか……)


「余計なこと言うな姉ちゃん、上手くやってるよ」


「それで討伐者になったの?」


「そうだよ」


「お金はどうしたの? ギムレに入るためのお金、どうしたの?」


「ぇ」


「まさかウチのお金使ったりしてないよね!? ネスがいなくなった日いっしょに財布の中身も消えてたんだけど、ネスじゃないよね!?」


「おれです……それは本当にすいません、絶対に返すから」


「いやいいけど、なんかここ最近こういうお金がなくなることが多いんだよね、なんかの魔法にかけられたのかな?」


「本題にいっていいかな?」


「あ、そうだったね! で本題ってのはなんなの?」


「手紙には二つの要求が書かれてたよね、キミたち三人を強くすることと、魔族、魔人族の有益な情報を与えること、この二つを一挙に解決できる方法がちょうどあるんだよ、と教える前に、一つ確認させてください、アグさんにも協力をお願いしたいのですが、大丈夫ですか?」


「私は暇だし大丈夫だよ」


「ありがとうございます、それではこちらからある依頼を出したいと思います、内容は独立派の裏にいる()()()()()です」


「……!? 陛下よろしいのですか? 騎士団が動けばこのようなこと」


ソルミはティエトに心配そうに聞く。


「騎士団は動けないの」


「独立派の裏にいる黒幕の捜索?」


とエリアが聞く。


「これは騎士団も手を出しにくい事案でね、ちょうどいいところに良い人材が来たってこと、なので四人には黒幕の捜索のためにフレイア国立国際大学ヴィスカに仮入学してもらいたいと思います」


「?」

「?」

「……」

「?」


三人の頭の上にクエッションマークが浮かび上がる。

シェニーだけは頭を抱えていた。


「期間は要相談で、黒幕っていうのはヴィスカで独立派を操る魔人と通じている人間もしくは魔人のことでね、見つけたらその場で捕えてもいいし、騎士団に報告するだけでもいい、ついでにヴィスカに通っているうちはヴィスカで魔法や魔術、様々な勉強もできる、手紙通り二つの要件を満たしているでしょ?」


「確かにそうですね、黒幕……その人を捕まえられたら情報も聞き出せるかもしれない、魔人だったらそれこそ……やります!!」


エリアはすぐに提案を受け入れる。


「姉ちゃんはいいのか?」


「ウチはなんでもいいよ!」


とアグ、ネスの兄弟も提案を受け入れている一方、一人悶えている人がいた。


「う……嘘でしょ、またあの地獄に行くの?」


その苦しんでいる様子のシェニーにティエトが聞く。


「シェニーさんはヴィスカの卒業生なの?」


「そうです……あの勉強漬けの日々が脳裏をよぎります……あぁ」


「そんなにか?」


と失笑しながらネスが言う。


「!? ネスは五天様に感謝しなさいよ!! アンタなんか一生頑張っても入ることのできない場所なんだから」


「テメェ俺をバカって言いたいのか!?」


「シェニーって凄かったんだね」


「なによエリアまで!? でも待ってください、なぜ黒幕が魔人族だって考えてるのですか? 違う可能性だってありますよね? それに独立派なんて小さな勢力を使う理由なんてありますか?」


とアグは質問を投げかける。


「それは少し前の独立派だよ、最近は力をつけていってる、簡単に独立派について言うと、ヴィスカを新国家として誕生させようとする組織です」


「すごい組織ですね……」


「ここ数年で突然独立派の動きが活発になりました、活発になったのはなにか原因があるはずなんですが、いくら調べても原因が見えてこない、新たな魔法の開発やアングルボザやテュールが絡んでいるならなにか手がかりの一つあってもおかしくないのですが……、そもそも、手がかりを見つけられないのは騎士団がヴィスカに入ることができなくなったことが大きいですが、このまま勢力を増やして独立派が反乱でも起こそうものなら少なからず魔人族にとってこのフレイアを攻める絶好の機会が訪れます、それに時期も相まって私は独立派の裏にいるのは人間の魔人族に通ずる裏切り者、もしくは魔人が直接絡んでいるように思えるのです」


「そういうことです……か」


とシェニーが呟く。


「そういうことです、なのでどうぞ頑張ってください、入学の手続きやら学費やらはこちらが済ませますので、そうだね……一週間後私を訪ねてください」


「わかりました」


「それでどうする? 一週間アイワンに泊まってもいいけど」


「陛下それは……」


「だ、大丈夫です、私の実家がありますので……」


とシェニーが断りを入れる。


「そう? それではまた一週間後」


「よろしくお願いします」


エリアがそう言うと四人は席を立ちティエトの自室を後にする。

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