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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
獣人の国スルト編

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53 運命の別れ道

ネスに斬り落とされたオウヴェルディの腕は次の瞬間には腕は元通りになる。


(やっぱり治んのかよ、しかもあんときの魔族より治り速ぇし、さすがは魔人だな、治んじゃねぇよ!!)


「魔術持ちはまっすぐした戦い方をするな!! リーハスとはまた違う、面白い!! いくぞ人間ども!!」


そう大きく叫ぶとオウヴェルディの踏み込んだ地面が大きくえぐれる。


「身体強化・k……」


「『箱森(ハコモリ)』」


今にもエリアとネスのもとへ行こうとしてたオウヴェルディの足下から大きな木や草やツタがビッシリと生えてきてオウヴェルディを取り囲む。


「なんだこれは!? 身動きが取れん!!」


「どうよ、特訓中に考えて編み出した技は!!」


「ありがとうシェニー、『光落(コウラク)』」


エリアはジェニーの魔術で身動きの取れないオウヴェルディめがけて正面から光り輝く剣を振り下ろす。


「『身体強化・強』」


そう言うとオウヴェルディは木を折り、ツタをちぎり、葉を吹き飛ばし正面から斬りかってくるエリアに向けて拳を振り上げ剣を受けとめる。


(なんて力……吹き飛ばされそうだ……あの時の感覚を思い出せ)


(なんだこの人間……俺の魔術にここまであらがえるのか!?)


「ドウリャァァァァ」


オウヴェルディは雄たけびを上げながらなんとかエリアを力で吹き飛ばす。

だが反動でオウヴェルディはの腕はズタズタになる。


(この魔人の腕……自分の魔術に耐えれてない? でも一瞬で治った……)


「『身体強化・強』」


「エリア!!!!」


ネスが叫んだ瞬間、オウヴェルディは吹き飛ばされ体勢が立て直せていないエリアに向かって自分の片足を犠牲に一足で近づく。


「『身体強化・強』」


そう言うと勢いのまま強大な拳をエリアに向かて放つ。

(ま……)

エリアはかろうじて剣を構えて防御の構えを取ったがオウヴェルディの拳をもろに受けてクレーターの側面に激しい音を立てながら激突する。


(エリアをたすけねぇと……どうする一か八かあれを使うか……でも倒せるのか? 倒せなかったら俺は使いもんになんなくなる、いや損傷させられるだけでもあとはシェニーが何とかしてくれるだろうし……)


とネスが一瞬何かに迷った瞬間、距離は遠いがオウヴェルディはネスに向かって拳を振る。


「『身体強化・強』」


「ネス!!」


(しくった!!)


オウヴェルディが拳を振ったことによって生まれた巨大な衝撃波にネスは吹き飛ばされ地面に倒れる。

(早く起き上がらねぇと……)

「身体強化・……」

と体を起こすと目の前にはもうオウヴェルディの拳があった。

(この威力の魔術こんな連発できていいのかよ!!)


「『箱森』」


シェニーは箱守で何とかオウヴェルディの動きを止める。

その隙にネスは後ろに下がってオウヴェルディから距離を置き、反対にシェニーはその間にオウヴェルディのもとへ槍を構えて近づく。


「く……またか」


「『死樹槍(シジュソウ)』」


オウヴェルディが身体に絡みついた草木を振りほどいた同時にシェニーは足に思いっきり槍を突き刺すと、刺した場所からオウヴェルディの足の中に木の根が広がり木の根は足を分断する。

オウヴェルディは片足がなくなったことで膝から崩れ落ちるが分断された足は瞬きをした瞬間にはもう再生されている。

だがオウヴェルディの体勢が悪いことに変わりはない。

シェニーはオウヴェルディの首元をめがけて槍を向ける。

しかしオウヴェルディは体勢が悪いなりにも体をひねってシェニーを殴り飛ばす。

だがオウヴェルディは魔術を使っていないので破壊的な威力のパンチ力ではなくシェニーは事なきを得る。


「ふー危なかった、それにしてもお前らの魔術の使い方面白いな、雷の人間は手のひらで刀を加速させて俺の腕を切り落とすに力にもっていく、そこの植物を生やす人間は力がないなりに槍の先端を相手の体にさしてその先端から相手の内部に根を埋め込み体を分断させる、実に考えられた魔術の使い方だ」


「おまえのは反対に単純な魔術の使い方だな」


「ガッハッハ!! 言われてみればそうだな!! 俺の魔術は強いからな、考えたこともなかった!! あそこで倒れてる人間の魔術だって単純だろ」


とオウヴェルディがエリアの倒れている場所に指を指すとエリアはいなかった。


「今話しているうちにそこの植物を生やす人間が避難させたのか、抜け目がないな、ガッハッハッハ!!」


とオウヴェルディが話しているうちにシェニーはネスに近づき話しかける。


「どうするネス? エリアはひとまず離れたところに移動させたけど安全な場所じゃない」

「そうだな……移動させたとはいえ魔族に襲われる可能性が高い、ひとまずエリアを守りに行きたいが……んな事言ってる場合でもねぇしな」

「そうね、ここは」

「早く倒してエリアを守りに行くか、あの騎士を運んだ時みたいに今度は俺一人だが、俺が囮になってシェニーにエリアを安全な場所に運んでもらうか」

「そんなことできるわけないでしょ」

「そんじゃ早く倒してエリアのとこに行くしかねぇな、情報も聞き出してたいけど、そんな瀕死にして脅すとかの余裕はねぇな、いくぞシェニー」


とネスの合図で二人はオウヴェルディのもとへ走り出す。

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