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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
獣人の国スルト編

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40 五天vs少女 終

「その顔ズタズタにしてあげますよ」


ルフル(五天)が少女にそう言うと空間に青く光る短刀の先端で『霧』と書くとその文字を中心に霧が展開され始める。  

ルフルは霧が出たとほぼ同時に魔方陣を展開して自分の目に魔法をかける。


「次は目眩しね〜? 本当にその魔術便利だね〜だけど大体の目眩しは数秒しか時間が稼げれない、なんたって相手も対処するための魔法があるからね! これ常識~」


霧の中何も警戒せずに霧の中にいるであろうルフルに話しかける少女。

ルフルは少女の後ろに回り込んで背後から短刀で斬りつけるが、少女は背後からの攻撃をどこからか持ち出した鎌で振り向いて受け止める。


(鎌!? いつのまに!! 私が霧を発動させたと同時に出したの!? あの一瞬で判断して、相当戦い慣れしてる)


「ビックリしたでしょ〜?キミが霧を出したのと同時に鎌を出したんだ〜、だって霧を出した瞬間はいくら準備してたとしても術者本人の視界も一瞬見えなくなるでしょ?」


ルフルは短刀で鎌を弾くと短刀を持っていない反対の手から少女に向かって何かを投げる。

投げられたものは『光』の文字。


(そんな使い方もできるなんて、ただ空間に文字を書いて具現化させるだけの魔術じゃないんだ〜?)


黒い何かでできたフードを被りたいが間に合いそうもなく、少女は咄嗟に鎌を盾にして守る体勢を取る。

その文字は瞬く間に少女の前でものすごい眩しさで光る。


(これならどう? 黒い何かに対してはとりあえず光!!)


ルフルは少女の目が光でやられているうちに顔めがけて短刀で斬りかかるが少女はもうすでに黒い何かでできたフードを被っていた。

当然にルフルの短刀は少女に届くわけもなく弾かれ、ルフルは少女から考えをまとめるため距離を取る。


(光も弱点じゃない? これじゃ……ほかに何が弱点なの? 攻撃し続けたら案外あの黒いのもはがれるとか? いや、それならあんな自信満々に視界の悪い中突っ立ってるわけがない……そもそも私の魔術を知っていながらのあの行動……最悪なことだけどあの魔術には弱点がない……)


「ね~他にはどんなことができるの~? いや~まさか書いた文字を持ち運べるとは思わなかったよ~」


少女はフードを上げて距離を取ったルフルに相も変わらずのんきに話しかけるがルフルがその問いかけに答えることはない。


「また無視ですか~、そろそろ飽きてきたしこっちからも攻撃してあげる! その方がそっちも楽しいでしょ?」


そう言うと少女は鎌をもってルフルのもとへと走り出す。

ルフルは走ってくる少女を前に地面に『沼』と書くとルフルの目の前の地面が沼に変わる。

その沼により少女の足元は沈み始め走ることが困難となった。

その隙にルフルが少女を攻撃するための文字を書こうとすると少女の腕に纏っていた黒い何かがたちまち巨大な腕へと変形してルフルを掴みに来る。

とっさにルフルは後方に避けると少女はその巨大な黒い何かでできた腕で沼になっていなかったルフルの足場を掴み自分の体を引っ張って沼から抜け出すとそのまま沼から抜け出した勢いでルフルに近づき鎌を振り下ろす。


ガッコン!!!!


その鎌をルフルは短刀で受け止める。


「いや~びっくりしたよ~、あのまま沼に沈んでいたら大変なことになってた」


そう言いながら鎌を振って怒涛の攻撃をルフルに仕掛ける。


(案外武器を使った攻撃は普通ね、特別技術があるってわけでもない、問題は……)


ルフルが少女の鎌を淡々と防いでいると、体に纏っていた黒い何かがルフルにへと伸びる。


(やはりこれが狙い!!)


ルフルは鎌を受け流して黒い何かを受け止めるが、黒い何かは止まることなくそのままルフルの肩を貫く。


(うっ……なに……今の挙動…………受け止めたのに一切減速しなかった……)


ルフルは貫かれた肩を姿勢を無理やり低くして肩から黒い何かを抜く。

その隙に少女は姿勢を低くしたルフルめがけて下から振り上げる。

ルフルは後ろへジャンプして転がりながらかろうじて鎌を避けるが短刀を持った右手に鎌の切り傷を負う。


ルフルは次の攻撃に対しての体を起こして準備をするが少女は攻めてきていなかった。

その時鎌に斬られた傷がパックリと割れて悪化する。


(……!?悪傷の鎌?)


「いいね〜その反応〜せっかく戦うなら()()を見た時の反応が見たかったんだ〜」


「なぜ魔人が神器をもっている」


「長生きしてる内に〜気づいたら手元にあった〜、みたいな〜?」


ルフルは身体強化を肩と切られた右手に集中して傷を治す。


「おぉ〜獣人族なのにやるね〜まるで竜人族みたい……いや? それ自分の身体強化の力で直したわけじゃないね? キミのその目」


ルフルが傷を治した時、ルフルの目に()の文字が浮かび上がっていた。


「五天の力、神力を使って無理やり直したね? いいね〜、でも戦いはここまで、よかったね出会ったのが私で、私じゃなかったらキミ今頃死んでたよ〜、あ!! 私じゃないと殺せてないか!! まぁ今日は気分がいいし〜、そもそも私は戦わないつもりだったし〜、神器について反応したくれたし満足かな〜」


そう言うと少女は鎌を持ったまま頭の上で手を組んで後ろを向く。


「どこに行く!! まだt」


「あっ! そうだ〜ついでにどうやってトッシュ(リベルの隣都市)に入ったかのヒントあげる〜」


そう言うと少女は何もないところに手を伸ばす。


「『リーブル(世界を跨ぐ)』」


そう少女が唱えると手のひらの先に大きな魔法陣が展開される。


(まさか……)


その魔法陣は伸ばした手のひらから徐々に少女を飲み込んでいく。


「あともう一つヒントを教えてあげる、ここを襲った他の魔族と魔人はどこに行ったでしょ〜か? じゃああとは頑張って〜」


ルフルは急いで消えゆく少女に斬り掛かるが間に合わず、少女はその言って魔法陣の中に消えていった。

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