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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
獣人の国スルト編

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23 ロスクンvsノルダとしごでき

ロスクンはノルダに向かって走りだし、刀を振り下ろす。

ナルダは鞘を抜いていない刀で受け止める。  


(なんだこの刀の感触……)


ノルダは受け止めたロスクンの刀に違和感を感じる。

ロスクンはノルダの刀を弾き、刀を振り下ろし、薙いで、振り上げ、怒涛の攻撃を仕掛ける。

ロスクンの一方的な攻撃のようにも見えたが一瞬の隙をつきロスクンを蹴り飛ばす。


(どれだけ強いんですかこの人……僕が本気で攻撃していたのに隙一つ生まれなかった、それに、気づいたら僕の隙をつかれてた……)


ロスクンはすぐに体勢を立て直し、刀を構える。

すかさず追い打ちをかけるようにノルダはロスクンのもとへと走る。

ロスクンは走ってくるノルダを目の前にして突然。


ドン!! 『骨鳴響(コツメイキョウ)


ロスクンは地面を殴る。


(クッ!?)


ノルダは全身の骨が鳴り響く激しい痛みを感じる。


(なんだこの痛み……あいつが地面を殴った途端全身の骨に響く痛みが……これがあいつの魔術か?)


ノルダが痛みで動きを止めた隙にロスクンが斬り込む。

ノルダは不意な痛みに一瞬動けなくなったが、すぐに刀(鞘)を構えロスクンの振り下ろされた刀を受け止める。

刀振(トウシン)

ロスクンの刀が急に振動し始め刀を受け止めていたノルダの刀が振動に弾かれ、ロスクンの刀がノルダを襲う。

ノルダはすかさず刀を右手から左手に投げて持ち替え、なんとか攻撃を防ぐ。


(今の体勢から攻撃を防げるのか、どんだけ器用な人なんだ!?)


ノルダは下りながらロスクンに魔力弾を放つ。

ロスクンは魔力障壁を展開し魔力弾を受け止め、ノルダの放った魔力弾は爆発し煙が出る。

その影響でロスクンの視界は一時的に見えなくなる、だが一時的だ、視界外から攻撃する時間はノルダにはない。

ロスクンは正面を向いて刀を構える。

予想通りノルダはロスクンへと正面から走ってくる。

刀身を自分の身で隠して……。


(なぜ刀身を隠している……)


ロスクンは不審に思うが、姿が見えている以上関係のないことだと判断する。

『骨鳴響』、ロスクンはまたもや地面を殴る。

ノルダはロスクンが地面を殴ったと同時に飛び上がる。


「それ、物を伝って相手の体に振動を響かせるみたいな感じの魔術でしょ、そんなの二回目は食らわないよ」


「そんなことはわかってます! 『クライラスティフィ(天を穿つ槍)』」


ロスクンがそう唱えるとあらかじめ仕込んでいたのであろうか、青く光る魔法陣から青く光る魔力の槍が出てくる。


「どうです、魔力障壁で受け止められますか!」


「僕に気を取られすぎだよ」


その言葉を聞きふと周りを見るロスクン。


(まずい!)


ロスクンは気がついた、ノルダが走ってきた方向に青く光る魔法陣があること。

そして今その魔法陣から魔力弾が発射されようとしていることに。


(刀身を隠しながら走ってきたのはブラフ、本当の狙いはこっち!?)


「『魔力障壁』!!」


ロスクンはクライラスティフィを解いて魔力障壁を展開し、上からのノルダの攻撃に備え刀を構える。

ノルダが上から刀を振り下ろすと同時に魔力弾が発射される。

だが少しだけ早く魔力弾がロスクンの魔力障壁に当たる。


ボォン!


(タイミングをミスったのか?)


瞬時に判断しロスクンはノルダの刀へと集中する。

しかしノルダが刀を振ることはなかった。

ノルダは刀を振るように見せかけ、直前で振るのをやめて、片手でロスクンの刀を持ってる両の手をガシッと捕まえる。

 

(なっ! 両手を捕まえることが目的!? 振り解けない! 片手だけでなんて力なんだ!)


ノルダは振り解こうとするロスクンの手をガシッと掴みながらロスクンの首を切り落とさんとばかりに刀を薙ぐ構えを取る。


(鞘から抜かれている!! ……これは……死ぬ!!!!)


刀身が身体で隠されているとき無意識に警戒していたことだが、ここで鞘から刀が抜かれていたことに気がつく。

両の手を封じられたロスクンはノルダの刀を防ぐ手段がもう残されていない。

ロスクンは苦し紛れの魔力障壁を張る。

だが魔力障壁は物理攻撃にはめっぽう弱い。

ノルダは無慈悲にも刀をロスクンの首目掛けて切りかかる。


ブン!!!!!!


ノルダとロスクンの戦いを見ていた三人は思わず目を瞑る。

ロスクンも死を悟り目を瞑った。


(んっ………………あれ?)


ロスクンはゆっくり目を開けると見えてきた光景は、ノルダの刀がロスクンの首ギリギリで止まっている光景だ。

ロスクンは気が抜け思わずため息が出る。

ノルダは片手で持っていた刀を落とし、ロスクンの顔に向かって手をかざし魔法陣を展開し唱える。


「じゃあね! 『モルキュレトボコム(裏の闇)』」


ノルダはそう唱えるとロスクンの両の手を掴んでいた手を離し、地面に落とした刀を拾ってエリアたち三人の元へ歩き出す。


(誘眠魔法!? はやく魔法を解かないと…………)


ロスクンは魔法陣を展開しようとしたのか一瞬手の上が青く光るが、眠気に負けてしまい倒れてしまう。


「ノルダさん! これはどういうことなんですか!!」


エリアは大きな声で言う。


「そうよ! これはえーと! なんなの!」

「俺もなんでこうなってんのか知りてぇな」


シェニーとネスもノルダに質問する。 


「いゃ〜、まぁ〜、ごめんね」


ノルダは気まずそうに頭をかきながら仮面をつけてるからわからないが、目を逸らしながら言う。

そのノルダの様子を見てエリアたち三人はますます怒り? 戸惑い? 質問する。

その時、ノルダは目を逸らすと偶然にも最初に倒した騎士の手が青く光っているのを見つけた。

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