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輪廻伝記〜この世界を生きている〜  作者: 今日 虚無
獣人の国スルト編

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19 特訓開始!

特訓は実力を計られた次の日から始まった。


ー特訓一日目ー


「今日から特訓開始だからね! 昨日言った内容忘れてないね?」


「忘れてないです!」

「忘れてねぇよ」

「忘れてない」


そう三人が答える。


「よしさっそく僕と戦ってもらうよ、木の枝を持って構えて」


三人は言われた通り木の枝を持って構える。


「僕の木の枝におられないでね、いくよー! よーいはじめ!」


三人は掛け声と同時にノルダに向かって走り出す。


「くっそ!」


ネスがエリアとシェニーに置いていかれる。

エリアとシェニーが同時に剣みたいな枝と槍みたいは枝でノルダに仕掛ける。

なんなくでエリアとシェニーの攻撃を防ぐノルダ。


「いいよ! その調子!」


遅れてネスも参戦する。

だがあっけなく木の枝で殴り飛ばされる。


「身体強化を使ってー!」 


「くそが!」


木の枝で殴り飛ばされたネスを側にエリアの木の棒が戦いの最中ノルダによって折られる。


「強化付与の意識! 木の枝を拾ってきな!」


そう言いながらノルダはエリアを木の棒で殴り飛ばす。

シェニーも頑張って普段は中距離だが近接で戦う。


「いいよー、強化付与を途切れさせないでー、だけど……」


シェニーの隙をつき腹を木の枝で突く。

シェニーは腹を抑え地面に膝をつける。


「近接戦はあまいね、もっと相手をよく見て」


こうしてノルダとの戦いは朝から始まり昼休憩を挟み夕方ごろに終わる。


「今日はここまで」


「やっと終わったぜ……」


「体の節々が痛い……」


「ノルダ……いつか絶対にボコす」


三人はノルダにコテンパンにされ、ヘトヘトで肩で息をしながら集合しノルダは三人の傷を治す。


「今日は鳥の丸焼きとお米だから机と椅子用意しといて」


そう言うとノルダは家にご飯を取りに行く、その間に三人は机といすを用意する。

ノルダの料理を机を囲んで四人で食べ、食べ終わると三人は自分の魔術でできることを考えながら床に就く。




ー一週間後ー


こんな日々を一週間と過ぎたころ、沸々と溜まっていた不満が爆発する。

それはノルダとの戦いを終えていつも通り夜ご飯を食べる時だった。


「今日も僕が丹精込めて作った鳥の丸焼きとお米だよ」


ガコンッ!

隣で音が鳴った。


(あれ……? これは?)


そこには台パンを繰り出すシェニーの姿があった。

空気が静まり返った。


「どうしたのシェニー?」


ノルダが質問する。


「いつまで」


「いつまで?」


「いつまで鳥の丸焼きと、お米のセットなの?」


シェニーからここ一週間溜まっていた不満が出た。

だが、その不満は特訓の内容のことではなくご飯のことだ。

ご飯のこと? たかがご飯のことではない、とても重要なことだ。

ネスも最初はこんなのが一番おいしいとか言っていたが、さすがに飽きていた。

エリアもその不満はちょっと、本当にちょっとだが感じていた。


「食べれるんだからいいじゃん」


ノルダも少しは罪悪感を感じていたのか、申し訳なさそうに目を逸らして言う。


「食べれるんだから!? いいや、朝も昼も夜も毎日毎日何の味付けもされてない丸焼きと、ご飯よ!! 食べてたら飽きで死んじゃう! エリア、ネス今からリベル行って夜ご飯食べに行くよ!」


「い、今から!?」


「おいおい、いくら何でも今からは無理だろ」


怒るシェニーを落ち着かせるエリアとネス。


(やべぇ……)


その光景を見てノルダは提案をする。


「明日は休みにしよう」


名案を出したかのように言うノルダ。


「それがなんですか?」


半ギレで言い返すシェニー。


「いや、これからは一週間に一回休みにして三人で美味しいごはん食べに行きなよ、僕も息抜きしたいし」


気を使ってくれる、使わざるを得ないノルダ。


「いいや大丈夫です、休みは明日だけでいいです」


エリアは申し訳ないのと特訓期間が延びるのを懸念し答える。


「そんなに遠慮しなっくてもいいよ、それに特訓期間が延びるのを心配してるんだろうけど大丈夫だよ、エリアもシェニーも身体強化と強化付与も安定して上手くなってきたし、ネスだって身体強化は格段に上達したし、強化付与だってでき始めてる、これは僕の想像を超える成長だよ、だからそんな心配はしないでいいよ」


その言葉を聞き安心するエリア。

ネスはノルダの言葉を聞き一人でに照れていた。

それを隣に美味しいご飯を食べれることに喜ぶシェニー。


「じゃあ明日は朝早くから出てリベルを観光して、お昼食べて、えーとそれから、また観光して」


さっそく明日の予定を頭の中で組み立てるシェニーであった。

ネスはシェニーが落ち着くと黙々と一人でご飯を食べていた。


「あ、じゃあ、課題を出します」


「なんですか」


「リベルまで全力疾走で行って帰ってきてもらいます」


「え?」


シェニーが微笑から真顔に変わる。


「走って行けばみんななら、三十分ぐらいで着くでしょ」


「あ……え?」

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