15 枝の実力 鉄の無力
この世界は五つの知性ある種族、人族、聖人族、獣人族、巨人族、竜人族、がそれぞれの国を造り世界を統べている。そして魔人族が世界の敵として存在している世界。そんな世界で生きる一人の人間の物語。
特訓のために四人で机と椅子を片付けて、ノルダは三人と少し距離をとる。
「よし! これで特訓ができるね! まずは君たちの実力を測っていくよ!」
ノルダはそういうと地面に落ちていた通常の剣、刀ぐらいの長さの枝を拾い上げる。
「僕はこの木の枝で君たち三人と戦うから、あっ君たちは普通の武器でいいよ、さあ! いつでもかかっておいで!」
「ノルダさんそれは……」
「それは流石に危ねぇだろ」
「嘗められたものね! 絶対に後悔させる!」
一人を除き二人は心配している。
「そんな事ないよ逆にこれでも僕が有利すぎるぐらいだよ、なんなら素手でもって素手の方がハンデにならないや」
テヘッとしながらそう言う。
「可愛くねぇーよ、んなこと言うなら遠慮なくいくぞ!! 『雷身』!!」
ネスは体に電気を走らせ身体能力を上げて走りだす。
「オラァァァ」
ネスは思いっきり剣をノルダに振りおろすが……。
簡単にネスの剣はそこら辺に落ちていた木の枝で受け止められる。
「いい魔術だね〜」
「なわけねぇだろ!!」
ネスは剣で木の棒を切れない状況に信じられないと声を出す。
「そう思っちゃうよね」
ノルダは簡単に木の枝を待った右手を振り上げネスを吹き飛ばすとその後ろから剣を薙ごうとするエリアが出てくる。
「『光斬花』」
眩く黄色く光る剣がノルダへと薙ぎ払われる。
ノルダは軽々と後ろへ飛んで回避しようとするが。
「『薔薇縛』」
ノルダの体にツタが絡みつき、ノルダの動きが止まるがそんなこと意にもせず瞬時に枝を左手に落としてエリアの剣を受け止める。
「なかなかの連携だね」
ノルダは軽々と薔薇縛をちぎりながら左手一本でエリアの剣を捌く。
カンッカンッカンッ。
(なにこれ、ノルダさんには何が見えてるんだ、ノルダさんにあたる気がしない……)
エリアも本気でノルダを斬る気持ちで剣を振っているが剣は一向にとどかない。
ノルダは左手首を捻りエリアの剣を枝一本で払い除けその隙にエリアの腹を蹴り飛ばす。
「グハッ」
ビュン!!!
突然ノルダの背後から槍が飛んでくるとノルダは何事もないように避ける。
周りを見ると地面から生えた無数のツタが一本の槍を投げ合い攻撃してきている。
「どう!? 四方から飛んでくる槍『蜂害放鳥』を食らってる気分は!!!」
「どうって言われてもこんなのただの遊びだよ、どうするんだいこの間に近づかれたら? 武器を持ってないシェニーは何もできないんじゃない?」
(まずい!!)
その言葉を聞き槍を自分の元へと戻そうとしたのか一瞬ツタの動きが鈍くなった。
その一瞬の隙を見逃さずに槍をツタから奪い取る。
「こんな事も想定しないとね、優しいからこの槍お返しするよ」
(防御を……)
トゴ!!
そう言うと地面が割れるほど踏み込み槍をシェニーめがけて投げる。
槍の速さにシェニーの防御技は追いつかず死を悟るが槍はシェニーの少し前の地面へと突き刺さりすごい砂埃を上げる。
シェニーは今の一瞬の光景に腰が抜け地面に崩れ落ちる。
「これでおしまいかい三人とも?」
余裕綽々に枝で肩をトントンしながら立っている。
最近だんだんと色んな人に見ていただいてる気がしています。ありがとうございます。これからも頑張って書いていきます。誤字脱字、質問等あればなんでも言ってください。対応できるものは対応します。




