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0 その本の名は


「すいません、そのお肉何ピスですか?」


「この肉は400ピスだよ、こっちはどうだい?今朝とれたゴルトンの肉だ!今日は特別に500ピスだ!」


「うーん、買います!」


「まいど!」


お母さんあっちのお店行ってみよ!

はいはいわかりましたよー。

特別に今日は安くするよ!

あそこのお店美味しいらしいよ。

あの噂きいたか?


と色々な声が聞こえてくるどこかの市場。


そういえば今日はお祭りだったけか?

ワクワクワクワク。

いや〜お肉買っちゃった〜、高いってわかってたけど、店主の口車にのって買っちゃったー。

美味しそうだったら買っちゃうよね〜。

夜ご飯楽しみ〜。


そんなことを考え1人ニヤニヤしながら家に帰ろうと市場の大通りから外れ路地に入るといつも通る道なのに、見覚えのない本屋を見つける。


そういえばこんなところに本屋なんかあったっけ?

人間は気になり本屋に入ってみる。

ガチャ

「すいませ〜ん、誰かいますか〜?」


しっかし変な本屋だな〜、表紙が見えるように本棚に本が置かれてるよ、しかも一冊ずつ…。


『なんじゃ…?誰か来ておるのか…?』


カウンターの奥の扉から髪も目も服も全て真っ白な幼女が眠そうに出てくる。

なにこの真っ白な子!?かわいい…。


「すいません、ここのお店の人知らない?」


『私がこの店の店長ですけど』


ん?やべぇよく聞こえなかったなぁ…。

もう一回聞いてみるか。


「ここのお店の人知らない...?」


『私がこの店の店長だ!!』


聞き間違いではなく、本当に店長だったらしい。

 

「ごめんなさい、失礼なことを聞いてしまいました」


『別に良いぞ』


カウンターの奥から眠そうに出てきたから今日は休みだったのかな?


「すいません、今日お店お休みでしたか?」


『いや、やっておるぞ、じゃなくて、やってますよ』


なんか今変な語尾が聞こえたような、まぁいいか。


「これなんでぜんぶ表紙が見えるように本棚に置いてるんですか?」


『本が少ないから多く見せようとしてるんです』


へ〜、まぁ、少なくはみえないか、っていや全然すっからかんに見えるけど!?

と辺りを見渡しているとカウンターの奥に3冊の本が飾られている。


「そこのカウンターにある3冊の本は本棚に置いてないってことは売ってないんですか?」


と3冊の本に指を差して言う。


『そうです、この本は売ってないんです、これはワタシが趣味で書いた本で売るようなものではなくて…』


「少しだけ見せてくれたりしません?」


『ワタシも久々に読みたいので、一緒に読みましょ!』


なんで?いっしょにみんの?


「じゃ、じゃあ、一緒に読みますか」


タイトルは?あれ?どこにも書いてない。

本の表紙にも背にも。


『『輪廻伝記』ですよ』


「え?」


 

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