ベランダの詩
めくらなくなった カレンダー
俺はしょせん誰かの 当て馬
それでも生き方を 曲げるな
鏡の前の自分に 叫んだ
顔も知らない ルームメイト
周囲の話題 宇宙言語
結ぶ縁も すぐ捨てる方
孤独のなかで 紡ぐ音色
卒業して 誰とも会わなくなって
上京したやつらは 夢を叶えて
想像以上に 俺は未だ
行動できず 臆病な雛だ
空に飛び立つ気力もなく 床で朽ちた紙飛行機
羽ばたく気もなく羽休め 人目怖くて行けない並木通り
行き交う他人 見下ろすベランダ
賑わう街 周りを妬んだ
殻に籠り 閉ざした世界は
空虚な日々 自分で選んだ
昔歩いた散歩道 舞う紅葉 吐く吐息
何度生き返れたとしても それに何の意味?
現在は過去と未来で挟まれた サンドイッチ
色褪せてく いつか夢見たストーリー
人生は経験のプール
あるいは無駄な抵抗のループ
世に出るための トレーニング
他人を避け 息を 止めて生きる
夕陽 乱反射する 観覧車
冬から夏 繰り返す寒暖差
何年目か数えるのは もうたくさんだ
この感情は いったい何なのか
冷めたお弁当 古いトレンド
目指す桃源郷 ここから跳べるの?
虚しいエコー 手頃な希望の出処
夢見てるだけの言葉は 寝言ってこと?
それでも ここから
追い込まれて 頭のなか 外れるネジ
失敗や後悔も 今は忘れるべき
進むべきビジョン まだ漠然でいい
生まれ付いた勝ち組には 味わえない逆転劇
流れる星 見上げるベランダ
変わる勇気を 夜空に願った
足掻き進み いつか世界が
変わった先で なにを選ぶか
こんな俺でも いつか出番が