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越王の國  作者: 小島紅
2/3

起1

 何気なく見ていたテレビ画面には、黒いスーツを着たおじさんが映っている「本日中に公布される予定であります。新しい元号は平成であります。」

「ああ、これで昭和も終わりかあ。なんか、平成ってふわふわしていて、違和感があるなあ。」

とりあえず、こたつに入って一眠りしよう。


寒い。今何時だろう。時計を見た。

「うわ、もう5時半じゃないか。3時間も寝てしまった。」

とりあえず、タバコでも吸うか。あっ、もう空じゃんか。

近所のたばこ屋に買いに行こう。

田町にあるたばこ屋に着いた。

「キャスターください。」

「ごめんなさいね。キャスターちょうど売り切れでないのよ。」

「えっ、キャスターないんですか。」

ショックだわ。

「まちに行けばあるんじゃないかしら。」

「わかりました。行ってみます。」

まちに向かって、電車通りを歩き出した。

神社のよこを通りかかった時、鈴の音が聞こえて来た。

ただの鈴の音じゃない。いくつもの鈴が鳴り響いている感じだ。リンリン、リンリン…

何かおかしい。よし、行ってみよう。

神社の鳥居をくぐり本殿に向かって歩いているとだんだん鈴の音が大きくなっていく。

目の前が突然真っ暗になり、次の瞬間、眩しいくらいの光に全身がつつまれた。

周りを見渡すと神社が忽然と消えて自分が空の上にいた。下を見た瞬間、急降下して地面に叩きつけられた。

「何だよ。ここは?」

これまで見えていた風景が一瞬にして消え去り、辺りは砂ばかりである。砂漠か、ここは?

まちにむかって歩いていたはずなのに砂山しか見えない。

何があったんだ?

とりあえず、周りに見えるものは、川と砂と海だけだ。

とにかく歩こう、出会った人に聞けば何があったのか分かるかもしれない。

オレは海に向かって歩き出した。

誰にも会わないし、家もない。もちろん建物もない。「本当にどこなんだここは?オレは家に帰れるのか!?」

海に着いた。2つ島が見える。1つは小さい島、もう1つは大きい島だ。

「ウソだろ?あれは粟島と佐渡じゃね。」

「じゃあ、ここはやっぱり新潟か。」

一瞬のうちに何も無くなるなんて何があったんだ。

「家族や友達は無事なのか?」

よく考えろ、オレ!こんな時はどうしたらいいんだ?

「そうだ!とりあえず、山に向かって歩いていけば建物や人に会うかもしれない。」

山に登れば、高いところから周囲を見渡せる。

まだ日も明るいし行ってみよう。

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