3話 吾輩は裏技を発見した
少し短いです。
ごめんなさい。
『キャラクターメイキングは終了です。お疲れ様でした。行ってらっしゃいませ。』
ルカはウキウキワクワクとピリピリした緊張感を持って、CSOの世界へ飛び込んだ。
気が付けばそこは街中だった。噴水の前で自分も含め数百人が集まっている。
鈴の話では新しい巨大サーバーが使われるようになるのは、来週の金曜日という話だった。
何故もうゲームを行うことが出来るのだろうか。
『チュートリアルを開始します。専用セーバーである為、ここを使い来週までに体を温めておくのも良いでしょう。』
「なるほど、ここは練習用のサーバーということですか。ではゲーム内と現実ではどれほど動きに違いがあるのか試してみましょう。」
ルカは変化を感じるために空手の型を行うことにした。
「スーパーリンペイ!!」
型名を叫ぶと、噴水の前で舞のように体を弾く。
突然始まった行動に周囲は唖然とルカを見ているが、その型は美しくパンッ!パンッ!と音を鳴らしながら架空の相手と戦うさまに段々と魅了されていく。
やがて大きな深呼吸と共に終了した型は、この日一番の話題となった。
「ステータスが足りないせいか少し動きがぎこちなく感じますね。ですが、現実とは違って自分の理想を再現できるところは最高です。」
体の動きを確認した後、ルカは自分の視界の端に赤い『!』が付いていることに気が付いた。
意識をそこに向けると手元に透明な板がズラッと現れた。
メニュー覧があったためこれをタッチし開いてみる。すると、
チュートリアル:
・ボードを開く(クリア)
・ギルドに行く
・ギルドに登録する
・買い物をしてみる
・街の外に出る
・モンスターと戦う
・アイテムを使う
・スキルを使ってみる
・レベルアップしてみよう
と表示された。
とりあえず行うべきことはは分かった為、上からクリアすることにしようと思う。
30分後、買い物まで終わらせることが出来た。
外に出ようとは思うが何処に行くかを悩んでいると、北門の先が墓場であることが分かった。
墓場に出るモンスターといえば、お約束はゾンビやスケルトンだろう。あまり強いイメージは無いので簡単だと思いここに行くことに決めたのだった。
「すぐに倒せるモンスターばかりだと思いますし、穴場かもしれませんね。墓場だけに穴場、不謹慎ですね失礼しました。」
そう思っていた時期が私にもありました。
墓場にいるモンスター、最悪でした。
ゾンビ:腐敗臭がひどくて近づきたくない上にグロい
スケルトン:硬い、攻撃しても痛みがないからかひるまない
ミイラ:臭い、グロい、汚い
レイス:そもそも物理が効かない
「墓場を狩場に選んだ過去の自分を殴りたいです。回復ポーションを使って体力を回復しないといけませんね。死んでしまいます。」
そう言って蓋を開けた瞬間勢い余ってこぼしてしまった。
地面にこぼれたポーションだまりを踏んだゾンビ・スケルトン・ミイラがなんとダメージをくらい浄化されていく。
「おっと?これは発見してはいけないものを見つけたのでは?」
そう考えながらも持っているポーションを全て地面にまき散らし、スキルを使う為にレイスに【テイム】を使用した。
『レベルアップしました』
『チュートリアルミッションを全てクリアしました。』
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