2話 吾輩のキャラクターメイキング
目の前の草原と頬を撫でる風、土の匂いなど様々な情報を五感をとうして感じることができた。
最新鋭のVRは体の感覚全てを再現し、現実と遜色ない経験ができると聞いたことがあったがこれはそれ以上だ。
ボーッと過ごす時間も程々に、そろそろキャラクターを作っていこう。
『craft・skill・on-lineへようこそ。キャラクターメイキングを行っていきましょう。』
「うわ!びっくりしたぁ...なんですかこの声は、何処です?」
春香がキョロキョロと周りを探している最中にも―
『名前を決めましょう。※本名は避けることをおすすめします。』
話がどんどん進んでいく。
「な、名前ですか?そうですねぇ、春の香りということでサクラはどうでしょうか?」
『プレイヤー名が重複しています。別の名前をお願いします。』
「では、モモはどうでしょう?」
『プレイヤー名が重複しています。別の名前をお願いします。』
「え、これもですか?」
やはり第一陣のプレイヤーにも同じ思考を持つ者がいるのだろう。プレイヤーネームが被ってしまう。
「春香から取ってルカにしましょう。どうですか?重複していますか?」
『ルカさんですね?決定しました。続いて種族を選びましょう。』
その声と共に目の前にホログラムが映し出された。
種類は5つで、見た目の特徴から、人間、エルフ、ドワーフ、獣人、その他となっている。
『種族の説明を聞きますか?』
「いえ、結構です。直感で決めたいと思います。
そう言って春香改めルカは、勘を信じて選ぶことにした。
選んだ種族は『人間』にした。
『職業を決めましょう。何にしますか?』
「やっぱりヒーローといえば肉弾戦ですよね。ということは格闘家でしょうか。しかし、武器を使うシーンも多くありますし、技を使えば魔法のような攻撃も使います。どうすれば良いのでしょうか。はぁ」
ため息を吐きつつ悩むこと5分、ここに助け舟が出された。
『お困りですか?』
「え、あ、はい。困っています。肉弾戦をしたいのですが。武器も使いたくて、更には魔法もやってみたいのです。どのようにすれば良いでしょうか。」
『テイマーは如何でしょうか?』
答えを待っていると、予想外の職業が出てきた。
『テイマーは武器・防具の装備制限がないのです。通常は職業につかなければ装備のできない武具を使いこなすことが出来ます。更にテイムは魔法の一種なので、本職よりは劣りますが通常の魔法を扱うことも可能です。但し、【武技】を使用することは出来ません。』
「なるほど、ならま私はテイマーを選びます。」
『テイマーですね?決定しました。最後にステータスを割り振ってください。』
=====================
名前:ルカ
種族:人間
職業:テイマー
HP:5
MP:5
SP:5
筋力:5
耐久:5
器用:5
精神:5
理力:5
俊敏:5
信仰:5
ステータスポイント:100
スキルポイント:50
職業スキル:【テイム】【ファーム】【召喚】
=====================
これもまた直感で振り割った。というかわからないから役立ちそうなところを選んだ。
その結果が以下の通りである。
=====================
名前:ルカ
種族:人間
職業:テイマー
HP:5
MP:10
SP:5
筋力:40
耐久:20
器用:15
精神:5
理力:5
俊敏:40
信仰:5
ステータスポイント:0
スキルポイント:0
職業スキル:【テイム】【ファーム】【召喚】
スキル:【思考加速】【鑑定】
=====================
スキルは【思考加速】に9割のポイントをつぎ込んだ。
『キャラクターメイキングは終了です。お疲れ様でした。行ってらっしゃいませ。』
ルカはウキウキワクワクとピリピリした緊張感を持って、CSOの世界へ飛び込んだ。