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18.チーム戦

「今日は頑張ろうね!」


 セレネの元気な声を聞き、笑顔を見たら不安な気持ちが薄れた。


「うん。頑張ろう!」

 俺も笑顔で返す。


「ヘリオスのことは俺が守るから」


 リアンサスが言い、ディアントスもアキレア王女も「俺も」「私もヘリオスを守ります」と続き俺は苦笑する。


 リアンサスがにやけていた。


「昨日、俺達との特訓が終わった後もヒュペリオンおじさんがヘリオスのこと見てくれたんだろ?」

 リアンサスが真顔で言う。


「風魔法を教えてくれたけれど攻撃になる威力じゃない。水魔法よりはましだけれど」


 やはり魔力が足りない。身体強化みたいに器の穴から魔力を取り込み使えたら威力も高められるだろう。


 ――何が足りないのだろう?


 チーム戦を行う王宮学園の訓練場で作戦を再確認していると宮廷魔導士の息子たちがやってきた。


「逃げずに死に来たのか割れ器。しょせんお前は、使い捨ての魔法師団長の息子だ。何が王配候補だ。」


 イレックスにヒュペリオンを、父さんを馬鹿にされて怒りがわいた。


「父さんは使い捨てじゃない。お前らの父親だけじゃ守れない国の人々を毎日守ってるだろ」


「知らないのか?魔法師団は敵兵の攻撃を防ぐただの盾だ。宮廷魔導士は国を導く存在だ。親の格が違うのだ。下級にも満たない魔法使い見習いがすでに中級魔法使い相当の俺になめた口を聞きやがって。力の違いを見せてやる。王女も怪我をしたくなければ、この割れ器から離れていてください」


 視線を下げていたアキレア王女がイレックスをにらんだ。


 審判役の宮廷魔導士に俺たちはうながされ、指定場所に移動してイレックス達と向き合った。


 イレックス、同じようなローブを着た宮廷魔導士の息子が2人、騎士団見習いであろう防具の男が1人の合計4人が相手のようだ。


 審判の合図と同時に俺たちは全員でイレックスに攻撃をしかける。後ろからセレネが水魔法弾を放った。俺が盾として突進し、後ろにディアントス、リアンサス、アキレア王女が続く。


 一気にイレックスに迫ったことで魔法使い見習いの2人は魔法を放つのをためらっているのが見えた。


 相手の騎士団見習いの剣を俺が受けた。ディアントスが木剣で叩きのめし、そのまま、リアンサスと同時にイレックスへ剣をふるった。


 イレックスは、一瞬で後方へ下がり俺達との距離をとり、腕に巻き付けた炎魔法をはなった。


 俺は、気づいたら空を見ていた。体が焼けるように痛い。


「ヘリオス!」

 アキレア王女の切迫した声が聞こえた。


 俺に近づき回復魔法をかけるアキレア王女。


 イレックスたちがこちらへ炎魔法を放つのが目に入った。


 セレネの放った水魔法がかき消され。炎がアキレア王女と俺に向かう。


 とっさにアキレア王女を後ろにかばい、俺は風魔法を放った。


 イレックス達への怒りに満ちていた。心の奥から力が湧き出すような感覚だった。


 緑に光り輝く風魔法は炎を飲み込み、威力を弱めることなくイレックス達3人へと向かいそのまま飲み込んだ。


 3人はまるでおもちゃの人形が壊れるように腕が不自然にねじれながら訓練場の奥の壁へとたたきつけられた。


 泣きながらアキレア王女がかけてくれる回復魔法で焼ける痛みが和らぐ中、俺は現実感がなかった。

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