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your story ~ゲーム世界で紡ぐ転生冒険譚~  作者: 藤咲 流
ドット絵神官との出会い編
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プロローグ・剣を抜く日は来るのか

Q1 タカオさんはゲームが好きですか?



「普通に好きですよ。ずっとナンバリングが続いている『トラクエ』は全部やってるし、マニアックかもしれませんが『クロスハーツ』とか独特なRPGとかも好きだったなぁ。あとアドベンチャーゲームも好きで『かまゆでの夜』とかのゲーム実況を見つけるとつい見ちゃいますね」



Q2 最近ゲームはしましたか?



「昔はよくやってたかな。今は仕事が忙しいんで対してやってないし、最近のゲームってあまり面白くないから」



Q3 最近のゲームをしなくなった理由はありますか?



「単純に面白いろいと思わないし、なんかドキドキ感がないんですよね。ぜんぶ映像で見せちゃって想像する余地がないみたいな。システムも似たようなものが増えちゃって、同じことやってる感じが強くて」



Q4 昔のゲームのほうが好きですか?



「よくやってたのが昔のゲームというのもあるけど、やっぱ昔のほうが好きかな。アクションにしてもRPGにしても単純に冒険してる感があるし、没頭して時間忘れちゃいます」



Q5 今プレイするとしても昔のゲームのほうがいいですか?



「今更新しいものをプレイするよりは、昔のほうがいいですかねぇ。ハードも古いものしか持ってないし、古いゲームを中古で探してみるのも割と面白かったりします」



Q6 では、あなたが世界を救ってくれますか?



「質問の意図がよくわからないですけれど……。もう一度古いゲームをプレイしてクリアするってことですか? まぁ、そりゃ今のクリアのないゲームに比べると全然プレイしたいですよ。エンディングという目標ありますし。救ってやりますよ、世界」



 ーわかりました、では質問は以上です。ありがとうございました。



 なんとも言えない質問内容だった。



 しがないライター(というフリーター)だったから引き受けたものの、やはりどこの会社かわからない仕事は引き受けないほうがいい。そう確信した仕事内容だった。

 仕事としてはインターネットを通じて簡単なアンケートに答えるというものだった。商品開発のための意見の吸い上げとして、クラウドソーシング形式でアンケートを取るのは知っていた。



 しかし、いざ受けてみると本筋とは全く関係ないような質問ばかりで、やはりアンケート内容によって吸い上げる情報の質も変わってくるのだろう。俺も仕事でインタビューを取るときには気を付けないといけないと胸に刻み込んだ。



 特にやりたいこともないのに何百万円も大学にお金は使いたくなかったし、今更「今の時代は英語だよね」と言いながら海外に行くのもダサい。だからと言ってロクでもない仕事で精神殺されるのも嫌だし、老人のお世話のために身体を壊すのはもってのほか。



 八方ふさがりだったけれど、実家に居たくなかった俺は一人で生活するためのお金を得るため、ライターをはじめた。昔から文章を描くことには抵抗が無かったし、とりあえず生活費を稼ぐ程度にはお金をもらえた。

 よくネット上とかにある「好きなことを仕事に」的なライトなノリは皆無で、同じ目線で見られるとちょっとイラっとくる。



 編集部との対立は常に起こるし、物書く人を魔法使いと勘違いして資料送付や打ち合わせをしていない輩もたくさんいる。奴さんは初心者・熟練者なんて関係ない。それはわかるけれど、「ライターなんて安価で何でも仕事をしてくれる人」と思っている人間を相手にしないといけないことを仕事を通じて知った。



 仕事が終わるといつも頭が茹で合ったように動かなくなっている。今日の仕事内容に普段の内容と比べれば何とも簡単なものだった。

 むしろ質問されてちょっとした息抜きになって、これでお金がもらえるならば美味しい仕事だと思った。お礼のあいさつを念のため送っておこうと仕事用のメールボックスを開くと、すでに先方から連絡が来ていた。



「えっ……」



 今回のアンケートはクラウドソーシングの仕事を斡旋するサイトではなく、インディーズゲームを作る会社が直接請け負ったものだった。メールをチェックするときちんとお金が振り込また旨が書かれてあった。だが、報酬だけでなくメールにはURLと『クリエイター~魔王の願いと4つの邪霊~』というだけが表記されていた。



 ーこちらフリーゲームです。貴殿のお仕事に対しての追加報酬とお考え下さい。



 メールにはその一文だけが添えられ、それ以外には何も書かれていなかった。おそらくURLをクリックすれば、そこからフリーゲームのあるサイトにでも飛ぶのだろう。しかし、そのゲームがどのようなものかわからないし、本当にこのURLがゲームのあるサイトに飛ぶのかもわからない。



 だが、俺はこのタイトルに非常に惹かれていた。「your story」という何とも言えないレトロで聞きなれたタイトル。手はマウスに置かれ、導かれるようにURLをクリックしていた。



 それこそ、勇者が目の前にある剣を引き抜くように。

ご覧いただきありがとうございます。評価やレビュー、感想などいただけますと、筆者はさらに頑張って各キャラクターのサブエピソードとか書けるかもしれません笑

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